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フォーラム’80 受講生寄稿

課外活動を中心に参加者に寄稿していただいています

沖縄特別研修

2013-04-26 16:11:25 | Weblog


日 時:平成25年3月15日(金)~16(土)
参加者:68期生17名、69期生15名
同行者:阿部滋朗事務局長
記 録:有限責任監査法人トーマツ 山本道之

【はじめに】
2013年3月15日から16日にかけて、電源開発㈱(以下、J-POWER)が運営する発電所、航空自衛隊那覇基地を中心に、沖縄本島を二日間かけて巡る特別研修が開催されました。
3月の沖縄は、最高気温は20度前後と昼間は上着も要らない陽気で、また天候にも恵まれた二日間でした。
なお、私をはじめとした68期生にとっては、現役のフォーラム生として最後の活動であり、日中は勿論のこと夜も寝る間も惜しんで(?)お互いの親睦を図ることができ、非常に思い出深い研修となりました。

【電源開発株式会社 石川石炭火力発電所】
ANA125便にて那覇空港に到着後、早速バスに乗り込んで、今回の研修最初の視察先であるJ-POWER石川石炭火力発電所へ向け出発。そのバス車内にて昼食を取りながら、J-POWER会社概要について69期のJ-POWER三浦さんより説明を受けました。J-POWERは日本の戦後復興期で各電力会社が資金・技術面で力がなかった時代に国策として設立され、その後2004年10月に完全民営化。各地区の電力会社に電力を販売する「卸電気事業者」として、日本全国67箇所の発電所を運営しており、今回の見学先はこのうち沖縄で稼動している2箇所の発電所となります。
13時少し前に、うるま市石川の石川石炭火力発電所に到着。まずは会議室にて石炭火力発電の仕組み(石炭の粉砕・燃焼→高温・高圧蒸気の発生→タービンを回転→発電機が回って発電)を分かりやすく説明して頂きました。なお、この石川石炭火力発電所の特徴は、海域の生態系を維持するとともに大型船が入港できるよう、沖合1km先に石炭受入用設備が整備されており、また、近隣住宅地への配慮から粉塵や騒音対策のために受容石炭を保管しておく貯炭サイロが陸側に設置されているという点のようです。
その後、二班に分かれて発電所内の視察に出発し、蒸気の熱気が充満し蒸し暑いタービンフロア内を抜け、発電所全体が見渡せる建屋の屋上へ。この発電所の特徴である沖合に長く伸びた揚炭桟橋と、建屋をはさんで反対側にある貯炭サイロ4基の様子が一望できる場所で、沖縄のきれいな海が非常に印象的でした。

【電源開発株式会社 沖縄やんばる海水揚水発電所】
石川石炭火力発電所を出発して高速道路を北上、一旦西海岸を経由したのち東海岸沿いの県道をさらに北上、2時間近くかけてようやく沖縄本島北部の国頭村に位置する沖縄やんばる海水揚水発電所に到着しました。
石川発電所と同様、まずは発電所概要について説明を受けました。69期生三浦さんからの事前説明のとおり、ここは世界初かつ世界で唯一の海水揚水発電所。この発電所が国のプロジェクトとして沖縄県で開発されることに至った経緯、揚水発電の仕組み(いわば「巨大な蓄電池」)や海水揚水発電の優れている面、そしてやんばるの豊かな自然保護に配慮した環境対策などについても、詳細に解説して頂きました。この揚水発電所では最大出力約3万kWの発電を行うことができ、これは一般家庭10,000人分の消費電力に相当するそうです。
その後、8人一組に分かれ、エレベーターで事務所から150mほど下った地下の発電所建屋内を視察し、続いて約200mの放水口連絡トンネルを抜け、外の放水口を見学。なお、当日は昼間でしたが発電ではなく揚水をしているとのことで、放水の様子は見ることができませんでした。エレベーターで地上に戻った後、最後に東京ドームが1個分入る広さという八角形の形をした上部調整池を視察して終了となりました。
無尽蔵の海水を用いることができる発電方式であり、発電のために資源(LNGや石炭など)も費消する必要がなく、昼夜の電力需要平準化を可能とする大変優れた発電方法ですし、採算面、立地面、技術面等でまだハードルはあるのかもしれませんが、電力問題への対応策の一つとして将来的に有効利用できることを期待したいと思います。



沖縄やんばる海水揚水発電所の見学を終えた後は那覇市内のホテルでチェックインを済ませ、近くの夕食会場へ。沖縄料理と泡盛を十分に堪能しながらフォーラムメンバーの皆さんと楽しい時間を過ごし、最後は68期恒例となったANA島田さんの一本締め(普通の一本締めとは違います)にて長かった一日が(ほぼ)終了しました。

【旧海軍司令部壕】
二日目の朝、概ね予定どおり8時過ぎにホテルを出発し、本日最初の見学場所である那覇空港近くの旧海軍司令部壕に到着。ここは、太平洋大戦終戦直前の昭和19年(1944年)に、旧日本海軍によって掘られた司令部壕で、戦争の事実を今に伝える貴重な資料としてその一部が復元・整備され、一般に公開されています。戦争中の実体験に基づき、ガイドの方からこの海軍司令部壕で起こったことを沖縄戦時中の状況と共に詳細に説明して頂きました。
資料館内には、当時の写真や各種の遺品が数多く展示されていました。その中には、この海軍司令部壕の司令官であった大田實少将が海軍次官に宛てた電報の文面も掲示されていました。その内容は、最後に「沖縄県民斯ク戦ヘリ。県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ。」とあるように、沖縄県民の協力に対する感謝の意とともに後世への配慮を訴えるものでした。当時軍事国家であった日本において、海軍少将という立場にある人がこのようなメッセージを残したことが、強く印象に残りました。
資料館に続き、30mほどの階段を下って旧司令部壕内へ。安全のために補強等はされていますが、壕内の通路や各部屋は当時の姿をほぼそのまま残しており、幕僚室には手榴弾をたたきつけて自決したとされる爆弾跡が今でも生々しく残っていました。地中深くにつるはしで掘って作った壕としてはそれなりの広さなのかもしれませんが、人がすれ違うほどの幅しかない通路や数箇所しかない部屋内に、約4,000人もの兵士が収容されていたとのことです。当時、この沖縄に配属された兵士や県民の方々が非常に過酷な環境で米軍と戦わざるをえない状況に置かれていたことは、この司令部壕の状況が端的に物語っており、戦争がいかに悲惨なものであったかを、この沖縄の地で改めて痛感しました。



【航空自衛隊那覇基地】
海軍司令部壕を離れ、30分ほどで那覇空港に隣接した航空自衛隊那覇基地に到着。最初に自衛官の方から、在沖自衛隊の状況、那覇基地の概要、南西防衛区域の特徴、地域社会・住民との交流活動等について説明を受けました。このうち私の印象に残ったのは、地域社会との良好な信頼関係の構築のために、サマーフェスタや清掃活動へのボランティア活動など、地域社会と一体化した各種取組みにかなり力を入れているという点でした。自衛隊が各地域で円滑に活動するためには、その地域における自治体や住民の理解及び協力が非常に重要であり、特に沖縄では反軍感情的な面への配慮から、特に大切な要素になっているのではないかと個人的に感じました。
概要説明と質疑応答を終えて、いよいよ実際のジェット戦闘機と対面。ジェット戦闘機の格納庫正面にバスが乗りつけたとき、早くもフォーラムメンバーの視線は目前の戦闘機に釘付けになっていました。
早速、第83航空隊第204飛行隊所属の現役パイロットの方から、ジェット戦闘機F15Jの概要や搭乗時の話しなど、実際の経験に基づいて説明を受けました。最大で9Gの重力がかかる世界というのは想像も出来ませんが、飛行中Gがかかって血液が脳に供給できなくなる症状を防ぐために下半身を圧迫するスーツを着用しているとのことであり、そのことだけで我々が普段自分で運転することのある車やバイクとは次元が違いすぎます。
ひととおり説明を受けた後、なんとコックピットに乗り込む機会を頂けるとのことで、早速私も列に並びました。いざコックピットに座って操縦桿を握ると、他にも色々と計器類に触れて質問したくなる衝動に駆られつつ、時間も限られているため早めに交代(約1分程度?)。その後、パイロットが着用するヘルメットとベストを着用させていただき、F15Jをバックにして順番に記念撮影。フォーラムメンバーのほとんどはこの両方をやっていました。コックピットに向けての長蛇の列がまだまだ続いていたので、F15Jを全方位から観察したり、自衛官の方々に質問を浴びせたり、それぞれが普段見ることの出来ないジェット戦闘機を前にやや興奮気味で見学会を楽しんでいました。最後に自衛官の皆様とフォーラムメンバー一同で記念撮影。


そのあとは、同基地内にある旧海軍砲台跡地を視察し、続いて隊員食堂にて自衛官の方々と一緒に昼食をいただきました。自衛官の方の沖縄での生活などざっくばらんなお話しも聞きながら、普段自衛官の皆さんが食べているものと同じメニューを頂きました。最後に、同じく基地内にある売店にて、出発の時間ぎりぎりまで各自お土産を買い込み、微力ながら基地の収入に貢献できたかもしれません。

【嘉数台高台公園からの普天間飛行場視察】
沖縄研修最後の視察先として、普天間飛行場を遠くから望むことが出来る嘉数高台公園へ向かいました。
バス社内にて69期の防衛省 川崎さんから普天間移設問題の概要について説明を受けたこともあって、同公園内にある展望台から米軍基地を眺めながら、改めて米軍基地問題のことを考えさせられました。普天間基地移設を含めその解決にはまだまだ高いハードルがあるものの、可能な限り早期に解決へと向かって欲しいと感じました。

【研修を終えて】
最後になりますが、今回の沖縄特別研修にご協力頂いたJ-POWER及び航空自衛隊那覇基地の皆様、また開催準備等にご尽力頂いた69期J-POWERの三浦さん及び防衛省の川崎さんに、この場を借りて御礼申し上げます。また、68期生が最後のフォーラム研修の地として熱望した沖縄での開催を実現してくださった阿部事務局長に、心より感謝の意をお伝えしたいと思います。1年間ありがとうございました!

コメント
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