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フォーラム’80 受講生寄稿

課外活動を中心に参加者に寄稿していただいています

東京ガス&電源開発見学会

2013-11-28 15:59:33 | Weblog
日  時 : 2013年11月14日 12:45~17:00
見学箇所 : 東京ガス㈱根岸工場 & 電源開発㈱磯子火力発電所
記  録 : 第70期 東日本高速道路㈱ 谷中

<内容>
1. 東京ガス㈱根岸工場
 根岸工場は1966年に稼働開始。1969年に日本で初めてLNG(液化天然ガス)を導入。約150人が勤務している。
 東京ガスでは原料調達について、以下の3点の多様化を進めている。
(1) 調達ソースの多様化
これまでのアジア・オーストラリア中心から、世界各地へ広げていく
(2) 契約条件の多様化
多様な契約条件の実現を通じて、安定的かつ安価な原料調達を行っていく
(3) LNGネットワークのグローバル化
グローバルなガス田等を保有することで、異なる地域間の原料融通を可能にしていく
 東京ガスでは5万㎞以上の導管網を保有。さまざまなニーズに合わせたエネルギーソリューションとして、ガスコージェネレーションの普及・拡大、スマートエネルギーネットワーク構築などの新技術の開発・展開にも努めている。
 日本における1次エネルギー供給構成は、天然ガスは約22%を占めている。主に東南アジア・オーストラリア・カタール等から輸入しており、そのうち、電力用で約67%、都市ガス用で約33%を使用している。
 東京ガスにおいては、2017年度からシェールガスをはじめとする米国産天然ガスを輸入する予定。
 LNG冷熱を有効に活用し、冷熱発電、超低温倉庫、ドライアイス・液体酸素・液体窒素製造等に利用されている。
 次の4種類の実験を見学。
(1) ろうそくと天然ガスを燃焼した際の比較
天然ガスを燃焼した際の煤の少なさにより、クリーンなエネルギーであることを確認
(2) LNGによるカーネーションの冷凍・・・LNGの超低温度を確認
(3) LNGによる金属の収縮・・・タンクにおける超低温度対応の必要性を確認
(4) LNGによるゴムボールの冷凍・・・LNGの超低温度を確認
※ 受入設備、タンク、気化器、ローリー出荷基地など、工場内設備を見学。

 <質疑応答>
① 津波への対応は如何。
←中央防災会議等での想定津波を参考に、さらなる対策を検討・実施している。
② LNG地下タンクの維持管理はどのように行っているのか。
←地上に現れている上蓋部は定期的に塗装を実施している。地下部分は基本的にメンテナンスフリーだが、各種の点検やガス漏れ検知、沈下測定等の管理を行っている。
③ シェールガスが導入した場合、特別な対応が必要か。
←シェールガスも、液化すると通常のLNGと変わらず、東京ガスの場合、製造工程における特別な対応は予定していない。ガスの成分次第により、LPGとの混合による熱量調整は、他の天然ガスと同様行われる。

2. 電源開発㈱磯子火力発電所
 磯子火力発電所は、東京湾に面した火力発電所の中で唯一の石炭火力発電所。120万kWの発電能力を有している。
 材料が安価な石炭であることから、常にフルパワーで発電を行っている。
 旧発電所は、1967年に国内炭の保護を目的に整備された。
 ①出力増強 ②環境負荷の改善 ③燃焼効率の改善 を目的に、1990年代からビルド・スクラップ&ビルドという工事方法で、稼働したままリプレースを実施した。
 リプレース後は、USC技術(Ultra Super Critical)の採用により、45%という世界最高効率を実現している。
 世界の発電電力量の約41%が石炭火力(日本は約27%)であり、仮に最高効率技術を米・中・インドに適用すると、CO2の削減効果は14.7億トン。これは、世界全体の改善CO2排出量の5%に相当。
 最新の環境対策設備の導入により、環境負荷を低減しており、天然ガスと同等レベルのクリーンさを実現している。
 また、磯子火力では、タワー型ボイラー、乾式脱硫装置、セルフ・アンローダー船、クローバー型サイロなどの設備を導入している。
※ 運転センター・タービンなどの発電所内設備を見学。

 <質疑応答>
① 従来型とUSCの違いは何か。
←端的に言えば、圧力と温度が違う。これを実現するために、ボイラー等の材質や、製品自体の最適化を図っている。
② 他国にUSCを導入する上でのハードルは何か。
←アジア諸国には、石炭火力は魅力的と考えている。アジアの低炭素実現のために、メーカーと共同でUSCを輸出していきたいと考えている。
③ 更に効率化を図ることを考えているか。
←更に圧力・温度を上げること(Advanced USC)や、石炭ガス化複合発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)など、技術革新に努めている。

コメント
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