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フォーラム’80 受講生寄稿

課外活動を中心に参加者に寄稿していただいています

76期ANA施設見学会

2016-12-26 15:05:21 | Weblog
日   時 2016年12月9日(金) 
記   録 株式会社NTTドコモ 磯部 尚

<主なスケジュール>
No 時間 内容
1 10:30~ オリエンテーション
2 11:15~ ASEC(安全教育センター)見学
3 12:30~13:00 ANATEC内の食堂にて昼食
(バス移動)
4 14:00~16:00 機体整備工場見学
(バス移動)
5 16:30~17:20 羽田空港ターミナル施設見学

1. オリエンテーション
(1)ANAグループ概要、ANA組織概要に関する説明
(2)整備センター
・5,000名~6,000名が勤務
・飛行機は種類にもよるが約20年使用する。最後まで使い続ける部品はほとんどない。
・機体整備(定時整備)の概要
種類 期間 必要時間 整備場
A整備 1ヵ月~3ヵ月 約15名で6時間 羽田・成田
C整備 1年半~2年 約60名で10日間 羽田・成田・大阪・シンガポール・中国
重整備 5年~6年 約120名で1ヵ月間 羽田・シンガポール・中国
  ※海外における整備にあたっては、日本の整備士を派遣し、品質を確認するとともに、技術面でも協力している。
(3)安全センター
  過去の墜落事故やハイジャック事例を踏まえた社員教育を実施し、これまでの事故を風化させないことや再発防止に努めている。

2.ASEC(安全教育センター)見学
(1)2007年1月に設立され、ANAグループ全社員が受講する。
(2)三大事故から数十年の月日が経ち、当時の事故体験者のほとんどが退職している。事故を語り継ぐ施設が必要なのではないかという若手社員からの提案により設立された。
(3)主な展示等
 ・企業ヒストリーの展示
 ・ガイダンスシアターでの導入映像
 ・事故機体の実物展示(機体の一部、座席シートなど)
 ・ANA及び世界各地での航空機事故例の展示
・航空機事故によるご遺族の手記
・ヒューマンエラー体験

 <所感>
事故機体の展示ブースでは、事故で墜落し、衝撃により破損した機体一部や折り曲がった座席シートなどが並んでおり、事故当時の凄惨な状況を思い起こさせるものでした。
また、事故でお亡くなりになったご遺族の方々の深い悲しみを記した手記を拝読し、胸に込み上げてくるものを感じざるを得ませんでした。

3.機体整備工場見学
(1)講堂での説明
・ANAグループで使用している飛行機に関する説明
・250機を保有
・羽田空港では45秒に1機が離着陸
・大型飛行機1機の重量は150t、積載時は350tにまでなる。
・スターウォーズ等の特別塗装機も運航している。
(2)整備作業中の実機見学
・デッキでの格納庫等の説明
・飛行機の説明


 <所感>
  格納庫は、最大で10機もの飛行機のドック整備を可能とする施設とのことです。
格納庫の見学では、スケールの大きい機体を間近で見ることができ、また、運よく飛行機の心臓部とも言えるロールスロイス社製エンジンの試験運転も見学することができました。
何よりも優先されるべく空の安全を守るため、厳しい訓練と経験を積んだ整備士の方々が、その高い技術力を駆使して24時間体制で整備にあたっていることを伺い、大変感銘を受けました。

4.羽田空港ターミナル施設見学
 (1) 空港センターの見学
 (2) フライトオペレーションセンターの見学
  ・パイロット2,200名が在籍
(3)客室センター
・全日空で約7,800名、ANAグループ全体で約8,500名(うち外国籍500名)の客室乗務員が在籍
  ・太平洋を横断する便が増えると客室乗務員120名の増員が必要となる。
  ・当日フライト予定の客室乗務員のトラブルに備えて、常に一定数の代替要員を空港や自宅に待機させており、緊急時には業務に就いてもらうことがある。
・お客様からの「お褒め」「お叱り」のメッセージは、1日100件以上にのぼるが、それを「品質サポート課」に集約し、お客様サービスの改善につなげている。
  ・客室乗務員に対する日頃の連絡事項等は、個人に配付している「iPad」により行えるシステムを構築しており、限られたスペースの有効活用、紙の削減を実現している。

 <所感>
飛行機の運航や空港への発着等のオペレーションに、これだけ多くの方々が携わっていることに驚くばかりでした。
職場を見学させていただいた飛行機の運航状況確認や空港への発着時刻等の管理を担当されている方々は、天候等の影響により刻一刻と状況が変化する中、お客様など広範囲に影響を及ぼすであろう判断を短時間で行わなければならない業務を担われており、その精神的負担は相当なものと推察されます。

5.最後に
お忙しい中、大変貴重な機会を提供していただいたANAウィングス(株)の近江戸さん、ANAグループの関係者の皆さま、並びに引率していただいた阿部事務局長に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
コメント
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