分子研UVSOR松井研究室のブログページ

2018.03に分子科学研究所に異動、研究室を立ち上げ中です。

Phys. Rev. Bからの返事

2018-01-18 07:56:58 | スイス共同研究
このところ2報Phys. Rev. Bに論文が受理されました。
1報目は“Parallel and antiparallel angular momentum transfer of circularly polarized light to photo- and Auger electrons at the Ni L3 absorption threshold”
I recommend to publish the manuscript in its present form in Phys. Rev. B.
という査読結果が届きました。

2報目は“The 4 pi k z periodicity in photoemission from graphite”
Editorからは
We shall be glad to publish the above manuscript in the Physical
Review. However, we would like to bring the comments of the
referees to your attention (see below) before we begin processing the paper.
As soon as we receive your response, we will proceed with the
publication of your manuscript.
We regret the delay in obtaining these reports.

一人目のRefereeからは
I really could not find much problem with the article. It is very
clearly written. The 4*pi periodicity is clearly seen experimentally
and explained by using tight binding model as originating from
constructive and destructive interference of pz orbital within the
unit cell. I believe this article will be very useful for the
community. I highly recommend it to be published in PRB.

二人目のRefereeからは
I read the article titled "The 4pik_z periodicity in photoemission
from graphite" by F. Matsui et al. with interest.
I think the manuscript warrants publication in Phys. Rev. B, since it
describes very good data, analysis, and the results are of potential
relevance to the community due to the importance of layered materials.

無事二報とも印刷にまわっています。

広辞苑を読書

2018-01-13 21:55:50 | 生駒の研究室から
ハワイから無事戻り、いつものように怒涛のような毎日を過ごしています。
12日、待ちに待った広辞苑第7版の発売日です。
プレゼントとしていただきました。Danke!

広辞苑で広辞苑を調べると項目にはなく、甲子園がありました。
「ワンクリック詐欺」の説明の中にハイパーリンクがどうのと書いてあって
ハイパーリンクを引くときちんと語義が説明されています。
ウミウシの絵がモノクロながらもアオウミウシだとわかり感動したり、
五弦琵琶を見つけて悦に入ったり。

職業柄、ホログラフィーを調べました。
「もとの光との干渉パターンを感光材料に記録し」とあります。
干渉するのは光だけではなく、電子でも中性子でも行われているので
これは不正確です、とマニアックな茶々を入れたくなります。
光電子に関しては
「光電効果によって外部に放出され、または光伝導に寄与するようになった電子」
とあり、後者はあまり気にしていなかった側面で考えさせられます。
とにかく面白い。
カーボンナノチューブの絵がある一方で、
眉をしかめてしまう「ほぼほぼ」という言葉が掲載されていないのも
うれしくなってしまいます。