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穂の形がユニークなシマスズメノヒエ(「雑草」シリーズ09)

2019年09月23日 06時42分31秒 | 

シマスズメノヒエとスズメノヒエは穂の大きさですぐに見分けることができる。最近ではほとんどがシマススメノヒエだという。名前の由来は牧野博士によるとスズメが食べるヒエだというが、この穂の形からスズメとヒエを想像した日本人の想像力の細やかさに、いつもながら感心する。穂の形がユニークなので、雑草としてはわりと目に付くほうだろう。

(2019-09 川崎市 道端) 

 

 

 

 

 

シマスズメノヒエ(島雀の稗、学名: Paspalum dilatatum)は、イネ科スズメノヒエ属の多年生の草本。南アメリカ原産であるが、現在の日本ではごく広く普通に見られる雑草。アルゼンチンではパンパの多年草として広く見られる。踏みつけに強く、芝生地にもよく侵入する。牧草としてもよく利用される。この類では大きくなる方で、穂も大きくてよく目立つ。穂に毛が多いのが特徴となっている。

和名は、日本では小笠原諸島で最初に発見されたためとの説と、果実に縞があるためとの説が流布している。ダリスグラスともいう。

形態・生態
株立ちになり、匍匐枝は持たない。草丈は50-150cm(-180cm)になる。茎は直立、またや斜めに伸びる。

葉身は長さ10-30cm、幅は3-12mm、緑色で草質。葉身は無毛だが、葉鞘の口部には毛があり、また、基部の葉鞘には開出した毛がある。葉舌は淡褐色を帯び、高さ2-4mm。

長い花茎の先の方に太い穂を少数つける。花期は7-11月。茎の先端近くから間をおいて3-6(7)個の総(小穂のついた花軸)をつける。総は長さ5-9cmで、花茎に対して大きく角度をつけて開出、またはやや垂れる。小穂は2-3列に並ぶ。小穂は卵形で先端がとがり、長さは3-3.5mm、緑色で縁に絹糸状の長い毛が多数出る。第1包穎は退化して無くなっており、第2包穎は小穂と同大、花軸側にあって背面にややふくらみ、3脈があり、縁には長毛がある。第1小花は不稔で、護穎は第2包穎と同大だが扁平、縁にはやはり長毛がある。稔性のある第2小花は小穂よりやや小さく、護穎は平滑で革質、縁が巻き込んで果実を包む。柱頭と葯はどちらも黒紫色でよく目立つ。

類似種との区別
日本産の種ではスズメノヒエにやや似るが、葉に毛が多いこと(本種はほぼ無毛)、小穂に細かい毛しかないこと(本種では長い毛が多い)などで区別できる。小穂に長い毛が多い点ではタチスズメノヒエがよく似ており、小穂の形も似ているが、長さ2-2.7mmと本種より小さく、また総の数が10-20本とずっと多く、また開出しないで束状になって立つ傾向が強いことではっきり区別できる。

 



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