野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

ピンクの蝶形の花が可憐な「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)

2023年03月11日 06時22分08秒 | 

ピンクの蝶形の花が可憐な「カラスノエンドウ」。子供が豆を笛に使って遊ぶのでピーピーグサとも呼ばれたらしい。はるか地中海から中国経由で渡来した。矢筈豌豆が正式名で、矢筈は弓の矢の弦にかける部分の名前だ。早春に先駆けて咲きだすので目立つ。

(2023年春 川崎市)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)

「カラスノエンドウ」

ヤハズエンドウ(矢筈豌豆、Vicia sativa subsp. nigra)はソラマメ属のつる性の一年草または越年草。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウ(烏野豌豆)という名が一般には定着している。別名、ノエンドウ(「野豌豆」は中国での名称)、ピーピーグサ。俗称としてシービービーというものもある。種を取り払った豆殻を笛として使用する遊びに由来する。

特徴
本州から四国・九州・沖縄に分布し、野原や道端、土手などのいたるところにごく普通に生育している。 秋に発芽し、春になると高さ60 - 150センチメートル (cm) に達する。全体に軟らかい毛が生えている。茎には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立する。茎は全体に毛があり四角柱状。
強い臭気がある。葉は10 - 14枚の小葉がついた羽状複葉で互生し、先は巻きひげになっている。 花期は春から初夏(3 - 6月)で、エンドウやスイートピーに似た蝶形で小型の紅紫色の花を付ける。花が終わると、サヤエンドウを小さくしたような平たい豆果(サヤ)がつく。サヤは熟すると黒くなり、晴天の日に裂けて種子を激しく弾き飛ばす。

原産地はオリエントから地中海にかけての地方であり、この地方での古代の麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用された証拠が考古学的資料によって得られている。そのため、若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできるが、その後栽培植物としての利用はほぼ断絶して今日では雑草とみなされている。

一見するとソラマメの仲間とは思えないが、よく見ると、茎が角ばっていることと、豆のへそが長いというソラマメ属の特徴を満たしている。

史記で伯夷・叔斉が山で餓死する前に食べていた「薇」(び)は、野豌豆の類ともいい、またワラビやゼンマイのことともいう。