野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

淡い桃色の獅子咲きの椿「神楽獅子」(椿シリーズ52)

2020年04月05日 10時51分32秒 | 

淡い桃色の獅子咲きの椿「神楽獅子」。雄しべが旗弁化して、味わいを出している。透けるような桃色の花弁が魅力だ。

(2020-03 東京都 神代植物公園) 

 

かぐらじし(神楽獅子)

種:ツバキ
産地:江戸
花姿:淡桃地に少数紅絞り、牡丹~獅子咲き
花の大きさ:中輪
花期:4月
葉形:楕円、中形
樹形:立性、弱い
来歴:『椿伊呂波名寄色附』(1859)に記載

 


釣り鐘状の赤い花が下向きにたわわに咲く「カンヒザクラ」(20-032)

2020年04月05日 10時28分43秒 | 

釣り鐘状の赤い花が下向きにたわわに咲く「カンヒザクラ」。漢字では寒緋桜で、寒い頃から花をつける緋色の桜の意味である。学名はCerasus campanulata で、campanulataは小さな鐘の意味である。街路にもよく植えられていて、深紅の花がほかの桜に先駆けて花を開いて、目を引く。

(2020-03東京都 神代植物公園) 


カンヒザクラ(寒緋桜、学名: Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. & S.Suzuki)はバラ科サクラ属の植物。サクラの原種の一つ。旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)と呼ばれることもある。別名ヒカンザクラ(緋寒桜)、タイワンザクラ(台湾桜)、ヒザクラ(緋桜)とも言う。ヒガンザクラ(彼岸桜)とは異なる。

分類
サクラの属名は日本では長い間 Prunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サクラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが多かったが、近年は後者が増えてきている。しかし、Cerasusとすることで決着した訳ではない。

特徴
落葉喬木で、葉は単葉互生。葉は秋になると紅葉する。

釣り鐘状の花が特徴で、学名の種小名 campanulata は「カンパニュラの様な」と言う意味で、キキョウ科ホタルブクロ属(Campanula、カンパニュラ)の花が下向きに咲く所になぞられて名付けられた。中国語でも「鐘花櫻花」と呼ばれる。花の色は白から濃い桃色まで様々の個体差がある。花の大きさは1.5~2.5cm程度。樹高は5m程度。多くの桜とは異なり花弁は散らず、萼のついた状態で落花する。おおよそ1月から3月にかけてが開花期となる。この早咲きの特性と、下向きに花が咲く特質が、他のサクラと交配した時に影響を与え、各地で優秀な園芸品種が出来ている。その中でも、このサクラとオオシマザクラの自然雑種、サトザクラ「河津桜」が近年、有名になり観光名所に植えられている。

分布
中国南部から台湾にかけて分布する桜である。台湾では主に「山櫻花」と呼ばれ、海抜500-2200mの山地に自生するが、この語は中国大陸部では主にCerasus serrulataを指す。

日本では園芸品種とされるが、主に沖縄県で野生化し、沖縄で「桜」と言えばこのカンヒザクラを指す。また、沖縄県や鹿児島県奄美地方でのサクラの開花予想及び開花宣言はこのカンヒザクラの開花に対して発表される。沖縄では1月から2月に開花し、また、関東地方より南でも植えられており、2月から3月にかけて花を咲かせる。

利用
鑑賞用に植樹されるほか、台湾では紅色で卵形の果実(サクランボ)を「山櫻桃」と呼び、砂糖、塩、甘草などを加えて煮つめて、保存食や土産品としたり、ジャムにしたりする。花びらも塩漬けにして、スープや菓子の彩りに使われる。沖縄県でも泡盛に漬けて果実酒とするなどの利用例がある。

 


高尾山の谷沿いの道に小さな白い花をたくさん開いていた「ユリワサビ」(高尾の花13)

2020年04月05日 08時35分14秒 | 

高尾山の谷沿いの道に小さな白い花をたくさん開いていた「ユリワサビ」。うっかりすると見落とすような花だ。ワサビに似た花と葉をつけ、百合に似た球根をつけるためにこの名前がある。ワサビとアブラナ科ワサビ属の多年草 だが、ワサビの代用には使えないので、イヌワサビとかハナワサビとも呼ばれる。早春の可憐な花である。

(2020-03 高尾山) 

 

ユリワサビ

沢沿いの湿り気がある小石が多い場所に生える多年草(複数年のあいだ育成する植物)。早春の花のなかでもいち早く咲く花のひとつである。葉が枯れたあと、柄(え)のもとの部分がふくらんで根もとに残る。それがユリの鱗茎(りんけい:ゆり根と呼ばれる部分。実際は養分を蓄えた肉厚の葉)に似ていることからその名が付いた。ワサビを小さくした感じだが、ワサビの茎はまっすぐに立つのに対し地をはうように茎をのばす。茎の先に約1センチの白い十字形の花をたくさんつける。葉はハート形で、でこぼことした鋸歯(きょし:葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザ)がある。根もとの葉は大きく茎につく葉は小さい。葉や根茎(こんけい:根のように見える地下にある茎)には、ほのかにワサビと同じような辛みがある。

●季節 3月中旬~4月下旬頃
●高さ 約10~30センチ
●場所 1~6号路、稲荷山、蛇滝、裏高尾、南高尾、北高尾


花弁の表は赤だが、裏が黄色を帯びた白という珍しいバラ「コロラマ」(薔薇シリーズ151)

2020年04月05日 07時27分11秒 | 

花弁の表は赤だが、裏が黄色を帯びた白という珍しいバラ「コロラマ」。メイヤン家の作出になるバラで、色合いの微妙さはさすがである。剣弁高芯咲きの整った大きな花が貴婦人のような雰囲気をかもしだして、みごと。コロラマとは、色の付いた光で壁面などを照明する色彩照明の手法だ。この花の色彩のヴァリエーションの自在さを示した命名だろう。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

バラ「コロラマ」

ビロード赤の表弁に黄色を帯びた白の裏弁が見事に調和している複色花。鋭い剣弁高芯咲きの整形花。コンフィダンス譲りの大きな葉に香りも魅力の一つ。

品種名 コロラマ
ローマ字 Colorama
系統 ハイブリッド ティー (HT)
Hybrid Tea
咲き方 四季咲き
香り 中香
花径 10㎝
樹高 1m
樹形図 1b番 半直立
作出年 1967年
作出国 フランス
作出者 Marie-Louise (Louisette) Meilland
交配
Suspense × Confidence