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朱 建栄教授の東京五輪支持論

2009-06-21 18:40:10 | 五輪招致ネタ
2016年夏季五輪の招致に関して、大学教授の朱 建栄(Zhū Jiànróng)氏が謎の提言を行っているのだが・・・。

この件での招致委員会や石原都知事のアレっぷりについては、散々ここでも突っ込んできた。
だが、今日になって、2009年6月21日朝日新聞9面『私の視点』で、朱教授が色々謎だらけの論説を書いてきた。
ってことで、この論説を書き起こしてみた。
ただし、強調部分と [] 内は俺が入れた補足。

---- 以下書き起こし ----
五輪の東京誘致
中韓は支持し盛り上げよう
朱 建栄
東洋学園大教授(国際関係、中国政治論)


2016年[夏季]オリンピックの開催地は今秋決まる。
国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会は先の視察で、候補地のひとつである東京の準備状況について好印象を持ったようだ。
しかしながら、日本国内全体を見渡すと、いま一つ盛り上がりを欠く。

[19]64年の東京五輪は[19]88年のソウル五輪、昨年の北京五輪は高度成長による繁栄と国民の自信を背景に誘致が実現し、それぞれの国民がこぞって支持する大イベントだった。

だが日本は今や、かつての若々しさより成熟さが、全員一致の熱気より多種多様な声が前面に出る社会になった。
それは自然なことである。

では、どうすれば2度目の[夏季五輪]東京誘致に広い共感を集め、新しい精神を込められるか。

欧米の2回目、3回目の開催は、それぞれ大義名分を掲げながらも、経済利益([19]84年のロス五輪で黒字運営が初めて打ち出された)や、開催地の地域振興、知名度向上といった目的に向けられた。

だが東京誘致はこうした目的だけでは物足りない。
石原慎太郎都知事が掲げる「平和貢献」の理念は素晴らしいが具体的イメージが湧かない。

私は今、東京誘致にとって新たな意義と有利な条件が生まれていると思う。
アジア、特に東アジアには経済・金融協力などの進展と共に「アジアは一つ」との意識が広まってきた。
日本は、地域の統合や文化交流、食品の安全、環境保全などの分野で「リーダーシップが取れる」と域内諸国から評価されている。

だから中国や韓国、東南アジア諸国が2度目の東京五輪を共同で支持し、「アジアのイベント」として盛り上げていくいいタイミングではないか。
[20]02年の日韓共催によるサッカーW杯の成功例がある。

そこで、提案したい。

まず、今年10月にコペンハーゲンで行われるIOC総会で、東京誘致を成功させるよう、東アジア諸国が一致して支持を表明する。
中国と韓国の意思表明は何よりも重要だ。

日本側も、来年の上海万博の成功にむけて一層の支援をする。
韓国などが構想する国際イベントがあれば、その誘致も共にサポートする。

アジアの共同支援を得た東京五輪は、日本だけでなく域内経済に相乗効果を生み、経済共同体構築への追い風にもなろう。
今後数年間のプレ五輪で、一連の行事や試合を域内各地で主催し、開催年には東アジア各国が日本で関連イベントを行う。
実現すれば、域内の共同意識の形成と交流拡大を大いに促すだろう。
世界から集まる観客の足は、アジア各地の観光旅行へと伸びることも期待できる。

かつて岡倉天心(1862~1913)が唱えた「アジアは一つ」の夢を、東京五輪開催の共同支援を通じて、現実に近づけたい。

---- 書き起こし以上 ----

岡倉 天心ね・・・。
割と昔の人を引き合いに出したもんだな(苦笑)。

ってのはともかく。
この論説を読んで感じたこと。

「これ、なんて大東亜共栄圏?」

そりゃ確かに、2016年の夏季五輪招致に関してアジア諸国からの支持があったほうがいいのは言うまでもないさ。
ついでに、今後もアジア諸国と日本との交流について広げる必要もあるべさ。

でも、それがどのような力関係で行われるかについて朱教授は、あまり気にしていない様子だ。
つーのもさ、朱教授の論説を読んでると、『日本>>>アジア諸国』という関係を規定してる感が漂ってるんだよな。
特に、中盤の『日本は、地域の統合や文化交流、食品の安全、環境保全などの分野で「リーダーシップが取れる」と域内諸国から評価されている。』という一文にそれが集約されてる。
本当に日本が、その手の分野で「リーダーシップが取れる」ようなことをやってきたかについて朱教授は検証したのだろうか?

おそらく、朱教授はアジア諸国の共同意識形成について相当ご執心なんだろう。
これ自体については、俺としては特に文句は言わないさ。
でもさ、朱教授はそれにこだわり過ぎて、『日本>>>アジア諸国』という関係が作られてしまう可能性について問題視するのを忘れている感が否めないんだよな。
この辺りは、日本でいきまいている自称愛国者の方々の見解と被っていると思う。


もっとも、そんな朱教授の主張は、わずかばかりの共通点を持つ石原 慎太郎東京都知事には届きそうも無いが。
つーのも石原都知事は、2016年五輪招致に皇室を持ち出そうとしてるからだ。
そして、これを否定した東宮大夫の発言に噛み付いていた・・・。
・石原知事が東宮大夫の否定的な見解に反発(2009年6月20日 nikkansports.com;共同)

以下、nikkansports.com(共同)の記事から、石原知事と東宮大夫の発言部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
知事は「国民が熱望する大きなイベントのために、皇太子殿下が国民を代表して、日本の説明をすることを望まない国民はいない」と話した。

 東宮大夫は19日の定例記者会見で「皇太子というお立場を考えると、慎重な対応が求められる」と述べていた。
---- 引用以上 ----

いや、俺は皇太子に日本の説明をしてもらわなくてもいいけど・・・。
ついでに、2016年夏季五輪東京開催って、日本国民が熱望してんのか?
それと、日本に住んでる日本国籍でない人達は、2016年夏季五輪東京開催についてどう思ってるのよ?
その辺をしっかり考えて発言して欲しいもんだわ。

ってことで恒例の〆を・・・。




No olympic Tokyo 2016!!!!
東京は2016年夏季五輪開催都市としてふさわしくないと思うのよ




Apoio Rio de Janeiro 2016 !
Eu suporto Rio de Janeiro 2016 !
2016年夏季オリンピック開催はリオデジャネイロで。


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