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Is re-opening Rafah crossing as Arab's spring token?

2011-05-29 21:00:28 | パレスチナかイスラエルか
つーことで、今回は昨日少し扱った Gaza 地区とエジプトの境界にある Rafah 検問所開放に関するネタ。

昨日になって、エジプト政府は今年4月に述べた「Gaza 地区とエジプトの境界にあるラファ(Rafah)検問所の封鎖を解除する」という宣言を実行に移したのだが・・・。
・パレスチナ:ラファ検問所を常時開放 アラブの春を象徴(2011年5月29日 毎日jp)
・エジプトがガザ封鎖を大幅緩和 前政権と決別(2011年5月28日 47news)
・エジプト、ガザ境界のラファ検問所を開放(2011年5月28日 afpbb.com)
・Hundreds of Palestinians cross reopened Gaza-Egypt border(2011年5月28日 guardian.co.uk)

つーか、今回の Rafah 検問所開放ってどういう内容なのか?
以下、2011年5月28日分 guardian.co.uk『Hundreds of Palestinians cross reopened~』から、それを記してる部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
Hundreds of people laden with luggage gathered at the Rafah crossing in the south of Gaza before the border opened at 9am.
Around 300 crossed in the first hours and officials said they expected up to 1,000 to leave Gaza by the end of the day.
Women, children and men over the age of 40 will be permitted free travel from Gaza to Egypt, but men under 40 will be required to apply for and be granted a visa.
A large proportion of Gaza's 1.5 million population is aged between 18 and 40.

The crossing will open for eight hours a day, six days a week.
In the four years since Hamas took control of Gaza, 18 months after winning elections, and Israel imposed a stringent blockade, the Rafah border has opened intermittently and only students, businessmen and people needing medical treatment have been allowed through.

All other border crossings are with Israel, which has tightly controlled the movement of people and goods.
Despite easing the blockade almost a year ago, Israel continues to proscribe certain goods, such as construction materials, from entering Gaza and blocks nearly all exports.
Rafah will not be open to commercial traffic.
(以下略)
---- 引用以上 ----

検問所を開放する時間を制限するのは、世界各国の検問所で行われてることなんだろうが・・・。
結局の所、イスラエル政府による Gaza 地区の封鎖は続行中というオチがついてるわけだ。
しかも、Gaza 地区に対する商品輸入・輸出が Rafah 検問所から行えないというオマケ付きか。
これでは、ただ検問所の1つを「開放した」という意味しか持たないとしか。

というか、Gaza 地区の悲惨な状態の改善にはイスラエル政府が Gaza 地区封鎖を終わらせる必要がある。
が、下手をすると、今回の Rafah 検問所開放は、イスラエル政府が Gaza 地区封鎖をしてるという事実すら打ち消してしまう危険も・・・。
以下、2011年5月28日分毎日jp『パレスチナ:ラファ検問所を常時開放~』から、中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
ただラファ検問所の常時開放は「人」のみが対象。イスラエル境界のエレズ検問所での移動制限は継続する。
さらに「物」の出入りは、現在も有効なイスラエル、自治政府、エジプトの3者合意により、イスラエルとの境界検問所を通すことになっている。

 ガザ地区のシンクタンク「パル・シンク」代表のオマル・シャバン氏によると、封鎖によるガザの実質的な失業率は75%近い。
イスラエルが陸・海・空のガザ封鎖を解除しない限り、ガザの窮状が根本的に改善することはなく、同氏は「ファタハとハマスは、和解合意に基づいて作られる統一政府と封鎖解除をイスラエルに承認させる政治・経済的な戦略を立案、実行しなければならない」と語る。

 常時開放について、イスラエル政府は「ガザへの武器密輸が増える可能性があり、危険な展開だ」(シャローム副首相)と批判する。
一方で、ガザへの違法越境や密輸は既に、境界の地下トンネルで行われており、むしろ陸・海・空の封鎖を続けるイスラエルに対する国際的な批判が「消滅する可能性がある」(イスラエル紙ハーレツ[注])との見方もある。
(以下略)

注:Haaretz.com の記事は↓
・Criticism of Israel's Gaza blockade may diminish due to opening of Rafah crossing(2011年5月27日 Haaretz.com)
---- 引用以上 ----

今回 Rafah の検問所が開放されたことで、イスラエル政府的には「Gaza 地区は封鎖状態にない」と言い張る根拠を得たのは確かなのよね。
でもさ、エジプト政府と一緒にイスラエル政府も Gaza 地区への物品の出入り制限を続ける以上、(少なくても Gaza 地区封鎖に関する)イスラエル政府に対する批判が消えるとは思えない。

無論、イスラエルの政治家達は、今回の件について不安を煽る発言をしてるのだが。
実際、Haaretz.com の記事では、Israel Radio というラジオ局で Matan Vilnai 国防副大臣が「イスラエルが初めて直面する危機的状況」と発言してたのを紹介してたし。
↓元ネタ。
・דאגה בישראל מפתיחת מעבר רפיח
(2011年5月26日 israelradioorg.il;ヘブライ語)

この調子だと、Gaza 地区→イスラエルへのロケット弾攻撃に関して、Rafah の検問所を開けたのを理由にエジプト政府へ責任転嫁しそうだ(しつこい)。
それ以前から、Gaza 地区に武器が搬入される状況を作り出してるのはイスラエル政府なのだが・・・。


ともかく。
今回 Rafah 検問所が開放されたとはいえ、Gaza 地区の状況が好転するわけでもない以上、毎日jp の記事で使われた『アラブの春を象徴』ってのは、あまり適当な表現じゃないかと。
それに、アラブ諸国がイスラエル政府や米国政府との関係を大きく変えるとは限らないしね・・・。


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