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イスラエル国民化計画

2008-11-12 20:29:00 | パレスチナかイスラエルか
なんか、イスラエル軍に入隊するイスラエルに住むパレスチナの人達やベドウィンの人達(他に適当な表現がないので勘弁)が増えてるらしいが・・・。
・MIDEAST: Arabs Uneasy About Joining Israeli Army(2008年11月11日 IPSNEWS)

この話の元ネタは、先月の Haaretz の記事らしいが・・・。
現時点では、これに割と似ている jpost の記事を張っておく。
・More than 1,000 Arabs in nat'l service(2008年10月31日 jpost.com)

イスラエルってのは、建前では徴兵制を取ってる国(抜け道はきちんとあるが)。
ってことで、18歳以上になるとイスラエルで市民権を持ってる人はかなりの割合で兵役(の準備段階)を受ける。
・・・と思いきや、イスラエルに住むパレスチナの人達やベドウィンの人達には徴兵対象にならないとか。
ついでに、正統派ユダヤ教を実践してる人達も。
こうした人達は、志願する形で入隊することになるのだが・・・。


とにかく。
パレスチナの人達やベドウィンの人達の場合、イスラエルで暮らす際の待遇を良くしたいという狙いがあるとか。
以下、jpost.com の記事から、入隊後の待遇とかについて述べてるところを引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
But others attribute the increase in Arab participation to their desire to receive the financial and social benefits that civic service offers - equivalent to the benefits received by those who serve in the army.
Volunteers living at home, as most Arab-Israelis do, earn roughly NIS 500 a month and are eligible for several thousand shekels in grants after completing one year of service.

"Arabs want to receive the same status as those who are released from the army... They receive all kinds of benefits [via national service]," said Sami Smooha, a University of Haifa sociology professor.
"And also, they have the possibility - through this status - to connect to 'Israeliness' ... And that's also the reason that the [Arab] leadership is opposed."
(以下略)
---- 引用以上 ----

数年兵役を務めた後である程度の資金を受け取ることができる・・・。
なんかこれって、米軍が新人を引っ張ってくる時の文句みたいだな(苦笑)。
その文句は、仕事がろくにない若い子達を巧みに口説いて前線に送り込むためだが。

こうした形でイスラエル軍への入隊が増えることへの懸念も結構ある。
その1つは、引用部分で Smooha 氏が述べてるのだが、入隊した人達が「イスラエル国民化される」って所なんだろうな。
これは、アラブ人権協会(Arab Association for Human Rights)に所属してる Mohammad Zeiden 氏の見解もそうなんだけど・・・。
以下、IPSNEWS の記事から、イスラエル政府がパレスチナの人達やベドウィンの人達に入隊を勧める理由に関して述べてる Zeiden 氏のコメントを引用しておく。
---- 以下引用 ----
(中略)
Many leaders of the Arab community are disapproving of the idea.
"We object to any kind of military service," says Mohammad Zeidan, president of the Arab Human Rights Association.
And there isn't much of it, he says.
"Three hundred and fifty recruits is not much if you figure how many Israeli Arabs are living in this country.

"The Israeli army presents this number as if it were a major success. As always, there is a hidden agenda: it is a very effective way to get rid of Palestinian identity. This is about the Israelisation of the Arab community: that's why they display it as an enormous victory."
(以下略)
---- 引用以上 ----

確か、イスラエル国内で非ユダヤ系の人口って2割以上になるんだっけ。
要は、ユダヤ国家を自称するイスラエル政府にしてみれば「いらない人達」になるわけだ。
とはいえ、イスラエル政府にしてみると、こうした人達を全員国外追放すると色々面倒なのも事実。
だったら、イスラエル軍に取り込むことで「イスラエル国民」に作り変えたほうが全然安上がり、って考えたのか。
ついでに、パレスチナの人達やベドウィンの人達(からなる兵士)を最前線に送り込めば、ユダヤ系の兵士にとってはありがたい話か・・・。

本当に良く考えたモンだ。


それにしても。
イスラエル国内に住むパレスチナの人達やベドウィンの人達に、ユダヤ系市民と同じ権利を認めないイスラエル社会って何だろうね?


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