flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

結局、国交省は八ッ場ダムの建設続行を強行したわけだが

2011-12-22 20:04:29 | 八ッ場ダム騒動
今年9月になって、八ッ場ダムの建設続行に関する有識者会議が終了した。
そこでは、「八ッ場ダムの建設続行が最善」という結論を導いていた。
この辺は以下参照(手抜き)
・八ッ場ダムの維持と撤去(代替ダム建設)のコストはどうなった?(2011年9月 flagburner's blog(仮))

この結果を踏まえて、国土交通省が八ッ場ダムの建設続行を決めたのだが・・・。
・八ッ場ダム建設事業に関する対応方針について(2011年12月22日 mlit.go.jp;.pdfファイル)

色んな意味で笑うしかないこの声明。
以下、2011年12月22日分 mlit.go.jp『八ッ場ダム~』を全文(略

---- 以下引用 ----
八ッ場ダム建設事業に関する対応方針について


1.八ッ場ダム建設事業に関する対応方針

八ッ場ダム建設事業については、2.を前提とし、さらに3.について考慮した上で、「継続」するとの対応方針を決定した。


2.判断に当たっての前提

八ッ場ダム建設事業の検証において、「今後の治水のあり方に関する有識者会議」の「中間とりまとめ」で示された検証プロセスが実務的・専門的な検証作業を経て瑕疵がなく行われたこと等については、既に有識者会議でご確認をいただいている。
このことは、今回の判断に当たっての大前提である。



3.判断に当たって考慮した事項

対応方針の判断に当たっては、主に以下の事項について考慮した。

I. 利根川流域の平野部はかつて氾濫原であり、安全な土地を生み出していくために長年に渡り様々な治水対策に取り組んできたが、人口・資産の集積により災害ポテンシャルが高いという流域特性があること
II. I. の流域特性を有する利根川においては、河道掘削等を推進していくことに加え、即効性のある治水対策が特に求められており、八ッ場ダムは、遊水池等の代替案と比較して、短期間で、かつ、大きな効果が得られる対策であることが検証において確認されていること
III. 東日本大震災から得られた教訓を整理した知見・情報により、例えば浅間山噴火の際には八ツ場ダムが泥流等への安全装置として機能すると考えられること
IV. 地域に対して重い責任を担う1都5県知事のご意見についても、重く受け止める必要があると考えたことまた、当ダム事業に関する60 年来の経緯を踏まえ、下流域の受益のために、何代にもわたって犠牲を強いてきた水没地区及び住民の方々の生活再建に取り組んでいくことは当然である。


4.今後の取り組み

残る事業の実施に当たっては、可能な限りのコスト縮減、工期短縮に努め、地元住民の方々の生活再建については、「万全を期す」という従前からの方針を堅持する。
また、今後の利根川の治水対策において、「できるだけダムにたよらない治水」をさらに希求していき、その内容を今後早急に作成する利根川河川整備計画に反映するとともに、その作成過程において、河川整備計画相当の目標流量について改めて検証を行うこととする。

当ダム事業に対して多くの疑問が寄せられていることについては重く受け止め、今後とも対応方針に理解を得るように努めていく。
また、利根川流域の脆弱性やこれまでの治水対策の積み重ねについても、多くの方の理解を得るよう努めていく。
さらに、これまでのダム検証において建設中止の判断があったことを踏まえ、ダム事業中止の場合における水没予定地域等の生活再建に関する法案を、川辺川ダムをひとつのモデルとして作成し、次期通常国会への提出を目指していくこととする。
---- 引用以上 ----

上の声明を要約すると、「2009年に DPJ が政権に就いて八ッ場ダム建設中断したのは間違いだった」ってこと。
数日前から、前原 誠司元国交相が(八ッ場ダム建設に関する)予算計上に条件をつける云々という話も出てたが、結果としては国交省が押し切ったようだ。
裏を返せば、DPJ の方々が八ッ場ダムに関する問題について興味を示さなくなったってことなんだろうが・・・。

そもそも、八ッ場ダムの今後に関する検証を行う有識者会議ってのが、建設続行に批判的な意見を「封じる」役割を持ってたからな~。
この辺りについては以下参照(手抜き)
・事務局だより(2011年11月22日 八ッ場あしたの会)

批判的な意見を言う委員に対し議長が「苦労してきた地元に対して思うと、もうほじくり返すような議論はいい加減にしてくれ」って言えば、議論を封じるのは比較的簡単だし・・・。
その意味では、建設推進派にしてみれば検証会議の人選の段階ですでに「勝っていた」ようなもんか。

それと、これは八ッ場ダムの建設に反対する運動を行ってきた人達にとって大きな失敗なんだろうな(俺にも責任はあるけど)。
原因はいくらでも考え付くが、建設予定地に住んでいる人達から幅広く反対運動への賛同を得られなかったってのと、水没する地域に住む人達に提供する代替地の造成やバイパス建設などを八ッ場ダム建設続行の「既成事実」として構成されてしまった、という2点は指摘しておく必要がある。
特に、前者については、今後似たような事例でも起こる可能性は高いからな~。
少なくても、八ッ場あしたの会の方々にはその辺の検証を行い教訓を伝えるなり活かすなりの責任があると思う(って俺もか)。
もっとも、そうした教訓って活かされないことが多いのだが・・・。


にしても。
八ッ場ダムの件といい、沖縄県の普天間基地の件といい、2009年の衆議院総選挙+2010年の参議院選挙で DPJ 所属候補者(比例区では DPJ)に投票したわけでもないのに DPJ に対して「一票返せ!」って言いたくなるのは俺だけか?


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