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If U lost Israel's passport , U must be paid extra shekels(until Dec. 31 2011)

2011-06-17 20:34:52 | パレスチナかイスラエルか
今回は、コメント欄の書き込みについて調べてるうちに出てきた思わぬネタ。


今月の15日、イスラエルの最高裁判所(Supreme Court of Israel)が、『パスポート紛失 or 盗難された人が再交付申請した際、倍の手数料を払う』というイスラエル内務省の省令(?)を違法と判断していたらしい。
・High Court: Penalty Fee for Lost Passport – Illegal(2011年6月15日 IsraenNationalNews.com)

最高裁判所の判断の全文(手抜き)
・עתירה למתן צו על תנאי ולצו ביניים פסק-דין(2011年6月15日elvon2.court.co.il;ヘブライ語)

そもそも、何が問題だったのか?
イスラエルでは、1980年に内務省が定めた 旅券発行に関する省令(?)(תקנות הדרכונים, תש"ם - 1980)で、パスポートパスポート(ヘブライ語では "דרכונים" がそれに当たる言葉)交付や紛失 or 盗難後の再交付などに必要な費用に関して定めている。
当然のことながら、旅券法(1952年発効)という法律に基づいた省令(?)だが・・・。
↓は、旅券法と内務省省令(手抜き)。
・חוק הדרכונים, תשי"ב- 1952
(1952年7月14日? tourism-law.co.il;ヘブライ語)
・תקנות הדרכונים, תש"ם - 1980
(1980年3月30日? tourism-law.co.il;ヘブライ語)

で、パスポート紛失 or 盗難後における再交付にかかる費用は、しばらくの間通常の費用の2倍にあたる 250シェケル(大人用パスポート)で推移していた。
この時点で、十分当事者にとって痛い出費になっていたらしい・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・イスラエルパスポート(2006年9月11日 イスラエルのツボ)

が、2009年になって Knesset がこの場合の再交付の費用を合計で最大 1000シェケルに増やす、なんて省令(?)修正を認めてしまった。
この後、ACRI(The Association for Civil Rights in Israel)などが高等裁判所に省令の停止処分を訴えたのは言うまでもない・・・。
・האגודה עתרה לבג"ץ: למשרד הפנים אסור לגבות קנס ממי שדרכונו אבד או נגנב
(2009年3月25日 acri.org.il;ヘブライ語)
・משרד הפנים מפחית התשלום להנפקת דרכון שאבד מ-1,000 ל-750 שקל
(2009年11月3日 themarker.com;ヘブライ語)

もっとも、2010年になって Knesset は、パスポート紛失 or 盗難後における再交付にかかる費用を 650シェケルに切り下げる決定を行ったらしいが。
・אגרת חידוש דרכון במקום דרכון שאבד או נגנב – 650 ש"ח במקום 1000 ש"ח
(2010年3月15日 acri.org.il;ヘブライ語)

650シェケルでもなかなかの出費だと思うけど・・・。

で、今月15日に最高裁が下した判断。
例の省令(?)関しては、判事3人の意見が割れていた模様・・・。
・בג"ץ קבע: משרד הפנים לא מוסמך לגבות תשלום של 1000 ש"ח עבור הנפקת דרכון
(2011年6月15日 acri.org.il;ヘブライ語)

以下、2011年6月15日分 acri.org.il『(内務省はパスポート再交付時に費用として 1000シェケル請求しないことを求める)』から、判事3人のコメント部分を(略
ただし、その下には適当訳文を追加した。
例によって訳文の正確性は一切保証しな(略

---- 以下引用 ----
[以下、acri.org.il からの引用]
(中略)
השופט אדמונד לוי סבר שהאגרה הנוספת הינה קנס, ששר הפנים לא הוסמך להשיתו, ולכן יש להורות על ביטול התקנות.

השופטת מרים נאור סברה שאין מדובר בקנס, אלא באגרה ששיעורה משקף גם אמצעי הרתעתי לגיטימי, ולכן אין לבטל את התקנות.

השופט יורם דנציגר סבר, כי אמנם, ככלל, מותר לגבות אגרות שיכללו גם אלמנט הרתעתי, ואולם נוכח עליונותה של זכות היסוד לצאת מן הארץ, והתניית מימוש הזכות בתשלום האגרה הנוספת, האגרות אינן יכולות לכלול אלמנט הרתעתי זה, אלא רק תוספת עבור התשומות הנוספות הכרוכות בהנפקת דרכון בנסיבות אלה.
משום כך, השופט דנציגר הורה על ביטול התקנות, ואולם השעה את הבטלות בשישה חודשים, וקבע, כי במהלך תקופה זו, עד להתקנתן של תקנות חדשות, יוכל משרד הפנים לגבות תוספת אגרה בנסיבות אלה בשיעור שנקבע טרם תיקון התקנות בשנת 2009.
התוספת באותה עת עמדה על סך 220 ₪, ולפיכך האגרה עבור דרכון חדש במקום דרכון שאבד או נגנב תעמוד בששת החודשים הקרובים על סך 465 ₪.
(以下略)

[以下適当訳文]
判事 Edmund Levy 氏は、『(パスポート再交付に関する)追加料金は罰金であり、内務大臣にはそれを請求する権限はない。したがって、省令(?)の撤回を求める』、と判断した。

判事 Miriam Naor 氏は、『(パスポート再交付に関する)追加料金は罰金でなく、(紛失 or 盗難された)パスポート失効処理や再交付の手続きにかかる費用を正当に反映しているものであるから、省令(?)の撤回を求めることはできない』、と判断した。

判事 Yoram Danziger 氏は、『一般的に、紛失 or 盗難されたパスポートの失効処理に必要な費用を(申請者に)負担させるのは許されるが、(イスラエルから外国への)出国は基本的な権利であることの優先度や費用負担を課すための条件を踏まえると、失効処理に含まれる費用を請求することはできず、パスポートの再交付に必要な費用の負担を課すことのみ行える』、とした。
そのことから、Danziger 判事は、この省令(?)の撤回を求めたが、省令(?)の有効期限となる 12月31日までの6ヶ月間は、新たに省令(?)の修正が行われない限り、内務省は紛失 or 盗難されたパスポート再交付の際 2009年の省令(?)修正前に定めた費用を請求できることになる。
修正前の省令(?)でパスポート再交付の際に必要な費用は合計 220 シェケルであり、465 シェケルとなる。
---- 引用以上 ----

1000歩譲って、パスポートを盗難された被害者が再交付する際の費用を請求するのは理解できなくないが・・・。
盗難に遭った後で余計に金を払う羽目になるのは、正直「自己責任」云々を強調されてる感が否めない。
ってか、盗難って被害者の責任なんか?


それにしても。
Knesset が例の省令(?)の修正を認めた理由って何だろうか?(調べろ、俺)


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