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それでも都知事の座は安泰みたいだが(May 17, 2013)

2013-05-17 21:58:08 | その他
巷では、天下の橋下 徹(Toh-ru HASHIMOTO)大阪府知事の従軍慰安婦に関する意味不明発言が大きな騒動になっている。
そのせいか、先月、天下の New York Times で 猪瀬 直樹(Naoki INOSE)東京都都知事が2020年夏季五輪招致に関して「イスラム教圏の国は、(唯一神)アラー以外に共通点がなくお互い戦争ばっかしてて階層社会(制度の世界)だ(適当訳)」という発言→国際オリンピック委員会(IOC)から規約を守るよう勧告が出る→謝罪した騒動がすっかり忘れ去られてしまった感が否めない。
しかし、この猪瀬知事の発言は、色んな問題点を残してしまった。
その辺について、ごく一部の方々から熱烈な支持を受けてる佐藤 優(Masaru SATOH)氏などが触れてたのだが・・・。
・特集ワイド:「イスラム教国はけんかばかり」発言 猪瀬都知事の資質に「?」(2013年5月15日 毎日jp)

佐藤氏は、猪瀬知事の件の発言に関して、(悪い意味での)重大な結果を招いたと指摘していた。
以下、2013年5月15日分毎日jp『「イスラム教国はけんかばかり」~』から、佐藤氏の発言に関する部分を(略

---- 以下引用 ----
「もう終わったこと」とご本人は言う。
だが、果たしてそうか。
イスラム圏を批判した発言が物議を醸した東京都の猪瀬 直樹知事(66)である。
433万という史上最多得票の勢いそのままに2020年東京五輪招致に突き進んできたが、今やその「資質」を問う声が出始めている。
【江畑 佳明】

「猪瀬発言はテロを誘発しかねない。だからこそ深刻なのです」。厳しい口調で語るのは作家の佐藤 優さんだ。
「自壊する帝国」で07年、知事が選考委員を務めていた大宅 壮一ノンフィクション賞を受賞しているが「個人的なことは別にして、どうしても言っておかねばなりません」。
(中略)

佐藤さんが続ける。
『イスラムはけんかばかり』といった発言は偏見に基づき、トルコだけでなくイスラム社会全体を蔑視している。これでは猪瀬知事を選んだ都民、もしくは日本人全体がイスラムをそう見ていると判断されても仕方がありません。その結果、イスラム過激派を刺激してテロ行為に走らせるかもしれないのです」

 当初は「真意ではない」と釈明したが、30日には一転して「不適切だった」と謝罪。
ところがその直後、ツイッターで「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかった」と挑戦的な書き込みをしたことから「本当に反省しているのか」と疑念の声が渦巻いた。
(中略)

「問題を矮小(わいしょう)化したあのツイートは、彼が問題の本質を理解していないことを示しています」。
憤りを込めて佐藤さんが言う。
「猪瀬知事は政治家として重大な結果を引き起こしたと言うべきです。問われているのは五輪招致への影響だけじゃない。東京都知事としての『資質』そのものなんですよ
(以下略)
---- 引用以上 ----

佐藤氏自身も猪瀬知事とは違う方向でイスラム嫌い(Islamophobia)な気がしないでもないが(謎)。
猪瀬知事の例の発言ってのは、日本において少なからず広まってるイスラム教への無知や偏見が遠因にあるのは否めないと思ふ。
それこそ、「イスラム世界は野蛮」云々と言わんばかりに・・・。

一方、例の発言が知事としての資質以前の問題だとする意見も。
以下、2013年5月15日分 毎日jp『「イスラム教国はけんかばかり」~』から 酒井 啓子(Keiko SAKAI)教授のコメント部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
猪瀬知事の「鈍感さ」を指摘する声はイスラムの専門家からも上がっている。
イラクなど中東情勢に詳しい千葉大の酒井 啓子教授は、知事がニューヨーク・タイムズ紙の取材に「イスラム圏初って、そんなに意味あるのかな」と語っていたことに驚いた。

「これまでの世界は米欧中心で、五輪はまさにその発想の中核にあるイベントだった。イスラムは西洋に劣らぬ文明を築いてきた歴史があるにもかかわらず、西洋から疎外されてきた。そのイスラムの国で五輪が開催されれば、世界は西洋中心ではなく、多様な価値が重視される時代を迎えた、という象徴になる。『イスラム初開催』の意味は重要で、その意味の大きさは疑いようがない」

招致戦略うんぬんの前に、他都市の文化や歴史を学び、そんたくすることは知事としてイロハのイではないのか。

 「2001年の米同時多発テロ事件直後、当時のブッシュ大統領がイスラムを敵視し欧州首脳の間でもイスラム蔑視発言が散見されたことはありました。しかし現在は全世界的にそのような過去を反省する傾向にあり、オバマ大統領もイスラムとの融和を掲げています。今回の猪瀬さんの発言はその頃を思い出させる時代遅れのもの。見識のない政治家の仲間入りをしてしまった感があります」。
酒井さんの指摘は重い。
(以下略)
---- 引用以上 ----

猪瀬知事の場合、例の発言が時代遅れなブツってのに気づいてなさそうな点でさらに深刻なんだよな。
むしろ、猪瀬知事的には「(反イスラム感情の強い)米国の世論に訴えた」とすら思ってる節もあるわけで・・・。

こんなことになった理由について、佐高 信(Makoto SATAKA)氏は意味深な指摘をしていた。
以下、2013年5月15日分 毎日jp『「イスラム教国はけんかばかり」~』から佐高氏のコメント部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
「五輪招致に多額の税金をつぎ込んでいる時に、自らオウンゴールをしてしまうとは……いつかは問題発言をすると思っていたけれど、こんなに早くとは予想しなかった」と、半ばあきれ気味に語るのは評論家の佐高 信さんだ。

 都知事の失言といえば、前任の石原 慎太郎・日本維新の会共同代表も「三国人発言」など差別的表現を用いた発言が目立った。
「2代続けて偏見や差別の考えを持つ人物が知事になるとは、国際的に恥ずかしい限りだ。猪瀬氏の場合、ただの当選ではなく史上最多得票ということで有頂天になってしまったのでは」と手厳しい。
(以下略)
---- 引用以上 ----

去年の都知事選で「猪瀬氏以外にマシな候補者がいないから猪瀬氏に投票」云々、という説もあるけど・・・。
猪瀬知事の場合、自分の発言を擁護する「知識人」の方々がそれなりにいるのも一因なのかもしれん。
例えば、「イスラム諸国は~」という発言に関する自称マルティン・ハイデガーの生まれ変わりこと東 浩紀(Hiroki AZUMA)氏とか・・・。
↓この件は以下参照(手抜き)
・猪瀬都知事のNYTの記事は「マスコミが煽っている」系の記事じゃないの?(togetter.com)

つか、猪瀬知事や橋下市長みたいな人が政治家になってしまうってのは、(俺含む)有権者の無関心が招いた面があるのも否めないんだよな。
その意味では、普段から政治家やこれから政治家になろうとする物好きな人達の資質をチェックする必要があるんだろうけど・・・。
正直、頭の痛い問題だ。


それはそうと。
今日になって、橋下市長が共同代表を務める政党こと日本維新の会(・・・)に所属してた西村 真悟(Shingo NISHIMURA)氏が、「売春婦はまだうようよいるぞ。大阪の繁華街で韓国人に『慰安婦』と言ったらいい」という発言→除名処分とあいなった。
・西村氏が離党届=慰安婦発言、受理せず除名へ-維新(2013年5月17日 時事ドットコム)

もうやだこの日本(涙)


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