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The Great Book Robbery:Showing a new aspect of the Nakba

2012-01-30 20:34:51 | パレスチナかイスラエルか
今回は、かつてパレスチナにあった図書館の場所や書物(のタイトル)を Web 上で公開する取り組みについて紹介しておく。


1948年にパレスチナで発生したナクバ(Nakba)の前後で、イスラエル(当時はユダヤ系軍事組織、という呼び名か)軍はパレスチナの人達の住居などを破壊した。
しかし、その裏ではもう 1つの破壊行為 -- 大量の書物の押収や廃棄 -- が行われていた。

『The Great Book Robbery』というプロジェクトは、その中で失われた図書館の場所や現在イスラエル国立図書館(The National Library of Israel)のリスト(おそらくヘブライ語かアラビア語)に掲載されたパレスチナの書物に関する情報(所蔵番号(?)、著者、出版社、出版年、分類、タイトル(英訳))を公開している。
最終的には、リスト上にある 6,000冊全ての情報を掲載する・・・らしい。
↓は公式サイト。
・The Great Book Robbery


で、このプロジェクトの狙いについて、972mag.com 上で『The Great Book Robbery』の広報部門の責任者(?)である Karina Goulordava 氏が解説を加えていた。
・Documenting scores of Palestinian books, Nakba’s lesser-known victims(2012年1月29日 972mag.com)

以下、2012年1月29日分 972mag.com『Documenting scores of~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
In 2006, PhD student Gish Amit was the first to discover documents attesting to the looting of the books.
Amit researched the 6,000 AP books and their placement in the Eastern Studies Department of the National Library.
Drawing on Edward Said’s theory of Orientalism, Gish states that these books were “orientalized,” forced into the constructed notion of the orient.
This project aims to reveal not only the plunder that took place, but the true identity of the books.
By exposing this narrative, the project reveals a new aspect of the Nakba.

In the summers of 2010 and 2011, I traveled to Palestine and Israel, hoping to learn about the conflict first hand. Driving through Israel, I saw the hidden village ruins that are remnants of the Nakba.
Walking through Jaffa, I noticed buildings with arched windows, a sign of Arab architecture, now Israeli homes. Similar events repeated themselves in Jerusalem.
However, having always focusing on the reoccupation of homes and the displacement of people, I hadn’t been aware of the looting of tens of thousands of books that took place here and hadn’t considered the importance of preserving Palestinian national culture in the face of Israel’s occupation.
The Great Book Robbery attempts to do just that.
---- 引用以上 ----

パレスチナを巡る物語の再構成。
これに加え、度重なる家屋の破壊や痕跡の消去などでパレスチナの人達がいた証拠の消去・・・。
文化的遺産である書物の収奪はあくまでその一部でしかないとはいえ、そこに光を当てるのは密かに重要なんだろうな。
イスラエルのやってきたことの意味を知る上でもな。

ただ、この件に関して、イスラエル政府や一部親イスラエルな人達(例:田村 耕太郎氏)辺りは、「イスラエルはパレスチナの書物を保護したじゃね~か」なんて言うかもしれない。
でも、元から住んでいた人達の書物とか生活とかを散々破壊した(してる?)側の人達がそう言うのは、どう考えても征服者の言い草にしかならないかと。
ましてや、「保護した」ことについて感謝を求めてきた日には、中指でも突き立てておくのがせめてもの礼儀だ、としか言えない。
いや、本当の話。


ちなみに、今度の5月には『The Great Book Robbery』の取り組みとかを紹介する動画が公開されるらしい。
Aljazeera English でも放送されるとかなんとか・・・。
この動画に対しイスラエル政府が何を言うのか怖い俺・・・。


おまけ:↓『The Great Book Robbery』が2010年10月に公開していた動画。

The Great Book Robbery: Israel National Library



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