何か知らんが、イスラム教の危険性を訴えたオランダの自由党所属ウィルダース党首（Geert WILDERS）が扇動罪で訴えられていた。
が、アムステルダム地裁はこれを退けたらしい・・・。
・オランダ：「イスラム脅威」発言の党首に無罪…地裁判決（2011年6月23日 毎日jp）
・Algehele vrijspraak voor Wilders（2011年6月23日 nu.nl；オランダ語）
色んな意味で扱いに困るこの話。
さしあたっては、2011年6月23日分毎日jp の記事を（略
---- 以下引用 ----
【ブリュッセル斎藤 義彦】
オランダの少数与党連立政権に閣外協力している極右政党・自由党のウィルダース党首が、イスラム教の脅威を訴えた発言で扇動罪などに問われた裁判で、アムステルダム地裁は２３日、無罪判決を言い渡した。
同党首は自身が製作した反イスラム映画の上映差し止めを要求された民事訴訟でも０８年に勝利しており、オランダで移民排斥ムードがさらに高まることが懸念されている。
同党首は０７年８月、地元紙との会見[おまけ参照]でモスク（イスラム教礼拝所）の増加を取り上げ、「モスクが教会より多くなる。われわれは自衛すべきだ」などと述べた。
この発言のほか別のメディアでの発言も含めて０９年に扇動罪で起訴された。
判決は、一連の発言を「政治的議論の一部で犯罪ではない」と述べた。
ウィルダース党首は「言論の自由の勝利だ」と述べた。
同党首は一連の批判を「イスラム教に対してであり、イスラム教徒が対象ではない」と移民への差別の意図を否定している。
ルッテ首相は２３日、「良好な協力関係にあるウィルダース党首にとって素晴らしいニュースだ」と判決を歓迎する声明を出した。
同党首は、自身が作った０８年の反イスラム短編映画「フィトナ」で、米同時多発テロとイスラム教の聖典コーランの一部を結びつけた。
イスラム教徒らが上映差し止めを求める民事訴訟を起こしたが、０８年にハーグ地裁が「言論の自由」を理由に訴えを退けていた。
---- 引用引用 ----
↓は、判決の概要。
・Uitspraak van de rechtbank Amsterdam in de zaak Wilders （2011年6月23日 rechtspraak.nl；オランダ語）
政治的議論、ね。
それだったら、政治的議論の一環としてキリスト教やユダヤ教の危険性を訴えても何も問題ないってことになると思うが。
まぁ、俺に言わせれば、イスラム教が危険ならキリスト教もユダヤ教も同じくらい危険なのだが・・・。
つーか、WILDERS 氏は3年前にも同じような裁判を起こされて無罪判決が出てるんだよな。
・オランダ極右議員の反イスラム発言「違法ではない」 裁判所（2008年4月8日 afpbb.com）
これで、WILDERS 氏は政治的議論の一環と称せば、好き放題イスラム教や（間接的に）イスラム教徒を dis れるわけだ。
オランダに住むイスラム教徒の方々にとっては、頭の痛い日々が続くのかもしれん・・・。
もっとも、日本にも WILDERS 氏と似たようなことをのたまっていた人がいたけど。
ただし、攻撃対象はキリスト教だったが・・・。
・小沢氏「キリスト教は独善的」 仏教は称賛（2009年11月10日 47news.jp）
・遅まきながら小沢一郎の“キリスト教は独善的”発言について（2009年11月17日 Apes! Not Monkeys!本館）
以下、2009年11月10日分 47news.jp『小沢氏～』を全文（略
---- 以下引用 ----
民主党の小沢 一郎幹事長は１０日、和歌山県高野町で全日本仏教会の松長有慶会長と会談後、記者団に宗教観を披露した。
この中で小沢氏はキリスト教に対し「排他的で独善的な宗教だ。キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明。
イスラム教については「キリスト教よりましだが、イスラム教も排他的だ」と述べた。
国政に影響力を持つ与党の実力者による批判発言だけに、波紋を広げる可能性がある。
一方、仏教に関しては「現代社会は日本人の心を忘れたり見失っている。仏教は人間としての生きざまや心の持ちようを原点から教えてくれる」と称賛した。
---- 引用以上 ----
そのうち、小沢氏や小沢氏に近い議員＋一部 blogger の方々が、「（ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖典の一部である）聖書を発禁処分にしろ」なんて言い出しそうな悪寒。
しかも、政治的議論の一環と称して・・・。
それにしても。
（ありえないことだろうが）WILDERS 氏と小沢氏が対談したらどういう展開になるんだろうか？
おまけ：2007年8月に公開された問題の記事＋英訳。
・'Genoeg is genoeg: verbied de Koran'（2007年8月8日 volkskrant.nl；オランダ語）
・Wilders: Enough is enough（2007年8月9日 Islam in Europe）
↓は、WILDERS 氏の発言に対する批判の1つ。
・Setting us up for another murder（2007年8月8日 Klein Verzet）
WILDERS 氏は、冒頭で Oriana FALLACI 氏の『 The Force of Reason』を引用した上で、イスラム教の危険性とかを述べていた。
そして、例の記事の〆で政治家を批判するドサクサに紛れて問題の発言を・・・。
以下、2007年8月8日分 volkskrant.nl『Genoeg is genoeg:～』から、最後の〆を（略
ただし、Islam in Europe に掲載された英訳版もその下に（略
---- 以下引用 ----
[以下原文]
（中略）
Die met vertegenwoordigers van de terroristische Hamas in gesprek gaan.
Die werkzaamheden verrichten voor de dictatoriale Marokkaanse koning.
Die extremisten van de Moslimbroederschap als gesprekspartner zien.
Die toestaan dat moslimmannen weigeren hun zieke vrouw te laten behandelen door mannelijke artsen.
Die lak hebben aan de belangen van de Nederlandse burger en meewerken aan de transformatie van Nederland in Nederabië als provincie van de islamitische superstaat Eurabië.
Ik heb genoeg van de islam in Nederland: geen moslimimmigrant er meer bij.
Ik heb genoeg van de aanbidding van Allah en Mohammed in Nederland: geen moskee er meer bij.
Ik heb genoeg van de Koran in Nederland: verbied dat fascistische boek.
Genoeg is genoeg.
[以下英訳版]
（中略）
Who meet with representatives of the terrorist Hamas.
Who effectively work for the dictatorial Moroccan king.
Who see extremists of the Muslim Brotherhood as discussion partners.
Who allow Muslim men to refuse treatment of their sick wife by male doctors.
Who don't care for the interest of the Dutch citizen and who collaborate with the transformation of the Netherlands into Nether-Arabia (Nederabië) as a province of the Islamic super-state Eurabia.
I've had enough of Islam in the Netherlands: no more Muslim immigrants.
I've had enough of the worship of Allah and Mohamed in the Netherlands: no more mosques.
I've had enough of the Koran in the Netherlands: ban that fascist book.
Enough is enough.
---- 引用以上 ----
ポピュリズムの教科書的発言・・・。
が、アムステルダム地裁はこれを退けたらしい・・・。
・オランダ：「イスラム脅威」発言の党首に無罪…地裁判決（2011年6月23日 毎日jp）
・Algehele vrijspraak voor Wilders（2011年6月23日 nu.nl；オランダ語）
色んな意味で扱いに困るこの話。
さしあたっては、2011年6月23日分毎日jp の記事を（略
---- 以下引用 ----
【ブリュッセル斎藤 義彦】
オランダの少数与党連立政権に閣外協力している極右政党・自由党のウィルダース党首が、イスラム教の脅威を訴えた発言で扇動罪などに問われた裁判で、アムステルダム地裁は２３日、無罪判決を言い渡した。
同党首は自身が製作した反イスラム映画の上映差し止めを要求された民事訴訟でも０８年に勝利しており、オランダで移民排斥ムードがさらに高まることが懸念されている。
同党首は０７年８月、地元紙との会見[おまけ参照]でモスク（イスラム教礼拝所）の増加を取り上げ、「モスクが教会より多くなる。われわれは自衛すべきだ」などと述べた。
この発言のほか別のメディアでの発言も含めて０９年に扇動罪で起訴された。
判決は、一連の発言を「政治的議論の一部で犯罪ではない」と述べた。
ウィルダース党首は「言論の自由の勝利だ」と述べた。
同党首は一連の批判を「イスラム教に対してであり、イスラム教徒が対象ではない」と移民への差別の意図を否定している。
ルッテ首相は２３日、「良好な協力関係にあるウィルダース党首にとって素晴らしいニュースだ」と判決を歓迎する声明を出した。
同党首は、自身が作った０８年の反イスラム短編映画「フィトナ」で、米同時多発テロとイスラム教の聖典コーランの一部を結びつけた。
イスラム教徒らが上映差し止めを求める民事訴訟を起こしたが、０８年にハーグ地裁が「言論の自由」を理由に訴えを退けていた。
---- 引用引用 ----
↓は、判決の概要。
・Uitspraak van de rechtbank Amsterdam in de zaak Wilders （2011年6月23日 rechtspraak.nl；オランダ語）
政治的議論、ね。
それだったら、政治的議論の一環としてキリスト教やユダヤ教の危険性を訴えても何も問題ないってことになると思うが。
まぁ、俺に言わせれば、イスラム教が危険ならキリスト教もユダヤ教も同じくらい危険なのだが・・・。
つーか、WILDERS 氏は3年前にも同じような裁判を起こされて無罪判決が出てるんだよな。
・オランダ極右議員の反イスラム発言「違法ではない」 裁判所（2008年4月8日 afpbb.com）
これで、WILDERS 氏は政治的議論の一環と称せば、好き放題イスラム教や（間接的に）イスラム教徒を dis れるわけだ。
オランダに住むイスラム教徒の方々にとっては、頭の痛い日々が続くのかもしれん・・・。
もっとも、日本にも WILDERS 氏と似たようなことをのたまっていた人がいたけど。
ただし、攻撃対象はキリスト教だったが・・・。
・小沢氏「キリスト教は独善的」 仏教は称賛（2009年11月10日 47news.jp）
・遅まきながら小沢一郎の“キリスト教は独善的”発言について（2009年11月17日 Apes! Not Monkeys!本館）
以下、2009年11月10日分 47news.jp『小沢氏～』を全文（略
---- 以下引用 ----
民主党の小沢 一郎幹事長は１０日、和歌山県高野町で全日本仏教会の松長有慶会長と会談後、記者団に宗教観を披露した。
この中で小沢氏はキリスト教に対し「排他的で独善的な宗教だ。キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明。
イスラム教については「キリスト教よりましだが、イスラム教も排他的だ」と述べた。
国政に影響力を持つ与党の実力者による批判発言だけに、波紋を広げる可能性がある。
一方、仏教に関しては「現代社会は日本人の心を忘れたり見失っている。仏教は人間としての生きざまや心の持ちようを原点から教えてくれる」と称賛した。
---- 引用以上 ----
そのうち、小沢氏や小沢氏に近い議員＋一部 blogger の方々が、「（ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖典の一部である）聖書を発禁処分にしろ」なんて言い出しそうな悪寒。
しかも、政治的議論の一環と称して・・・。
それにしても。
（ありえないことだろうが）WILDERS 氏と小沢氏が対談したらどういう展開になるんだろうか？
おまけ：2007年8月に公開された問題の記事＋英訳。
・'Genoeg is genoeg: verbied de Koran'（2007年8月8日 volkskrant.nl；オランダ語）
・Wilders: Enough is enough（2007年8月9日 Islam in Europe）
↓は、WILDERS 氏の発言に対する批判の1つ。
・Setting us up for another murder（2007年8月8日 Klein Verzet）
WILDERS 氏は、冒頭で Oriana FALLACI 氏の『 The Force of Reason』を引用した上で、イスラム教の危険性とかを述べていた。
そして、例の記事の〆で政治家を批判するドサクサに紛れて問題の発言を・・・。
以下、2007年8月8日分 volkskrant.nl『Genoeg is genoeg:～』から、最後の〆を（略
ただし、Islam in Europe に掲載された英訳版もその下に（略
---- 以下引用 ----
[以下原文]
（中略）
Die met vertegenwoordigers van de terroristische Hamas in gesprek gaan.
Die werkzaamheden verrichten voor de dictatoriale Marokkaanse koning.
Die extremisten van de Moslimbroederschap als gesprekspartner zien.
Die toestaan dat moslimmannen weigeren hun zieke vrouw te laten behandelen door mannelijke artsen.
Die lak hebben aan de belangen van de Nederlandse burger en meewerken aan de transformatie van Nederland in Nederabië als provincie van de islamitische superstaat Eurabië.
Ik heb genoeg van de islam in Nederland: geen moslimimmigrant er meer bij.
Ik heb genoeg van de aanbidding van Allah en Mohammed in Nederland: geen moskee er meer bij.
Ik heb genoeg van de Koran in Nederland: verbied dat fascistische boek.
Genoeg is genoeg.
[以下英訳版]
（中略）
Who meet with representatives of the terrorist Hamas.
Who effectively work for the dictatorial Moroccan king.
Who see extremists of the Muslim Brotherhood as discussion partners.
Who allow Muslim men to refuse treatment of their sick wife by male doctors.
Who don't care for the interest of the Dutch citizen and who collaborate with the transformation of the Netherlands into Nether-Arabia (Nederabië) as a province of the Islamic super-state Eurabia.
I've had enough of Islam in the Netherlands: no more Muslim immigrants.
I've had enough of the worship of Allah and Mohamed in the Netherlands: no more mosques.
I've had enough of the Koran in the Netherlands: ban that fascist book.
Enough is enough.
---- 引用以上 ----
ポピュリズムの教科書的発言・・・。
