flagburner's blog(仮)

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Operation Waltzing Matilda 10.0

2010-02-16 19:33:50 | 捕鯨騒動
昨日は、Greenpeace Japan のメンバー2人に対する裁判初公判が行われた。

しかし、その前に Sea Shepherd のメンバーにして Ady Gil 号の船長こと Pete Bethune 氏が、第二昭南丸に乗り込み謝罪とかを要求→拘束という Greenpeace にとって頭の痛い事態が生じた。
・捕鯨船にシー・シェパード侵入 「3億円求める」と書簡(2010年2月15日 asahi.com)
・シー・シェパード:メンバー1人が調査捕鯨船に侵入(2010年2月15日 毎日jp)

以下、2010年2月15日分 asahi.com『捕鯨船にシー・シェパード侵入~』を全文引用する。

---- 以下引用 ----
水産庁に入った連絡によると、日本時間15日午前9時ごろ、南極海で米国の反捕鯨団体シー・シェパード(SS)のメンバー1人が、日本の調査捕鯨船団の第2昭南丸(712トン)に侵入した。メンバーは乗り込んできた際に右手の親指をけがしたが、軽傷。乗組員にけがはなく、船体の損傷もない。

 同庁によると、侵入したのは、1月6日(日本時間)に第2昭南丸と衝突して大破した小型高速船アディ・ギル号(26トン)の船長。
水上バイクで近づき、気づかないうちに乗り込んでいたという。

 乗り込んだ船長は持っていた書簡を第2昭南丸の船長に手渡した後、船内で保護されている。
その後、SSのスティーブ・アーウィン号が近づき、日本人とみられるメンバーが拡声機を使って「衝突の責任は第2昭南丸にある。3億円を請求する。ニュージーランドに向け航行せよ」と日本語で書簡の内容を呼び掛けた。

 今期の調査捕鯨で、SSのメンバーが日本の船に侵入したのは初めて。
2008年1月には第2勇新丸(747トン)にSSの男2人が乗り込んできたため、一時身柄を拘束したことがある。
---- 引用以上 ----

つーか、3億円って Ady Gil 号の購入費用+乗っていたメンバー 6人への慰謝料+αとしては安い気がするけど(違)。
どうせなら、「調査捕鯨」団が南極海に行くために毎年使う費用分を請求したほうが面白いのだが。
3億円って、Sea Shepherd にしては妙にセコい金額にも見えるけどね・・・。


ってのはともかく。
Bethune 氏が第二昭南丸に乗り込んだ際に見せた文書ってのは、色んな意味でぶっ飛んでる内容だったとか。
・Ady Gil captain boards whaling boat with $3m bill for cost of replacing ship(2010年2月15日 theaustrian.com.au)

以下、2010年2月15日分 theaustrian.com.au『Ady Gil captain~』からその文章の内容を紹介してる部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
"I am here to arrest you," the letter read.
"I am requesting that you transfer now to the Steve Irwin, where we will take you into custody."

"If you refuse to be arrested, then I am requesting that you deliver me to Wellington (New Zealand). Having sunk my vessel, and with our issuing of a mayday call, you have an obligation under maritime law to provide me with safe passage back to land."

The letter draws an unusual comparison between whaling and female genital mutilation.

"To argue it is part of your culture does not make it right. Sudan still practices circumcision of women, and they argue it is part of their culture, but that doesn't make it right."
(以下略)
---- 引用以上 ----

「逮捕してやる」と乗り込んだ挙句で拘束って・・・完全にネタだよな、と思った俺は少し間が抜けていたようだ(後述)

ま、Sea Shepherd は2008年8月にも「調査捕鯨」団への逮捕状を出してるわけだが。
この件については以下を参照(手抜き)
・Sea Shepherd 「が」出した逮捕状(?)(2008年8月7日 flagburner's blog(仮))

しかし、スーダン(やその他一部地域)で行われてる女子割礼(FGM:意味は自分で調べてね)にまで話を広げるか(苦笑)。
こうした割礼については、存続の是非を巡って議論が繰り広げられてるわけだが・・・。



で、Bethune 氏が拘束されたことってのは、「調査捕鯨」団というより Watson 船長にとって(不謹慎だが)面白い展開になったみたい。
・Japan Takes A Prisoner In their Crusade to Plunder the Southern Ocean Whale Sanctuary(2010年2月15日 Sea Shepherd)

この中で Watson 船長+ Steve Irvin 号の料理長(?)は、日本の当局が Bethune 氏をどのように扱うかについて意味深なコメントをしていた。
以下、2010年2月15日分 Sea Shepherd 『Japan Takes A Prisoner~』から最後の部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
“I don’t think that Australian and New Zealanders are going to tolerate the abuse of Peter Bethune by the thugs from Japan who annually plunder the Southern Ocean Whale Sanctuary for profit in the name of research.”
Said Steve Irwin Chief Cook Laura Dakin of Canberra.

“If the Japanese put Peter Bethune on trial in Japan, it will be a case that will draw the attention of the world.” Said Captain Paul Watson.
“What is the Japanese government thinking? The persecution of Captain Peter Bethune will a rallying point for an international campaign to free Captain Bethune and to end the brutal illegal slaughter of the whales in the Southern Ocean Whale Sanctuary.

---- 引用以上 ----

うはは。
Greenpeace の作戦をパクッたか。
しかも、それとは別の意味で、日本の司法制度が抱えてる別の問題点を世に示す可能性が高いんだよな。
要は、日本語が母国語でない(この書き方嫌いなんだけど他にどう表現すればいいんだよ)被告に対して、裁判を受ける権利を保障できる体制が不十分ということだ。
具体的には、被告人⇔弁護士の対話などを行う通訳や法廷通訳人、そして外国語に堪能(かつ日本国外の事情などに通じる)である弁護士が少ない、ということだが。
ついでに、裁判費用の問題も・・・。

日本語が母国語でない被疑者+被告人に対する通訳人選定+費用については以下を参照。
・国選弁護事件を受任される弁護士の方へ(通訳事件編)(2008年9月18日 法テラス;.pdfファイル)

法廷通訳人の事情については以下を参照。
・重要度高まる法廷通訳人 語学力の実践的な審査が必要滋賀本社・広中孝至(2005年5月25日 京都新聞)
・■通訳人ー裁判員裁判・刑事裁判と通訳問題(法、刑事裁判、言語を考える)

それと問題になりそうなのが、Bethune 氏を日本国内で拘束した際の扱いだな。
仮に日本の当局が、Bethune 氏を起訴した後も(悪名高い)代用監獄とかを使って拘束を続けたら、いくら Bethune 氏が「調査捕鯨」団や日本政府の宿敵とはいえ対外的に非難が出るのは避けられないだろうし。
ついでに、(Greenpeace Japan のメンバー 2人に行われていた)拘束中の面会制限なんてのも止めて欲しいところだ。
んな子とした日には、Watson 船長から何を言われるかわかったモンじゃないっつーの。
ついでに、国連人権理事会にも・・・。


それにしても。
第二昭南丸は、Bethune 氏を乗せたまま日本に戻るつもりなのだろうか?


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