今日は、群馬県の町村長選挙と町村議会選挙が告示された(投票は2011年4月24日)。
しかし、八ッ場ダムの建設予定地となってる長野原町の町議会選挙は無投票とあいなった。
これに関して、YOMIURI ONLINE が2011年4月14日の時点で意味深な記事を書いていたのだが・・・。
・川原湯 議員なり手なし/長野原町議選(2011年4月14日 YOMIURI ONLINE)
YOMIURI ONLINE の記事によると、川原湯地区から選出されてた町議会議員が引退を表明していた。
しかし、その後を継ぐ候補者は、今回の選挙に出ないと公言したそうな。
そこには、地方政治における根本的な問題点が理由に挙げられていたのだが・・・。
以下、2011年4月14日分 YOMIURI ONLINE『川原湯 議員なり手なし~』から、後半部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
現在の町議の行政区別の内訳は、川原湯と林、長野原、大津が各1人。
北軽井沢と横壁、応桑が各2人。
町の人口6270人(3月末)のうち、“大票田”の応桑や北軽井沢はそれぞれ1109人、1608人もいるが、川原湯はわずか161人。
約30年前と比べ、約460人も減った。
2001年に水没予定地の単価が決定し、借地の住民らが分譲価格が高額な代替地を避けて町内外に転出するなどしたためだ。
ダム推進派の町民は「ダムを一番必要としている川原湯から議員がいなくなると、ダム問題への関心が薄れるのではないか」と心配する。
川原湯温泉の関係者は「ただでさえ、客足が落ちているのに、東日本大震災でキャンセルも相次いだ。自分の頭の上のハエも追い払えないのに、議員の仕事をする余裕のある人はいない」と話す。
同町議選を巡っては、冨沢町議ら2人が勇退の予定。
3月23日の立候補予定者説明会に集まったのは、現職8、新人3の計11陣営。
しかし、新人の1人は読売新聞の取材に「今回は出ない方向」と語り、2期連続の無投票もあり得る。
こうした現状を、別の地区の町議は「議員の仕事に魅力が感じられないからではないか」と分析する。
同町議の月額報酬は16万円。
「報酬だけで生活はできないから、若い人にはなり手がいない」と指摘。
「選挙をしないと、議員の責任や重みが薄れてしまう気がする」と、複雑な心境を語る。
---- 引用以上 ----
川原湯地区に住んでる人が減ったのが八ッ場ダム建設が原因とすれば、川原湯地区から出る議員がいなくなっても(得票を見込めなくなるから)不思議はないが・・・。
それ以上に興味深いのは、長野原町議の報酬の低さか。
一見、群馬県の物価は比較的低いことから、16万円という額でもなんとか生活できなくないように思えるけど・・・。
一地方自治体の方針を決める人の役割と仕事に対する報酬にしては正直安くね~か?
一部の地方議会では議員報酬を日当制にしたけど、日当制の場合議員と別の仕事の兼業や蓄えを取り崩すことを前提としてるだろうし・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・(2)報酬日当制<下>「手弁当」割れる評価(2010年3月9日 河北新報)
果たして、議員にとってふさわしい報酬ってどれくらいなんだろうか・・・?
とはいえ、長野原町の(特に八ッ場ダム建設予定地周辺の)人達にしてみれば、議員達に取り組んで欲しいのは八ッ場ダムの話だったりする。
が、先月の震災の影響で、八ッ場ダムに関する話はすっかりウヤムヤに・・・。
その辺りは、先程行われた群馬県議会選挙の吾妻郡選挙区(長野原町も含む)でも伺えた。
・県議選吾妻郡区 かすむ「八ッ場ダム」(2011年4月7日 TOKYO Web)
さしあたっては、2011年4月7日分 TOKYO Web『県議選吾妻郡区 かすむ「八ッ場ダム」』を全文(略
---- 以下引用 ----
県議選の戦いは中盤を過ぎ、東日本大震災に伴う社会の“自粛ムード”に配慮しながらも、各候補者の論戦が活発化している。
訴えの内容が、震災復興や被災者支援策に集中する一方、本県にとって最重要課題であるはずの八ッ場(やんば)ダム問題が取り上げられる機会は極めて少ない。
地元住民からは問題の“風化”を不安視する声も出始めている。
ダム予定地の長野原町を含む吾妻郡選挙区(定数二)の現況を追った。
(中根 政人)
同選挙区に出馬した候補者三人は、いずれも八ッ場ダム建設推進の立場。
選挙戦では、震災や福島第一原子力発電所の事故によって引き起こされた地域の危機的状況が話題の中心となっている。
「安全で安心な吾妻を築きたい」。
五日午前、中之条町を遊説した自民現職の南波 和憲氏(63)は、震災で打撃を受けた経済の回復や災害に強いまちづくりを訴えた。
陣営関係者は「震災後の非常事態をどう乗り越えるか、詳細に説明することが大事」と強調する。
無所属新人の重野 能之氏(33)は同日、高山村や長野原町、草津町などを遊説した。
「防災面でのダムの有効性などについては機会を見て主張している。ダム問題も大事な論点の一つ」としながらも「ダム問題への世間の関心が薄れていることは事実」と認める。
自民現職の萩原 渉氏(57)は同日午後、中之条町の農協前で演説。
草津温泉などの観光客激減や農作物の出荷停止問題を取り上げながら「笑顔で過ごせる吾妻を取り戻す」と述べた。
選対関係者は「八ッ場を訴えの主軸に想定した震災前と状況が変わった」とする。
一方、ダム予定地の住民らは、震災が八ッ場ダム問題の行方に一定の影響を与える可能性があると考えている。
住民男性の一人は「福島の原発事故によって、防災対策や電力不足の問題が出てきた。水害防止を目的とし、発電所も計画されている八ッ場ダムの意義が見直されるのではないか」と主張する。
国が震災復興を最優先する陰で、ダム問題のさらなる混迷や長期化を懸念する意見もある。
長野原町林地区の住民男性は、国の今後の対応に警戒感を隠さない。
「ダムのことがそっちのけになっても困る。復興資金が限られる中で、国が財源問題をダム中止の理由に挙げることだってあり得る」
---- 引用以上 ----
う~ん。
八ッ場ダムに関する関心が薄れてるのは、この件を継続的に伝える人が不足してるってのが大きいんだろうな(俺も人のことは言えないけど)。
もっとも、防災対策として八ッ場ダムの必要性を打ち出すならともかく、電力不足対策としてはあまり機能しないとい指摘も・・・。
・八ッ場ダムができると、水力発電量が大幅に減少(2011年4月3日 八ッ場あしたの会)
上の記事によると、現計画のまま八ッ場ダムの建設を進めると、下流の水力発電所の発電量減少が八ッ場ダムでの発電量を打ち消してしまうとか。
それ以前に、防災対策としても八ッ場ダムだけでは不足してるっての実際の所だけど・・・。
それはそうと。
八ッ場ダムの関連工事は、依然としてケリがつく気配がない模様。
・工期 再々延長か 関連工事の遅れ響く(2011年3月1日 mytown.asahi.com)
この調子だと、10年後になって『(八ッ場ダムの)工期 再々々々々々々々々延長か~』という記事が出てもおかしくなさそう(汗)
しかし、八ッ場ダムの建設予定地となってる長野原町の町議会選挙は無投票とあいなった。
これに関して、YOMIURI ONLINE が2011年4月14日の時点で意味深な記事を書いていたのだが・・・。
・川原湯 議員なり手なし/長野原町議選(2011年4月14日 YOMIURI ONLINE)
YOMIURI ONLINE の記事によると、川原湯地区から選出されてた町議会議員が引退を表明していた。
しかし、その後を継ぐ候補者は、今回の選挙に出ないと公言したそうな。
そこには、地方政治における根本的な問題点が理由に挙げられていたのだが・・・。
以下、2011年4月14日分 YOMIURI ONLINE『川原湯 議員なり手なし~』から、後半部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
現在の町議の行政区別の内訳は、川原湯と林、長野原、大津が各1人。
北軽井沢と横壁、応桑が各2人。
町の人口6270人(3月末)のうち、“大票田”の応桑や北軽井沢はそれぞれ1109人、1608人もいるが、川原湯はわずか161人。
約30年前と比べ、約460人も減った。
2001年に水没予定地の単価が決定し、借地の住民らが分譲価格が高額な代替地を避けて町内外に転出するなどしたためだ。
ダム推進派の町民は「ダムを一番必要としている川原湯から議員がいなくなると、ダム問題への関心が薄れるのではないか」と心配する。
川原湯温泉の関係者は「ただでさえ、客足が落ちているのに、東日本大震災でキャンセルも相次いだ。自分の頭の上のハエも追い払えないのに、議員の仕事をする余裕のある人はいない」と話す。
同町議選を巡っては、冨沢町議ら2人が勇退の予定。
3月23日の立候補予定者説明会に集まったのは、現職8、新人3の計11陣営。
しかし、新人の1人は読売新聞の取材に「今回は出ない方向」と語り、2期連続の無投票もあり得る。
こうした現状を、別の地区の町議は「議員の仕事に魅力が感じられないからではないか」と分析する。
同町議の月額報酬は16万円。
「報酬だけで生活はできないから、若い人にはなり手がいない」と指摘。
「選挙をしないと、議員の責任や重みが薄れてしまう気がする」と、複雑な心境を語る。
---- 引用以上 ----
川原湯地区に住んでる人が減ったのが八ッ場ダム建設が原因とすれば、川原湯地区から出る議員がいなくなっても(得票を見込めなくなるから)不思議はないが・・・。
それ以上に興味深いのは、長野原町議の報酬の低さか。
一見、群馬県の物価は比較的低いことから、16万円という額でもなんとか生活できなくないように思えるけど・・・。
一地方自治体の方針を決める人の役割と仕事に対する報酬にしては正直安くね~か?
一部の地方議会では議員報酬を日当制にしたけど、日当制の場合議員と別の仕事の兼業や蓄えを取り崩すことを前提としてるだろうし・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・(2)報酬日当制<下>「手弁当」割れる評価(2010年3月9日 河北新報)
果たして、議員にとってふさわしい報酬ってどれくらいなんだろうか・・・?
とはいえ、長野原町の(特に八ッ場ダム建設予定地周辺の)人達にしてみれば、議員達に取り組んで欲しいのは八ッ場ダムの話だったりする。
が、先月の震災の影響で、八ッ場ダムに関する話はすっかりウヤムヤに・・・。
その辺りは、先程行われた群馬県議会選挙の吾妻郡選挙区(長野原町も含む)でも伺えた。
・県議選吾妻郡区 かすむ「八ッ場ダム」(2011年4月7日 TOKYO Web)
さしあたっては、2011年4月7日分 TOKYO Web『県議選吾妻郡区 かすむ「八ッ場ダム」』を全文(略
---- 以下引用 ----
県議選の戦いは中盤を過ぎ、東日本大震災に伴う社会の“自粛ムード”に配慮しながらも、各候補者の論戦が活発化している。
訴えの内容が、震災復興や被災者支援策に集中する一方、本県にとって最重要課題であるはずの八ッ場(やんば)ダム問題が取り上げられる機会は極めて少ない。
地元住民からは問題の“風化”を不安視する声も出始めている。
ダム予定地の長野原町を含む吾妻郡選挙区(定数二)の現況を追った。
(中根 政人)
同選挙区に出馬した候補者三人は、いずれも八ッ場ダム建設推進の立場。
選挙戦では、震災や福島第一原子力発電所の事故によって引き起こされた地域の危機的状況が話題の中心となっている。
「安全で安心な吾妻を築きたい」。
五日午前、中之条町を遊説した自民現職の南波 和憲氏(63)は、震災で打撃を受けた経済の回復や災害に強いまちづくりを訴えた。
陣営関係者は「震災後の非常事態をどう乗り越えるか、詳細に説明することが大事」と強調する。
無所属新人の重野 能之氏(33)は同日、高山村や長野原町、草津町などを遊説した。
「防災面でのダムの有効性などについては機会を見て主張している。ダム問題も大事な論点の一つ」としながらも「ダム問題への世間の関心が薄れていることは事実」と認める。
自民現職の萩原 渉氏(57)は同日午後、中之条町の農協前で演説。
草津温泉などの観光客激減や農作物の出荷停止問題を取り上げながら「笑顔で過ごせる吾妻を取り戻す」と述べた。
選対関係者は「八ッ場を訴えの主軸に想定した震災前と状況が変わった」とする。
一方、ダム予定地の住民らは、震災が八ッ場ダム問題の行方に一定の影響を与える可能性があると考えている。
住民男性の一人は「福島の原発事故によって、防災対策や電力不足の問題が出てきた。水害防止を目的とし、発電所も計画されている八ッ場ダムの意義が見直されるのではないか」と主張する。
国が震災復興を最優先する陰で、ダム問題のさらなる混迷や長期化を懸念する意見もある。
長野原町林地区の住民男性は、国の今後の対応に警戒感を隠さない。
「ダムのことがそっちのけになっても困る。復興資金が限られる中で、国が財源問題をダム中止の理由に挙げることだってあり得る」
---- 引用以上 ----
う~ん。
八ッ場ダムに関する関心が薄れてるのは、この件を継続的に伝える人が不足してるってのが大きいんだろうな(俺も人のことは言えないけど)。
もっとも、防災対策として八ッ場ダムの必要性を打ち出すならともかく、電力不足対策としてはあまり機能しないとい指摘も・・・。
・八ッ場ダムができると、水力発電量が大幅に減少(2011年4月3日 八ッ場あしたの会)
上の記事によると、現計画のまま八ッ場ダムの建設を進めると、下流の水力発電所の発電量減少が八ッ場ダムでの発電量を打ち消してしまうとか。
それ以前に、防災対策としても八ッ場ダムだけでは不足してるっての実際の所だけど・・・。
それはそうと。
八ッ場ダムの関連工事は、依然としてケリがつく気配がない模様。
・工期 再々延長か 関連工事の遅れ響く(2011年3月1日 mytown.asahi.com)
この調子だと、10年後になって『(八ッ場ダムの)工期 再々々々々々々々々延長か~』という記事が出てもおかしくなさそう(汗)