もう1つの感性の本棚

書くことを仕事にしている者として、日常をどのような感性で掬い取るか。

きょうの写真棚~デビルマン

2006-06-26 00:50:01 | いいオトナの知的未開地探検
 自分にとって、永井豪のデビルマンはテレビで放映されていたアニメの世界の主人公だった。
 その後、長い年月をかけてコミック誌で物語が派生していった軌跡や、根源的なイメージを展開していった別の物語世界を、自分は追いかけてはいない。

 しかし、どこかその深淵なイメージを意識するところがあって、先日、仕事帰りの散歩途上で、フィギュアを買い求めた(『街の縁取り17~万惣のホットケーキ』で報告済み)。

 羽の折れたデビルマン――。
 海洋堂の造形作家によってイメージの瞬間を捉えられた姿は、深くて暗い宿命を背負った苦悩を感じさせる。

 宗教世界における悪魔という概念を日本人の自分が理解しているかどうかわからない。デビルマンの苦悩を自分の何に重ねるべきか、原罪というべき概念についての理解も同様に心許ない。
 
 しかし、イメージは、その心許なさと現実に存在する概念世界を橋渡しする。
 何か感性に引っかかるもの。
 それが何かを考えるきっかけを与えてくれる。