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その10 ハチ・クモ・ベジタリアン

2013-06-18 | フィールドノート(多摩丘陵)
6月17日。梅雨の晴れ間を待ってましたとばかりに多摩丘陵に出かけた。
梅雨時は、毎年、臨戦態勢。毎日、1週間先までの予想天気図を眺めては、仕事の予定を調節する。
さて、11日ぶりの多摩丘陵だ。ミドリシジミ、オオミドリシジミの翅を開いた写真を撮ること。ヤンマ類の発生状況を確認すること。などなど、目的はたくさんあったが、やや期待外れに終わった。
注目するべき事柄は、、カキラン、オオバギボウシの開花と、久しぶりにサシバという鷹の仲間が見られたことなどだった。
ちょっと疲れ気味で体が重かったこともあり、足を引きずりながらの帰り際に、路上を何かが動いているのが見えた。近づくと、それは、ハチがクモを運んでいるところだった。昆虫の天敵であるはずのクモが、ハチに運ばれているのだ。


クモを狩りしたオオモンクロベッコウ(狩人蜂) 2013-06-17 多摩丘陵

狩人蜂である。きっと一度くらい話しに聞いたことがあるだろう。クモや、芋虫などを捕まえて、体が動かなくなる麻酔を打ち、巣の中に運び込み、卵をうみつけるというハチである。孵化した幼虫は、獲物を食い進みすくすくと成長するというものだ。
ここまでの話しを読み、とても先を読みたくないという方もいるだろう。
しかし、まあ、「しっかり食えよ。よ~く太ったところで食べてやるからな。」と言わんがごとくに育てられる、ブタやニワトリのことを考えてもらいたい。人間のやることも、たいして変わらないと思うのだが…。

さて、ハチである。巣穴まで運びこむところを見たかったのだが、それは叶わなかった。車が来てしまったのだ。狭い山道、車はあまり通らないのだが…。あまりにも間が悪い。車をよけている間に、ハチは藪の中に入っていってしまった。よい写真も撮れず、煮え切らない思いは増すばかり。――つまらない終わり方だな。

しかし、話しはまだ終わっていなかた。
翌日午前中、いつもの散歩道を歩いていた。道脇のアカメガシワという樹の花を見ていると、そこに黒いハチがいるのだ。そう、昨日見たばかりのオオモンクロベッコウだった。2日続けて対面するとはなんか因縁めいたものを感じる。しかし、今日の彼女には、狩人の姿はなかった。

 
アカメガシワの花粉を食べるオオモンクロベッコウ 2013-06-18 世田谷

このハチ、幼虫はクモを食べる肉食系だが、成虫は花を訪れるベジタリアンなのだ。花粉を食べる平和そうな姿からは、昆虫の天敵である大きなクモを狩る姿は想像できない。「昨日は昨日。私、そんなに怖いハチじゃないのよ」なんて言っているような気がした。


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