昨日の続き。
昨日は、ツバメだけで終わってしまった。今日は、シジミと両者の比較を書きたい。
もうおわかりだろうが、ここで言っている、ツバメとシジミは、いずれもチョウのことで、それぞれ、ムラサキツバメと、ムラサキシジミのことを指す。
ムラサキツバメ 2013-08-30 世田谷 ムラサキシジミ 2009-09-10 品川
写真を見てわかるように、良く似た翅形をしているが、ムラサキツバメには、明確な尾状突起がある点で区別は容易だ。また、サイズもムラサキツバメの方が一回り半くらい大きい。こう書くと、「大きさは比べてみないと分からない」といわれそうだ。まさにその通りで、僕も最初はそう思った。しかし、経験を重ねると、これも鍛えられるようだ。
話しは横道にそれるが、先日の小笠原で、僕は初めてアオウミガメの卵を見た。卵といっても、クマネズミに掘り返され食われてしまった殻なのだが、それを見て、「アカウミガメより二回りぐらい大きい」と思った。後で調べてみると、アカウミガメは40mm弱に対しアオウミガメは45~47mmほどということで、僕の印象は間違えなかったようだ。アカウミガメの産卵は、20年ほど前に一度見ただけだが、この印象はかなり正確に僕の体に染込んでいたようだ。
話を戻そう。
側面(裏面)は、どちらのチョウも茶色で地味だが、内側(表面)は、8月28日「秋の兆し。チョウの季節からドングリの季節へ。」に掲載したように、美しい紫色(ルリ色)に輝く――残念ながら、ムラサキツバメの美しい写真はまだ撮れていない。ちなみに、この2枚の写真の色の差は、あまり気にしないでもらいた。チョウの個体により色の濃淡ものもあるし、撮影した時の光条件でも印象はかなり変わる。
8月30日の散歩では、ムラサキシジミの産卵を見た。散歩道の途中で、年に数回は目にする光景だ。
たいがいの図鑑では、「アラカシで繁殖」、「アラカシを好み…」といった記載がされているが、僕が散歩道上で確認したのは、すべてシラカシ。ここら辺には、シラカシが圧倒的に多いのも事実だが、以前、ムラサキシジミの繁殖状況を調べてみようと思い、アラカシ見て回ったことがあるが、結局、卵や幼虫は発見できなかった。結論を出すには時期尚早だが、この地域においては、ムラサキシジミの繁殖はシラカシでなされているように思われる。
ムラサキシジミの産卵 2012-07-04 世田谷
ムラサキシジミ シラカシの葉裏の卵(左:中央の白い点)とそのアップ 2012-07-04 世田谷
ムラサキシジミが産卵したシラカシ(実生)2012-07-04 世田谷
昆虫少年だった僕の幼小期の記憶に、この2種のチョウはない。
東京近郊でムラサキシジミを始めて見たのは1980年のことだ。その後、多摩丘陵では、何度も見ていたが、世田谷区内で見たのは、1990年以降のことだ。
僕の関心が低かったこともあるだろうが、様々な資料を見ても、都市部での記録は、1990年代から増えていると見られる。
ムラサキツバメに至っては、昨日のブログに書いた2009年晩秋が初めての観察であった。
ここ10年ほどの温暖傾向が要因の一つにあるのは否定しないが、それ以上に、意識しているいないに関わらず、何らかの形で、人の手によって移動させられたというのも大きな要因だろう。
都市部の緑の多くは、公園など人の手によってつくられ、管理された自然である。そこに棲む多くの生き物は、人の手の加わり具合によって、栄枯盛衰が左右される。ビオトープや生物多様性などの言葉が流行ってはいるが、まだまだ表面的で、多くが、本来の意味からは程遠い状況だ。見た目の美しさだけではなく、こういった生き物たちの視点に立った、計画や管理がなされることが望まれる。
その一翼を担う業務を生業にしている自分に対し、自戒の念も込めて!!
昨日は、ツバメだけで終わってしまった。今日は、シジミと両者の比較を書きたい。
もうおわかりだろうが、ここで言っている、ツバメとシジミは、いずれもチョウのことで、それぞれ、ムラサキツバメと、ムラサキシジミのことを指す。
ムラサキツバメ 2013-08-30 世田谷 ムラサキシジミ 2009-09-10 品川
写真を見てわかるように、良く似た翅形をしているが、ムラサキツバメには、明確な尾状突起がある点で区別は容易だ。また、サイズもムラサキツバメの方が一回り半くらい大きい。こう書くと、「大きさは比べてみないと分からない」といわれそうだ。まさにその通りで、僕も最初はそう思った。しかし、経験を重ねると、これも鍛えられるようだ。
話しは横道にそれるが、先日の小笠原で、僕は初めてアオウミガメの卵を見た。卵といっても、クマネズミに掘り返され食われてしまった殻なのだが、それを見て、「アカウミガメより二回りぐらい大きい」と思った。後で調べてみると、アカウミガメは40mm弱に対しアオウミガメは45~47mmほどということで、僕の印象は間違えなかったようだ。アカウミガメの産卵は、20年ほど前に一度見ただけだが、この印象はかなり正確に僕の体に染込んでいたようだ。
話を戻そう。
側面(裏面)は、どちらのチョウも茶色で地味だが、内側(表面)は、8月28日「秋の兆し。チョウの季節からドングリの季節へ。」に掲載したように、美しい紫色(ルリ色)に輝く――残念ながら、ムラサキツバメの美しい写真はまだ撮れていない。ちなみに、この2枚の写真の色の差は、あまり気にしないでもらいた。チョウの個体により色の濃淡ものもあるし、撮影した時の光条件でも印象はかなり変わる。
8月30日の散歩では、ムラサキシジミの産卵を見た。散歩道の途中で、年に数回は目にする光景だ。
たいがいの図鑑では、「アラカシで繁殖」、「アラカシを好み…」といった記載がされているが、僕が散歩道上で確認したのは、すべてシラカシ。ここら辺には、シラカシが圧倒的に多いのも事実だが、以前、ムラサキシジミの繁殖状況を調べてみようと思い、アラカシ見て回ったことがあるが、結局、卵や幼虫は発見できなかった。結論を出すには時期尚早だが、この地域においては、ムラサキシジミの繁殖はシラカシでなされているように思われる。
ムラサキシジミの産卵 2012-07-04 世田谷
ムラサキシジミ シラカシの葉裏の卵(左:中央の白い点)とそのアップ 2012-07-04 世田谷
ムラサキシジミが産卵したシラカシ(実生)2012-07-04 世田谷
昆虫少年だった僕の幼小期の記憶に、この2種のチョウはない。
東京近郊でムラサキシジミを始めて見たのは1980年のことだ。その後、多摩丘陵では、何度も見ていたが、世田谷区内で見たのは、1990年以降のことだ。
僕の関心が低かったこともあるだろうが、様々な資料を見ても、都市部での記録は、1990年代から増えていると見られる。
ムラサキツバメに至っては、昨日のブログに書いた2009年晩秋が初めての観察であった。
ここ10年ほどの温暖傾向が要因の一つにあるのは否定しないが、それ以上に、意識しているいないに関わらず、何らかの形で、人の手によって移動させられたというのも大きな要因だろう。
都市部の緑の多くは、公園など人の手によってつくられ、管理された自然である。そこに棲む多くの生き物は、人の手の加わり具合によって、栄枯盛衰が左右される。ビオトープや生物多様性などの言葉が流行ってはいるが、まだまだ表面的で、多くが、本来の意味からは程遠い状況だ。見た目の美しさだけではなく、こういった生き物たちの視点に立った、計画や管理がなされることが望まれる。
その一翼を担う業務を生業にしている自分に対し、自戒の念も込めて!!
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