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 マテバジイ+人間=ムラサキツバメ  なるほど。里山方程式! 

2013-09-13 | 僕の散歩道
9月13日、いつもの散歩道を行く。
最初のうちは、薄曇りで、ちょっとチョウの出が悪いかと思ったのだが、終わってみれば22種が確認でき、ここ3回、全く同じ種数になった――構成種はそれぞれ数種ずつ変わっている。

さて、この結果は、後にまとめて報告することとして、最近気になって仕方がないマテバジイの孫生え(ヒコバエ)に立ち寄ってみる。ずっと見てきた幼虫が、そろそろ蛹になる頃のはずだ。覗きこんでみると、思った通り終令幼虫になっていて、ここ数日で蛹になりそうだ。写真を撮ろうとすると、別の孫生えで、何かがチラチラ動いた。はっとして、すぐに回り込むと…。
ついに見つけた。まさに産卵に来ていると思われるムラサキツバメだ。それも2頭いる。飛び出す瞬間に見える翅の内側(表)は、やや暗い林のもとで幼絶な紫色を湛えていた。これだけ卵があるのだから、見られないはずはないと思っていただ、ついにその姿をとらえた。残念ながら、持ち歩いているコンパクトデジタルカメラでは、この妖艶な紫色をとらえることはできなかった。

 
ムラサキツバメ アリがたかる幼虫(左)と産卵に来た成虫 2013-09-13 世田谷

ムラサキツバメは、終令幼虫になると、葉っぱなどに貼りつくように蛹になるらしい。直接観察したことはないのだが、多くは地面に降りマテバジイの落ち葉で蛹化すると聞く。

夕方、一仕事終わらせ、幼虫を採集に行ってみた。おそらく、もうほとんど餌も食べず、蛹になると思う。なんとか蛹と、羽化が見てみたい。

予定通り、終令幼虫を2頭枝ごと採集し、地面に落ちている、落ち葉も何枚か持ち帰る。帰り道で、ふと「まだ餌を食べるかもしれない」と思った。採集した枝には、もう葉っぱは付いていないかった。ふとみると、目の前に最近切られたと思われるマテバジイの切り株があり、うまい具合に萌芽が出ていた。これは好都合と、若い葉が付いた枝を一枝持ち帰った。

早速、小さな水槽に落ち葉を敷き、取ってきた枝の切り口をティッシュで包み、水を含ませてラップで覆い設置した。


ムラサキツバメ飼育セット あとは蛹になるのを待つだけ 2013-09-13 自宅(世田谷)

明日、明後日は、朝から出っぱなしだ。おそらくその間によ羽化するだろうと…。
「あっ・・・。」
大変なことになった。
餌用にと思い採ってきた枝に卵が付いているのだ。しかも3卵。まいったなと手に取ると、さらに1卵。そしてまた…。結局7卵も付いていたのだ。採ってきた以上、これらの面倒も見なければならない…。上さんに言うと「ほんとに、もう、やめてよね」

  水槽の中のムラサキシジミ幼虫(左)と新たに見つかった卵(3卵) 2013-09-13 自宅(世田谷)

上さんから逃れて、風呂に入った。そこで考える、「あんなに日当たりのよい場所の切株から出た萌芽に、こんなにたくさん産卵しているのか…。」

ひらめいた、以前仕事で房総南部の山中に行った時のことだ。そこには、マテバジイの薪炭林があった。薪炭林とは、まきや炭にするための林で、10~20年くらいで切り倒され、切株から出た萌芽で林を再生しているものだ。多摩丘陵などでは、クヌギやコナラの落葉樹だが、さすが房総、常緑のマテバジイを薪炭林にしているのかと思ったものだ。

ムラサキツバメは、関東では、房総や三浦半島の海岸側に多い。つまり、このマテバジイの薪炭林、それも萌芽再生途上の林が大発生地なのだろうと。これこそが、ムラサキツバメとマデバジイの素敵な関係なのだろう。ただし、そこには、薪炭林として利用する人間の行為が加わり、それがムラsキツバメの繁栄を左右しているということなのだろう。まさに里山だ!
おおっ。自ら納得。シャワーの水を浴びながら、心身ともにスッキリした!



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