花郎徒の庵 

目指せ楽隠居! 大長今ファン&歴史フリークの隠者・花郎徒による よろずつれづれ日記です。(*>∀・*) 

完全版第16話「真心」

2007-05-05 13:40:45 | チャングム(大長今)
 「私、味覚も戻ったし精一杯ママニムのために頑張ったのにこの裁定は…なんでやねん!?( ̄∇ ̄|||)」
と心の中で言ったかどうかはわかりませんが、チャングムは太后の裁定が納得いかないようです。ハン尚宮は既にその予想がついており、太后に指摘される以前に負けを認めています。

 ようやく満足いく結果となり、チェ尚宮は一族の秘伝を駆使した(と思って)クミョンを激賞します。しかし、皮肉にもクミョンはソルロンタン作りに牛乳を使用せず、それでも勝った事をチェ尚宮は驚きながらさらに褒め讃え、ハン尚宮サイドを貶します。( ̄▽ ̄)v
 
 その牛乳使用はチャングムの方でした。煮込み時間軽減のためにコクを出す目的で牛乳を使用したのがまったくの裏目に出てしまい、ある意味でその点での小賢しさから味の差を指摘されたといえます。
 競い合いですから勝負にこだわるのも自然の流れですが、ハン尚宮が危惧していた通り、チャングムは味覚復活に調子に乗ってしまい、創意工夫を手柄のように前に出し、必要以上に勝ちを意識し「料理人としての心」を一端うっちゃってしまったのでしょう。
 ママニムの怒りにただただ戸惑い嘆くばかりのチャングム。周囲のとりなしを一蹴し、ハン尚宮はチャングムを追い出します。

 この局面でのハン尚宮はとても厳格でいつにも増して融通が利きません。しかし、それはチャングムの料理人としての将来を思えばこその決断であって、決して見捨てているわけではありません。それが証拠に「これ以上失望させないで!」とは
逆に「失望を感じさせるようなお前の姿を私は見たくない」「上辺の反省だけでなく元の心を持った内人として戻って欲しい」という意味に取れます。
 単なる罰としてではなく、菜園でも味覚喪失でも乗り越えられたチャングムならいつかは克服できると信じる気持ちで、あえて雲巖寺へ送り出すことにしたのだと私は思います。

 チャングム出発後、お馴染みスラッカン三人娘(ヨンセン・ヨンノ・チャンイ)がハン尚宮サイドの補助内人に志願します。あまり役に立たないようなミン尚宮ママニムのアドバイスを受け、3人は果敢にハン尚宮の課題にトライする事に。

ヨンノ…水の解釈がかなりぶっ飛んでます。でもコロコロ変わる表情がいいですね。 
チャンイ…ホンイを動員して手抜きはダメでしょ! 可愛いから許しますけど… 
ヨンセン…意気込みは凄くいいけど能力には限界か? 助けを乞われたミン尚宮ママニムのビミョーな態度も笑えます。
 結局いずれも対応しきれずダメ出しを受け、さらにクミョンからチャングムがいずれも過去にそれらをクリアーしてきた事実を聞き、驚くと共に断念します。
 ここでの3人3様のお茶目さがそれぞれのファンには堪らないことでしょう! 
なお、手前味噌ですが、このシーンを超脚色した二次小説を書いておりますのでよろしかったらご覧下さい。

☆ハン尚宮杯争奪・スラッカン3人娘奮闘記
http://www.keymi.or.tv/cinema-street/kaigaidrama/changm/toko_bbs0/patio.cgi?mode=view&no=17

 またチャングムとの修業の日々を振り返り、これまでの絆を思えば「すぐにでも許してやりたいがそれができない」ハン尚宮の姿も印象的ですね。
 
 王后の乳母であった保母尚宮はすっかり病で衰えた身を寺院(雲巖寺・ウナムサ)で横たえていました。
ちなみにこの時点で王后は、中宗王にとって二番目の章敬王后(←印象薄いですね)から文定王后に替わっているようです。そうでないと後の話が繋がらなくなりますので…

 チャングムが寺に到着すると、そこには見知った顔が2人ほどいました。トックおじさんとチョンホです。彼らは前回途中で描かれたとおり、医務官チョン・ユンス込みで表向きは保母尚宮のお世話として派遣されており、チョンホに限っては内禁衛の不正調査官として「成均館の学田での人参収獲量と収入調査」の密命も帯びており、チャングムの姿を見かけながらも多忙さゆえに中々声を掛けられません。

※成均館…儒学教育を管轄し、文官を養成する専門機関(官立大学)。元々学術専科であるために特別な予算が振り分けられている。学田はその予算計上のために与えられている直接収入地で、水田だけではなく人参畑もそれに含まれる。

 失意のチャングムを慰めるべく、トックおじさんもチョンホも奔走します。海を見たチャングムは子供のように大はしゃぎ、水と戯れているとそこへすまし顔のチョンホが… チャングムにしては珍しい乙女の恥じらいシーンです。
 その後、気持ちに余裕ができたチャングムは自分の身の上をチョンホに語り、チョンホもまたそれに応えようとじっくり語り合います。
トックおじさんもチョンホも、それぞれ掛ける愛情の度合と意味に差はありますが、それだけ彼女を大事に思っている証だと言えますね。

 そうした中、薬用人参にまつわる不正調査をしていたチョンホは、チェ・パンスル商会が企てている不正事実をつかみます。しかし、その隠密活動を察したチェ・パンスルの息のかかった無頼漢たちが彼を襲撃し、成り行きでチャングムもろとも始末しようとします。|▽ ̄) ふっふっふ…
 でも、さすがに文武両道に秀でたチョンホ、見事な剣術と体術を駆使して凶刃を避け、さらに寺男
(原文では「処士(※雑用をする在家信者)」)の協力もあって賊を撃退します。倭寇の密偵らとの格闘シーン以来の活劇でしたが、ここでナウリファンは拍手喝采で惚れ直しするんでしょうね~

 さて、寺での生活も佳境となり、余命幾許もないと感じた保母尚宮は「末期の水」ならぬ「末期の糒(乾し米・オルゲサル)」を求めます。
寺男が出した素朴な料理の味に心を打たれたチャングムは、保母尚宮の願いをかなえてやろうと必死で米の謎に挑み、ある米を探し出します。が、尚宮の求めたものに若干及ばず、保母尚宮はその後に寺男が差し出した米を喜んで食べます。
 これにはチャングムは驚き、しつこいくらいに寺男へ「料理の秘訣」を尋ねます。このシーンで通りかかったチョンホの笑顔はきっと「あっ、ソ内人だ。いつものひたむきな人柄に戻ったみたいだな、よかったよかった…」といった感じに見えました。

 謎は、ソルロンタン作りで彼女に一番欠けていた要素「手間隙と真心」でした。
何も高級な素材で調理するばかりが美味しい料理になるのではなく、ごく身近な食材であっても工夫と下拵えで十分に美味しい物が作り出せるという
当たり前すぎて逆に見落としてしまいがちな事」でした。それに彼女はようやく気付き、遂にそれを会得することができました。
 チャングムは一度失敗してもそれを取り返すどころか、それ以上の何かを必ず掴み取ってカムバックできる特殊能力の持ち主であると言えますね。 
 
 そして、喜びを語り合うチャングムとチョンホに背後に、チョンホ目当てではるばるやって来た
『ミスバッドタイミング』ことクミョンの恨めしそうな姿が… めっちゃ怖いッス!(; ̄◇ ̄)

 次回は、「演歌のような女 チェ・グミョン」と「証拠隠滅の為なら何でもあり?」でお送りします。それでは、御機嫌よう~!(*^ー^)ノ

追記:私だけかもしれませんが、雲巖寺の寺男の人の顔をじっくり見ていると、髭を蓄えた上田晋也氏に見えてくるんですけど…


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
前半で一番好きなシーン (ハンちゃん)
2007-05-05 21:25:21
>それが証拠に「これ以上失望させないで!」
>とは逆に「失望を感じさせるようなお前の姿を私は見たくない」
>「上辺の反省だけでなく元の心を持った内人として戻って欲しい」
>という意味に取れます。
おおっ!なるほど!
…って、そういえば私もそう感じたんでした

>チャングム出発後、お馴染みスラッカン三人娘(ヨンセン・ヨンノ・チャンイ)が
>ハン尚宮サイドの補助内人に志願します。
私は、前半の中で一番面白くて好きなのが、このシーンです(笑)
3人が志願して、困る様がなんだか笑えてしまうんですよね。
しかもなかなかお茶目だし。
このシーンで真剣に感じたことは、初めて見た時、
ヨンノが志願した所でハン尚宮が一応答えたじゃないですか。
そこで「えっ」と思いました。
「まさかチャングムじゃなくてもよかったの?」と。
しかし、その先を見て納得。
難題を出されて諦める人では下につけられないわけだ…(笑)
う~ん…すごいなぁ。
ハン尚宮もチャングムも
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ショックッ! (じゅん)
2007-05-05 22:25:44
第16話見逃したっ!録画し損ねたっ!ショックッ!
クミョンのカットシーン見逃したのがつらいです。しょぼん。
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格闘シーンすてき (雪の華)
2007-05-05 23:28:12
花郎徒さん

こんばんは。そしてありがとうございます。
>ナウリファンは拍手喝采で惚れ直しするんでしょうね~(これを入れて頂いて)
のお言葉通りもうウットリ。
この16話とても好きです。海で戯れるシルエットは
脳裏に焼き付いてしまいました。
それにしても、厳しいハン尚宮です
でもその厳しさに、応えられると信じるからからこそ
自分で答えを見つけられるように諭したんですね。
料理の基本真心、豪華な食材で無くても真心で家族の笑顔が見られるように心がけたいと思います。
返信する
ナウリの見せ場に… (花郎徒)
2007-05-06 13:25:50
今回もまたナウリファンはメロメロの展開でしたね。
武芸の腕が立つだけでなく、人の痛みや悩みを理解できる広い心の持ち主である点もまた彼の魅力でしょうね。

ハン尚宮ママニムはチャングムだけでなく、自分自身にも厳しい人間だと思います。しかし、一方的な厳しさではなく、それ以上の愛情をもって戒めや諭しを与えていますから、慕われますし憧憬の対象でありえるのだと思います。

上司・教師・子を持つ親、いろいろな立場の方が是非範にして欲しい方ですね。
返信する
昨年の秋・・ (アンE)
2007-05-06 16:54:34
先輩

第16話 あんまりハラハラ場面はないし、季節も綺麗。更に人物それぞれがとっても魅力的です
は~ぁ ちゃんと見れて幸せ
ヘコんでるチャングムも可愛い(めったにない?)
心配してる周りのおじさん、チョンホ様の様子も・・ハン尚宮ママニムも素敵! それにしても・・・
チョンホ様 なんてカッコいいんでしょ
えーと 先輩も素敵ですよぉ~キラキラで眩しいくらいです。今日アンEは超甘ですから

「ハン尚宮杯争奪・スラッカン3人娘奮闘記」
読んじゃったよー
ものすご~く面白かった
アンEはドラマより花郎徒作家のお話の方が絶対いいと思います。3人共笑った~

クミョンの行動がやっとつながりました。折角の料理も・・ねー 遅い!つーの

Eにとって 外せない・・前回ぐらいからのドラマの季節
昨年秋の韓国旅行です
本当に思い出しますぅ~ 全く同じ紅葉でした。 良かったぁ
何度も言ってるけど・・先輩の旅行記が読めて感謝!

先輩 アンEは今から デパートに母と出かけます うふっ
全国からのお取り寄せ美味しい物イベントー
「どーダ!」
返信する
どーもどーも^^ (花郎徒)
2007-05-07 19:55:02
>ヘコんでるチャングムも可愛い(めったにない?)
 滅多にないからこそイケて見えるんですよ~
ほんとチャングム(というかヨンエさんかな?)はどんな時も惚れ惚れします。
ナウリがいなかったら私が代わりに慰めてあげたいです。

>「ハン尚宮杯争奪・スラッカン3人娘奮闘記」
 お目汚しじゃなかったみたいでよかったです。ε-( ̄、 ̄A)
これを書いた頃はめっちゃ燃えて書きまくってましたからね~ほんとまるで天からアイディアが降ってくるように湧き出てました。

>全国からのお取り寄せ美味しい物イベント
 いいですね~ 私にも何かおすそわけヨロシク~!
返信する
ふ~んダ(。。#) (アンE)
2007-05-08 17:46:11
先輩 お帰りなサイダー

いいなぁ チャングム
ナウリがいなくても・・・花郎徒ナウリが慰めてくれるんだ
 まーねチャングムだからね~

アンEが もし木陰で 靴の先っぽ見つめながら・・涙ぽろっ としてたら
チョンホ様「おや アンEさんどうしたんです?お腹がすいたのですか?」
E「違いますよ~」
先輩「特製キムパプ 作ったのに・・チャンイに全部あげようかなぁ
E「ダメダメ先輩待って下さーい アンEも食べるぅ」

てな 結末でしょうねぇー

がっくり しょんぼり
プチ グレちゃうから
返信する
ご心配なく! (花郎徒)
2007-05-08 20:50:58
アンEさん、いつもお出迎えありがとうございマウンテンバイク!

>アンEが もし木陰で 靴の先っぽ見つめながら・・涙ぽろっ としてたら

慰めてさしあげないわけないじゃないですか(※チョンホ調で)
むしろチャングムと同じで普段から明るくポジティブなアンEさんがヘコんだ姿だったりすると、見てて気の毒なりますよきっと。
庵にお越しになる他のみなさんも一緒になって「頑張れ~」とか「どしたの?」って励ましてくれますよ。

>がっくり しょんぼり
プチ グレちゃうから

ほらほらグレないで…
お詫びの印にきのこ&たけのこ、それに茄子や栗もどっさりお持ちしましたよ~ た~んと召し上がれ~!
(ってか、みんな自分が苦手なモノばっかだったり?) 
返信する
チョンホさま~~!! (K子)
2007-05-11 02:42:47
第16話は特に好きな回の一つです。海でチョンホとチャングムが戯れたり、チャングムがチョンホに胸のうちを少し打ち明けたり。二人の距離がぐっと近くなった回でしたね。特にチョンホさまの、チャングムを見つめる表情が素敵 私もあんなふうに見つめられてみたいなあ、なんて思ってしまいます。本当にメロメロです。それに背景がいいですね。寺の境内でしょうが、いい雰囲気です。いつもこんな風に穏やかだといいのですが、宮中は色々な権謀術策の渦巻く所。つかの間の安らぎで、二人はいい関係になっていきます。はらはらしないで二人の恋物語をいつまでも眺めていたいものです。

少し疑問を感じたのですが、病気の尚宮を治療するのは何故、医女ではないのでしょうか?あの医者はチョン・ユンスですよね?この時点では民間の医者だったというわけではないですよね?物語の展開には関係のないことですが気になったもので…。

遅ればせながら、17話に関する話題が出る前に16話についてコメントできてよかったです。花郎徒さん、いつも楽しみにしています。これからも楽しい話題をたくさん載せてくださいね。
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幸せおすそ分けドラマ? (花郎徒)
2007-05-11 19:42:02
K子さん、こんばんは!
ダラダラと長いだけで内容が詰まってないレビューログなのに、お越しくださって嬉しく思います。

大長今の全編を通してこの16話はかなり多くの皆さんの心に残る回のようですね。私もベスト10には入れてました。
明らかにチャングムもナウリを意識し始めた回だと思えますし…

>病気の尚宮を治療するのは何故、医女ではないのでしょうか?
>この時点では民間の医者だったというわけではないですよね?

 本来は女性の患者を医師が診療するのをタブー視した時代ですが、医女制度の導入が契機になり、男性医師が必要に応じて女性を診ることも可能になったようです。さらに言えば、この尚宮は宮中に居るわけではないので堂々と民間医に診てもらう事も可能ですし、王后の特に大事な人間と位置づけられていることからわかるように、特例で内医院から医師が派遣されたのです。ユンスが前の回で「何で尚宮なんかを治療しにいかなきゃいけないんだ…」とボヤいていたのは、彼が医術に関して古い考えの持ち主で、女性患者は医女や民間医が診ればいいと偏見を持ってみていた証しともいえますね。
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