花郎徒の庵 

目指せ楽隠居! 大長今ファン&歴史フリークの隠者・花郎徒による よろずつれづれ日記です。(*>∀・*) 

THE STAR

2008-09-11 19:32:06 | 本・書籍関連
 度々本ログでは過去現在問わず私が読んだ漫画をいくつか紹介してきたわけですが、今回は学生時代に古本屋で見つけて読み面白かった『THE STAR』をご紹介したいと思います。

 かつて週刊少年マガジンに連載されていた作品でその作者は島崎譲。その名前の感じだと男性ですが実は女性です。

"一人の高校生がある俳優オーディションに応募、演技経験がまったくないはずの彼はその秘められた天性の演技力を開花させ、様々なタイプのライバルたちと闘い数々のアクシデントを乗り越え、それらから常に何かを学び一歩一歩着実に真の演技者としてのステップを上ってゆく"
というのが大まかなストーリーで、識者に言わせると男性版「ガラスの仮面」的作品との事。
 作者が女性であることもあり、少年誌連載の作品の割にかなり繊細華麗な劇画調の画風であり、少女漫画の世界観をそっくりそのまま持ってきた感じがするので前述の評も言い得て妙だと思います。

 しかし、全体的に男性でも十分に楽しめるストーリーでもありますし、何よりごく初期を除いては連載当時(80年代後半~90年代初頭)に国内外で活躍していた(※いまだ現役の人も多いです)実在スターを明らかにモデルにしているキャラクターが何人も登場、特に男性キャラはことごとく主人公に絡み大概は演技のライバルとして対立、やがて主人公の才能を目の当たりにして次第にその人物を認めてゆくという流れが多く、往年の日本ドラマのような半ばベタなストーリーに懐かしさを覚える方もいるかもしれませんね。

 ちなみに作中に出てきたキャラの有名人モデルの例としては…
主人公の恋人キャラが中森明菜っぽい女性だったり、初期の主人公のライバルが東山紀之に激似だったり、他には館ひろし・田原俊彦・中山美穂・松田優作・郷ひろみ・光GENJIなどが、海外からはジャッキー・チェン、ジョン・ローン、アーノルド・シュワツェネッガー、トム・クルーズ、エディ・マーフィーやチャーリー・シーンなど、さらに重鎮クラスでは高倉健・勝新太郎・黒澤明・渡哲也・深作欣二など各氏をモデルとしたキャラクターがいずれもビミョーに名前をアレンジした形で登場します。(風貌はだいたい本物を踏襲していますが…)

 今でこそ日本の俳優陣が世界的に映画などで認められ活躍の舞台を世界に広げていますが、たとえそれがフィクションの世界ながら一人の俳優が類稀な演技力とスター性で国内を席巻し、やがて世界を股にかける名優、まさに「THE STAR」になるという物語は、後年の日本人俳優の活躍を予見していたようにも思えてなりません。

 なお、主人公の名前は長瀬優也と言います。後に某グループの一人である似たような名前の方が現実に出てきた時、正直驚いた庵主でした。
 あと、ややネタバレで恐縮ですが、作品のラストにおいて主人公は演技者としての地位や名誉を捨ててまでもあるとんでもないことをやらかします。それが現実世界ではどんな名優であっても誰も真似できやしないであろうことを…
 
 作者の島崎氏は他にも架空世界を舞台にした戦国物幕末物の作品も書かれています。本作ともども読んでみたいと思った方は、たぶんコミックが充実している古書店を探すと比較的どこでも見つかると思うので頑張ってみて下さいませ。


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2 コメント

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面白いマンガと言えば (悠菜)
2008-09-12 09:52:14
大兄、おはようございま~す

 以前は失礼いたしました。いやはや、コピー機でこれほどまでに悩むことは今までなかったものですから。お恥ずかしい限りです

 今回はコミックですか。
 実は私、今ひそかにはまっているコミックがあります。その名も
「主将地院家若美」(名前を下から読んではいけない)

 まあ、これを読む際にあたっては色々と葛藤と紹介した私の人格が疑われるかと思いますが、なかなか面白いです。
 問題は・・アレなんですけどね・・

 それにしても島崎さん、まだ絵が若い!一見すると
「燃え上がれ!おれのコスモスよ!」
の某格闘コミックの絵にも似ていますなぁ
 確か・・某商業コミックで三国志物も描かれていらっしゃいますよね。三国志マガジンでも
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無事で何よりでした (花郎徒)
2008-09-12 21:02:25
悠菜さん、こんばんは!
コピー機の件どうやら無事解決できてよかったですね。物事にあせってる時とか慣れない時は普段と違ってパニクるものですが、心を落ち着かせればけっこう「なぁ~んだ」って思えることも多々あります。
 なので前向きに頑張りましょう。

>(名前を下から読んではいけない)
 えっ、さそり座の女?

>「燃え上がれ!おれのコスモスよ!」
の某格闘コミックの絵にも似ていますなぁ
 聖○士星○ですね? おっしゃるように島崎さんはたしか関公が主人公の作品も書いてましたね。

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