益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

ネイチャートレイリング

2008年08月17日 | 森林教室
 8/4(月)~8/5(火)の2日間、
 江津市にある県立少年自然の家で、
 第19回島根県緑の少年団活動発表大会及び交流集会が
 開催されました。

 主催は、島根県緑の少年団連盟、
 (社)島根県緑化推進委員会並びに島根県です。

 県内から14の緑の少年団が参加し、
 うち益田管内からは、
 真砂中学校さくら少年団、道川小学校緑の少年団の
 2団が参加しました。

 活動発表大会では、
 波佐小学校緑の少年団と出雲第三中学校緑の少年団が、
 それぞれ発表を行いました。

 審査の結果、
 波佐小学校緑の少年団が最優秀賞に選ばれました。
 おめでとうございました。
 

 さて、期間中、様々な活動が行われましたが、
“ネイチャートレイリング”という面白いプログラムが、
 行われましたので、御紹介します(写真1)。


 写真1 ネイチャートレイリングの様子
(子どもの一人が、木の上に設置された設問を読み上げ、
 班員全員で答えを考えているところです)
      
 ネイチャートレイリングという言葉、
 今まで聞いたことがありませんでしたが、
 ネイチャー・トレイルとは、“自然・路”ということで、
 自然散策路即ち“自然観察のための遊歩道”という意味だそうです。

 ネイチャートレイリングとは、
 ネイチャートレイルを利用して行い、
 あらかじめ設けられた観察ポイントにて、
 自然からの問いかけに答えながら、
 ゴールを目指すという
 自然観賞プログラムのことだそうです。

 林業課のS調整監の指導のもと、
 このネイチャートレイリングの事前の準備等について、
 我々、林業普及員で行い、手法を学びました(写真2)。


 写真2 ネイチャートレイリングのルールについて説明するS調整監
(右下の机上にあるのが標識テープ)

 
 ネイチャートレイリングの概要については、
 次のとおりです。

■準備する物
 標識テープ(黄・ピンク・緑)、問題を標示するボード、
 その他必要な物

 3色の標識テープを用意します。
 黄色は、 “そのまま進め”
 ピンクは、“分かれ道”
 緑色は、 “設問(観察ポイント)あり”を
 それぞれ意味します。

 色の種類は、基本的に何でも良いと思いますが、
 山の中では、ピンクが一番目立ち、
 黄色は、やや目立つ程度で、
 緑色は、風景に溶け込んで分かりにくい
 という性質を意識していると思いますので、
 でたらめな色で良い訳ではないと思います。

 例えば、山の中に茶線のように路があり、
 青の波線のようにコースを歩かせたい場合、
 次の図のように、黄色テープとピンクテープを配置します(図1)。

 図1 黄色テープとピンクテープの配置例

 
 テープは、枝先等に結びつけますが、
 テープの間隔をあまり近付けずに、
 テープの長さも20cm程度にするのがポイントです。
 
 テープから次のテープが見えたり、
 テープが目立ちすぎると面白くありません。

 ピンクテープのあるところは、分かれ道ですから、
 班員が手分けして、正しい道を探すことになります。
 自然と班員同士が協力するようになるわけです。

 道を外れて歩かせることも可能で、
 コース取りの自由度の高さも優れた特徴です。

 
 ネイチャートレイルの途中には、
 その場にあるものにちなんだ設問を設置します。
 設問を設置した箇所には緑テープで目印します(図2)


 図2 問題の配置例


 設問は、ナンバーを書いたボードを針金等で設置し、
 その裏に貼り付けます。
 ボードをめくると設問が見えるというわけです。

 木の上に設置したり、
 足下に設置したり、目線を変えてやると、
 設問を探す楽しみも増えます。


 設問の正答数で、採点するほか、
 コースタイムを競わせたり、
 決められたタイムに近いチームに得点を与えたりすると、
 ゲームとしても面白くなります。

 学校の先生方や、
 森林環境教育に取り組んでいらっしゃる方、
 機会があれば、ネイチャートレイリングをやってみて下さい。
 

 投稿者 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及グループ 
     主任林業普及員 大場寛文

 ~清流高津川、山の緑に映える柿色の瓦屋根の町並み~ 
  なつかしの国石見(いわみ)


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