益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

ワイヤーロープの根株止め

2006年08月17日 | 機械と安全
 8月8日付け投稿記事でワイヤーロープの根株止め方法が分からなかったAgさん、こっそり勉強されましたでしょうか。
  http://blog.goo.ne.jp/f-masuda_001/e/12484c5f5f44b8b0272117f039adc456
 今回は、一般の皆様向けに回答します。

     


 集材架線による木材の搬出は、現場の地形や集材距離・区域などにより集材方法は異なってきますが、通常、山の尾根と谷部の道路付近の二カ所に支柱(高い樹木を利用することもあります。)を立て、その間にワイヤーロープを張り、吊り下げて搬出します。

 その支柱には、ワイヤーロープ自体の重さとそれを張り上げる力及び、吊り下げた木材の重さなど非常に大きな力がかかってくるので、倒れないように引っ張り、支えるために補強する必要があります。

 その補強するワイヤーロープが控索であり、1本の支柱に対して、控索は2本以上必要です。
 また、控索の端は根株もしくは立木へ巻き付け固定しますが、その固定にはクリップと呼ばれるワイヤーロープを束ねる結束金具が使用されます。

 さて、今回の控索の写真を見て、手直しすべき事項がどの程度発見されましたでしょうか?
 よく目に付くところを2つ挙げてみます。

①根株への巻き付け回数
 通常ワイヤーロープを根株に固定する場合は、2回以上根株に巻き付けます。
 写真では根株に1回も巻いてありませんので、巻き付け回数不足で非常に危険です。

②クリップの取り付け位置
 控索の根株への固定に使用されるクリップの取り付け始めの位置は、根株又は立木直径の1.5倍以上のところから始めます。
 クリップが根株に近すぎる場合、クリップを広げようとする力が加わり、結束金具の結束効果が弱まります。
写真から見ると、最初のクリップはもう少し、根株から離す必要があります。

 また、クリップは、ワイヤーロープの直径により使用個数やサイズが違いますので、控索として適切な強度を持ったワイヤーロープを選択するとともに、それにあったクリップを準備する必要があります。
写真ではワイヤーロープ径9mm程度でありましたので、クリップ個数は4個必要となります。(現地に行ってない皆様にはワイヤーロープ径が分からないかもしれませんね。)



 この他にも手直しすべきところ、悪いところがあると思います。危険予知訓練として、捜してみてください。


* 参考テキスト
「林業架線作業主任者テキスト」「集材機運転者安全必携」(林業・木材製造業労働災害防止協会)などを参考としてください。

  林業・木材製造業労働災害防止協会
  http://www.rinsaibou.or.jp/index.html

 もっと詳しく勉強したい知りたい島根県内のAgさんは、S越氏、F原氏に相談してください。さらに奥義を極めたいと思われる方は、重鎮のS山氏の門を叩かれてはと思います。
(イニシャルですが、いずれの方々も県下では有名人ですので、古手のAgさんに聞かれればすぐに分かると思います。)




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県民再生の森事業は引き続き募集しております。

 づくり

http://blog.goo.ne.jp/f-masuda_001/e/2f7081cace2b42c6417417b2d1163391


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