さて、ようやく前回投稿のインプラント症例の上部構造ブリッジができあがりました。
今回のコンセプトは、陶材の築盛量を抑えて強度の高い上部構造を作る事とし、併せて高い審美性を目指すという欲張りなものでした。
構成は9割程度がジルコニアで、表面の一層だけが陶材です。
シンタリング直後の画像です。デンチン+デンティノ・インサイザル程度の大きさでフレームを仕上げました。
この位の大きさですから、陶材の築盛量の少なさがお分かり頂けると思います。
少ない陶材築盛量での豊かな色調表現を目指して、一生懸命ジルコニアを染色しました(笑)。
焼結後でないと染色の結果がわからないため色調が薄くなっている部分もありますが、完成後のイメージに近い色調がこの時点でほぼ得られています。
また、ご覧の通り最近よく専門誌で見かけるような陶材の破折防止のためのグルーブは彫っていません。
陶材の築盛量を抑えることでフレームでしっかり受圧でき、陶材の破折を防止できると考えているからです。
これなら将来的に破折が起こったとしても限局的なもので済みますから、修理も容易です。また、製作工程もシンプルでコスト的にも有利です。
作製法には色々バリエーションがありますが、私はなるべくフレームを大きめに作り、強度を確保するように心がけています。フレームを大きくする分、本来陶材で表現すべき色調表現をフレームにも負担してもらう、という考え方です。
口腔内仮着後の画像です。まだ仮封材が少し付着してます。
Y先生、この度は誠に有難うございました。
この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
EVANSPRO Dental Laboratory