再掲・ブレードティース2

2009-02-26 01:10:51 | 義歯
同デンチャーの対合です。
使い込まれて咬合面にゴシックアーチが発現しており、患者さんの咬合経路に完全に同調している様子が観察できます。
この患者さんは咬合圧が相当強い方ですが、使用状況から考えても数年でこの咬合高径の低下ならまずまずの耐久性かな、と納得した記憶があります。




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再掲・ブレードティース1

2009-02-25 22:58:12 | 義歯
以前こちらに貼っていた画像の再掲です。
この症例はとても思い出深い症例です。全てが絵に描いたようにうまくゆき、大変喜んで頂きました。
この義歯は小出式ブレードティースとリンガライズド・オクルージョンで武装されており、「究極」に近い咀嚼効率を実現できた症例と思っています。
この画像の時点で数年間使用されており、咬合の低下を修正しました。
さらに数年経った今も現役の義歯です。




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チタン鋳造

2009-02-25 19:08:39 | チタン関連
チタン鋳造はインゴットが溶けてゆく様が美しく、どこか劇的に見えます。
この後、アームが回転して鋳造が終了します。

最近当ラボでは、チタンの金属床のオーダーの割合が多くなっています。
現在のチタン鋳造は鋳造機や材料が格段に良くなっていますから、適合・物性の品質はもちろん、さらにレーザー溶接機の登場で修理の利便性・強度・仕上がりは昔とは比較にならないほど良くなりました。
金属床の素材が何であろうと口腔内装着の手間はコバルトクロムと何ら変わりませんし、金属アレルギー体質の方への対応がしやすいという大きな魅力がありますから、選択されやすくなっているのでしょう。

金属床の他には、時おり純チタンのフレームでメタルボンドも焼きますし、インプラントの上部構造や一部のカスタムアバットメント、自家製ブレードティースなどにも応用しています。
チタン鋳造は応用範囲が広く、鋳接タイプのアバットメントやアッチメントを除き、貴金属でできる範囲の鋳造物なら概ね可能です。
最近は金属床専用の技術のように見られがちなチタン鋳造ですが、実はこれほど用途が多彩な技術も少ないのです。
その気になれば補綴をチタンで単一金属化することもできるということも残念ながら業界ではすでに忘れられているんですね。

思い起こせば歯科のチタン鋳造の発祥は日本で、そのシステムが発表された当時は最近のものに例えるなら、CAD/CAMのような業界最大のトピックのひとつでした。
どこの義歯ラボもその導入を夢見た先端技工の花形でした。私も当時そう思った一人です。・・・80年代の中頃の話ですけどね。
チタン鋳造機を小型化して小規模な歯科技工所の卓上に持ってくるという発想を実現するには相当な苦労があったはずです。何と言っても世界初なんですからこれはもう「偉業」と言って間違いありません。
その偉業を日本人技工士(故人)が世界で最初に成し得たということに誇りを持って良いと思いますし、忘れちゃ可哀想ですよね。

まぁ、偉大なる先人に思いを致すのもたまには良いかと・・・。





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温故知新

2009-02-21 13:34:34 | 義歯
久しぶりにダウエルレストをやりました。
考えてみると、これも一種のノンクラスプデンチャーですね。

ダウエルレストは私が25年前に初めて触れたアタッチメント義歯です。
考案されてから30年以上にはなるんじゃないかな?
・・・歳を食うはずですわ、私も。

とは言っても、現在の手法と機材で作製しています。
ちょっと画像では分かりにくいのですが、リンガルバーがゴールドとシルバーのコンビカラーになっています。これはレーザー溶接による異種合金間の接合によるもので、コバルト鋳造もミリングも現在の手法で行っていますので、精度もかつてとは桁違いです。時代相応のアップグレードは果たせています。

ダウエルレストも「十分使えるじゃないか!!」と思いました。

欠損補綴においてインプラントをBest of BestとするならミリングデンチャーはSecond-bestと言えます。
局部床義歯としてはベストの機能を持つのがミリングデンチャーだと思います。
昨年も10床ほどのミリングデンチャーを作製しましたが、どれも大変喜ばれているとの事です。
長い時を得ても、アタッチメント義歯はまだまだ生きています。

考えてみると、デンチャーの選択肢はクラウン・ブリッジのそれと比較すると、バリエーションに富んでいます。
金属床一つとってもコバルトクロム・チタン・貴金属があり、床用の樹脂も従来のアクリル樹脂からノンクラスプ用樹脂があり、維持装置もアタッチメント(自家製・既製)、クラスプ各種、そして現在はノンクラスプもあるのですから。

当ラボラトリーはそれほど規模は大きくありませんが、これら全てを自家製作できる体制を整えております。ご用命を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。



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もう一丁、ノンクラスプ用樹脂について

2009-02-18 12:55:41 | 義歯
テストピースを曲げてみました。
手に持っている方がバルプラストで、折り曲げて置いてある方がレイニング樹脂です。
当然といえば当然ですが、バルプラストは軟かいですね。

さすがにここまで曲げると元のまっすぐな状態には戻りませんが、どちらも二つ折りにしても折れません。何度もクネクネと曲げるとさすがにちぎれますが、あくまで「ちぎれる」のであって「折れる」という感じではありません。
このくらい破折に強くないとノンクラスプデンチャーの材質としては使えません。
これまで、ポリカーボネートとナイロン(ポリアミド)がノンクラスプデンチャーの素材の主流を占めてきた理由はここにあると考えます。
先生方も含め、私たちがノンクラスプデンチャーのトラブルで最も恐れるのがウィング(クラスプ相当部分)の破折だからです。
ウィングの破折は術者の設計に起因するということもあるのでしょうが、まず折れにくい樹脂であることが絶対条件です。曲げたくらいで「ポキン」では困りますね。



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また×4 ノンクラスプ

2009-02-17 19:13:06 | 義歯
比較のため術前の画像を貼っておきます。

K先生、今回はこのような機会を与えて頂き誠に有難うございました。
患者様には写真撮影をご快諾くださり衷心より感謝しております。
この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
今後もこれまでと変わらず研鑽を積んで参りたく存じます。



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また×3ノンクラスプ

2009-02-17 18:27:36 | 義歯
レイニング樹脂製ノンクラスプデンチャーです。
透明色のウィングはやはり目立ちません。実際に傍で見ると画像よりも自然に見えます。
どっちもどっちですねぇ・・・。好みの問題でしょうか?

正直なところ、今回の比較では審美性にそれほどの差は感じませんでした。
ただ、透明色のレジンは一歩間違えると黒く見えたり、ウィングがレンズの役割を果たして鉤歯を大きく見せてしまい、かえって不自然に見える場合があります。
ウィングの断面形状、歯肉色の色調や配置などにもう少し配慮すればもっと良かったと思います。
うまくいけばほとんど見えない入れ歯になると思います。

樹脂の性質の違いで同じ症例でも設計は異なります。それぞれの樹脂の特性と症例の組み合わせは事前に話し合うべきでしょうね。
患者さんの主訴によって、口腔内のロケーションによって、またその後の治療の如何によって樹脂は選ばれるべきじゃないかな、という気がします。



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また×2ノンクラスプ

2009-02-17 18:19:20 | 義歯
バルプラストです。
深いところにウィングがあるため歯牙が隠れる部分が少なく、審美性は良好です。着脱もしやすいとのことでした。



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またノンクラスプ

2009-02-17 17:38:27 | 義歯
お得意先様と患者さんの了解を得まして、セットに立ち合って口腔内写真を撮らせて頂きました。
この際、ということでどちらが目立たないかということを比較・検証するため、同一症例に材質と色調が異なる2つのノンクラスプデンチャーを用意しました。
画像左はバルプラストで作製したもので、右はレイニングの透明色・歯肉色のバイカラータイプです。
バルプラストはこの種の樹脂の中ではおそらく最も軟かいタイプ(ナイロン・ポリアミド系)なので、その柔軟性を生かしてアンダーカットはかなり深めに設定しました。
逆にレイニングはカーボネイト系で硬めなので浅いアンダーカットを設定しました。クラスプ部がバルプラストのそれと比較して切端寄りになるためクリアー色を用い歯頸部に歯肉色を配しました。




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