悩みどころです。

2021-09-16 17:11:37 | 技工その他

専務の小笠原です。

先日、社長と近ごろ話題の3Dプリンターを見に行ってきました。画像はその時のサンプルです。

弊社でも近く導入の運びとなりますが、只今ハイエンド機にするか否かで迷っているところです。

考えてみれば歯科技工も変わったな、とつくづく実感します。本来人間の手でやるところがどんどんデジタル技術に置き換わっています。

正直戸惑いも感じますが、攻める姿勢で取り組んで行かないとダメだと社長がよく言ってます。

業界全体を覆う人手不足を補うということもあり、ものすごい勢いで発達している分野なのでなかなか終わりが見えませんね。

戸惑っている暇はないので、これまで通り弊社一同頑張ってゆく所存です。

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お久しぶりです。

2012-11-17 11:57:53 | 技工その他
久しぶりの更新です。
おかげさまで、ここしばらく公私共に忙しくしておりました。
コバルトクロムのPFMにも触れたかったのですが、このところめぼしい画像もないのでそのうち取り上げたいと思います。

さて、今回はお得意先のコーヌス義歯のお仕事を取り上げたいと思います。
ちょっと感動したもので、先生に無理を言ってその場で画像を撮らせて頂きました。







この義歯、当ラボの手によるものではありませんが、相当長く(おそらく20年以上)使われている義歯です。
素晴らしく良好な予後を見て取れます。
先生の手間を惜しまないメンテナンス、良好な患者さんとの関係がうかがい知れるというものです。
この少数歯残存のロケーションで支台歯の歯周に破綻をきたすことなく、これほど長期間維持できているという事に驚きました。
さらに、この歯科医院様ではこういう義歯がザラにあるのが凄い。

コーヌス・クローネはドクターサイドにも作る側にとっても大きなエネルギーを必要とする難しい仕事です。
一次連結がないため、現在の視点からすれば批判されがちな補綴法ですが、こうして長期間使用されているコーヌス義歯を見ると批判する余地など無いように思います。
元来リジッド・サポートとは粘膜面と歯牙を同時に守ることを目的とするもので、理想的に機能すれば長期間良好な状態を維持できるとするK.H.Korber 先生の理論そのままですよね。
作製された技工士さんも良い仕事されてますね。
当時はレーザー溶接なんてない時代ですし、金属床とコーヌス外冠の鑞着なんて相当難しかったと思いますよ。
僕も昔、コーヌスには散々苦労したので、この義歯の値打ちがよく分かるんですよ。

この義歯の値打ち=「100%マンパワーによる成果」ですね、やっぱり。
CAD/CAM時代が到来する前のドイツ式補綴も素晴らしい「文化」だと思うなぁ、僕は。
こういう仕事を見ると、技工業界が凋落してもその「文化」を継承してゆく値打ちがないとはとても思えない。

・・・そんなことを感じました。




EVANSPRO Dental Laboratory
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機械いぢり

2012-06-28 14:08:00 | 技工その他
身内の工作のプロに部品を削り出してもらいました。


で、これを・・・


ウチの古いエアータービンに取り付けます。


要するに、カラーを作製してミリングマシンにエアータービンを取り付けたというだけの事です。
しかし、その道のプロというのは凄いですね~。エアータービンのチャックの軸を見事に読み取って作ってくれています。
こういう特注品は他所で作ると目の玉が飛び出すほどの値段になるので、ホントに感謝感激です。

これで、チタン合金やジルコニアなど難削素材のミリングが格段に楽になります。






EVANSPRO Dental Laboratory
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おもしろい咬合器

2012-06-22 13:13:31 | 技工その他

30年ほど前の半調節性咬合器なんですが、ちょっと変わってて面白いので取り上げてみることにしました。





可変域はプログレッシブ・サイドシフト、イミディエイト・サイドシフト、矢状顆路という構成になっています。
ディナーの咬合器はボックスタイプのもの(Mark2、Gnathomatic、D4など)を使う機会が多いのですが、これはトラックタイプの顆路が特徴的な咬合器です。
普通、あんまり見かけない咬合器ですね。

個人的にトラックタイプはスフィアの上下動を抑えられるので、ボックスタイプに比べるとエキセントリックの調整が確実なため、良いと思っています。
ちなみにディナーのトラックタイプの咬合器はMulticulatorが代表格ですが、これはTrack2という機種です。



面白いのがこの顆頭後方の赤いスクリュー(0-adjust screw)で、これを時計回りに回すとスフィアを前方へ押し出す構造になっています。
模型装着前に両側の顆頭を予め前方へ等量移動しておき、側方プログラム時に作業側のスクリューを緩めると作業側顆頭の後方移動にある程度までは対応できます。
(いちおうターミナル・ヒンジアキシス論の咬合器ですから、完全な調整は難しいと思いますが。)
ちなみにこの咬合器、矢状顆路を90°(真下)にしてスクリューを回せば顆頭部分の高径を任意に変化させることができるので、陶材を咬合面に築盛する際に重宝します(技工士にとっては大きなメリットですよ、これ。)。

なお、イミディエイト・サイドシフトの調整はスフィア側方中央のマイナスねじで調整するようになっています。





EVANSPRO Dental Laboratory
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熱望

2011-01-30 23:29:48 | 技工その他
最近ではすっかり忘れ去られた陶材、Duceragoldなんですが・・・。
私ゃ、個人的には今でもこの陶材が一番好きなんですよね。
一昔前に鋳造用白金加金に焼き付けられるということで、Ducera社(取り扱い:大信貿易)から販売されていました(Deguceramgoldというのもありましたが、こちらはDucera社からDegussa社へのOEMだったそうですが。)。

焼成温度800℃、ハイドロサーマルガラス(熱水処理ガラス)を成分とし、口腔内にセットされると口腔内のOH基がその表面に反応層「スミヤレイヤー層」を形成し表面強度がアップするため割れにくくなる、と当時プレゼンされていたものです。
ちなみに、その「スミヤレイヤー層」は口腔内などOH基のある環境下では削合しても繰り返し表層に発現するものということです。

なぜ今だにお気に入りなのかと言いますと、これほど粘りを感じる陶材はどこを探してもないからです。
色調も良く、エアータービンで小窩裂溝を思い切り深く掘り込んでもチッピングなど決して起こらないし、研摩面も非常に均一でキレイです。
少なくとも私はこれほど緻密に焼き上がる陶材はこれ以外に出会った事がありません。
「これなら口腔内でも割れずに咬耗してくれるのではないか?」、と期待するほどの感触がこの陶材には確かにありました。
ただ、これを焼き付ける専用の鋳造用白金加金が熱ヒステリシスによる変形を起こしやすいという欠点がある上、熱膨張率が非常に高くそれ以外には使い道がない陶材でしたけどね。そりゃあ、使うことも無くなってしまうわけでして・・・。


私は、これがジルコニア用ならどれだけ素晴らしいかといつも思っています。
とかく陶材の強度不足が問題視され、咬合面や隣接面にジルコニアが露出するほどのフレームワークが推奨される昨今ですが、ジルコニアという画期的素材を生かすためにも、陶材の物性面からのアプローチを各メーカーにはぜひ進めてもらいたいと思います。




EVANSPRO Dental Laboratory




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ガラス浸潤アルミナのオールセラミック冠について

2010-01-23 23:15:31 | 技工その他
いやぁ、高いですねぇ。とにかく高い。何がって、貴金属が・・・。
金相場がこんなに長く高止まりしているのはちょっと記憶にないですねぇ。現在の世界経済の動向ではこれも致し方ございません。
というわけで、メタルボンド代わりにコストパフォーマンスと強度に優れたオールセラミックはないの?、とのご要望を受け、ガラス浸潤アルミナをお勧めすることになりました。およそフルベイクのメタルボンド技工料金+プレシャスメタル1.0gと同じ位の料金設定です。
ガラス浸潤アルミナは曲げ強度こそジルコニアには及びませんが、実際には相当なものです(曲げ強度平均535~762MPa、ジルコニアはおよそ1000~1200MPa)。
ガラス浸潤アルミナといえばジルコニア以前はプ○セラとともに双璧を成していた高強度セラミックですから,信頼性はかなり高いですよ。
今回当ラボで始めたものと同種のイ○セ○ム・アルミナは合着5年後の生存率が100%だとか(ホントかなぁ~?)。
これなら1~2歯欠損のブリッジまでこなせますし、基本的に仮着もでき合着時にはセメントを選ばないので、ほぼメタルボンド同様に扱えるのが魅力です。
また、画像の通り歯型への適合はジルコニア(・・・と言うか、CAD/CAMモノ)より良いです。
ガラス浸潤アルミナのオールセラミックは、ジルコニアではオーバークオリティ、という向きにはうってつけではないかと思います。
当ラボではジルコニア以降はアルミナの仕事はほとんど無くなってしまいまして、アルミナ用陶材もせっかく買ったのにお蔵入りしていたのですが、ようやく消費できそう・・・かな?
 今回のように貴金属の相場が高騰した状態が続くと、メタルボンドからオールセラミックへのシフトがさらに加速して行くんだろうなぁ、と思います。
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