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【小室被告第3回公判】1

2009年04月24日 | 気になるニュース?
msn産経より


【小室被告第3回公判】


 《音楽著作権の譲渡を個人投資家の男性に持ちかけて5億円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた音楽プロデューサー、小室哲哉被告(50)の第3回公判が23日午前10時、大阪地裁(杉田宗久裁判長)で始まった》

 《この日は、検察側の論告・求刑と弁護側の最終弁論が行われ、結審する予定。一方、それに先立ち小室被告本人への被告人質問なども実施される。今年1月の初公判では「被害者に多大なご迷惑をかけ、同時に多くの関係者にもご迷惑をかけたことを、心よりおわびします」と謝罪した小室被告。法廷で発言するのは約3カ月ぶりで、被告人質問の行方が注目される》

 《大阪地裁201号法廷。報道機関による法廷内の代表撮影が終わった後の午前10時、小室被告が入廷した。公判も3回目だからだろうか、比較的落ち着いた様子で裁判長に一礼し、過去2回の公判と同様、2人の男性弁護人に挟まれるように着席した》

 《冒頭、右陪席の裁判官が異動したことにより公判手続きを更新するため、裁判長が小室被告に対し、証言台の前に立つように促す。その上で裁判長は、再度、小室被告の意見を確認する》

 裁判長「被告人の言い分はすでに聞いていますが、その後、修正などはありますか」

 小室被告「ございません」

 裁判長「分かりました。元の席に帰ってください」

 裁判長「本日は、基本的に弁護側の立証を開始するということで。では弁護人どうぞ」

 《弁護側は弁2~5号証を証拠として提出。弁2号証は小室被告は被害者の個人投資家の男性に対して送った謝罪文など関連書類。弁3、4号証は古くからの友人や関係者の嘆願書関係。5号証は小室被告が果たした社会貢献などにまつわるものだという》

 弁護人「それから、証拠物として、ファンの方々が減刑を求める署名がありまして、6000人分。その他の手紙などがあります」

 《これら弁護側の証拠について検察側は、2号証に対して捜査報告書を提出する以外は同意。一方、減刑を求めるファンの署名などの証拠物については、「裁判所として存在を確認する程度にとどめていただきたい」とくぎを刺した》

 裁判長「それでは証拠はすべて採用します。順次、朗読、要旨の告知をお願いします」

 弁護人「弁2号証は、謝罪の意を伝えるため、第1回公判の後に謝罪文を作成し…」

 《ここで裁判長は弁護人の要旨の告知を遮り、2号証本文の朗読を求めた》

 弁護人「謝罪文をめぐる経緯ですが、被害者の代理人に謝罪文を送付したことを告げると、「事前に(送付することを)連絡すべきだ」と言われました。そして、代理人から当方に内容証明が送られてきて、内容は『文書を送りつけることについて一言も連絡がなかった』というものです。そこで小室被告に確認すると、あらかじめ(要件を)伝えたうえで送付することを希望しました。そこで代理人に電話をすると、『被害者は立腹しているので、もう終わりにしましょう』と拒否されました」

 裁判長「その作成した謝罪文は、被告人の自筆ですか。それなら被告人に自分で読み上げてもらいましょうか」

 《裁判長の意向により、小室被告本人が謝罪文を朗読することになった。小室被告はそのまま席から立ち上がり、頭を2、3度掻いたあと、謝罪文を読み上げる。静まりかえった法廷に、ややか細い小室被告の声だけが響く》

 小室被告「前略、私が大きな過ちを犯したことで、多大なご迷惑をおかけしたことをおわびします。詐欺事件で大阪拘置所に入っていたときに、さまざまなことを考えました。大きな過ちを犯したと反省し、おわびの気持ちを表そうと思いました。一刻も早く謝罪しようと思いましたが、公判中でしたし、被害弁償することが第一と思って過ごしてきましたので、結果として、おわびがこの時期になってしまいました」

 《謝罪文は、今後の自らの身の振り方などに言及していく》

 小室被告「拘置所にいる間に考え直しました。(事件の)当時は、本来の仕事である音楽活動の創作も減った状況でした。しかし、改めて、私には音楽活動しかないと認識しました。今までの生活を改めるのはもとより、生まれ変わりつもりで過ごし、許されるなら音楽で社会貢献していきたいです。平成21年3月23日、小室哲哉」

 《どういう思いで自らの謝罪文を読み上げたのだろうか。小室被告は表情を特に変えないまま、裁判長に頭を下げ、着席した。続いて被害男性の代理人が送付した内容証明について、弁護側が読み上げる》

 弁護人「文書を送りつけることに一言の連絡もないし、民事訴訟の和解条項についても、お金だけが振り込まれ、札束でほほをたたかれた感じだ。文書には回答しないまま返送します」

 《これに対し、検察側は捜査報告書として、被害男性の代理人から届いた手紙を読み上げる》

 検察官「第1回公判の感想ですが、当方は失望と怒りを覚えた。小室被告の服装もノーネクタイだし、(起訴事実に対する認否も)あいまいな発言だった。本当に反省しているのか」

 《続く弁3号証は、旧知の友人や関係者による嘆願書など。弁護人によると、音楽評論家の湯川れい子さんや音楽会社の社長、小室被告とバンド「TM NETWORK」を組む木根尚登さんらが名を連ねているという》

 《続いて弁護人が、小室哲哉被告の知人や音楽業界関係者が寛大な処分を求めて書いた書面を読みあげていった》

 弁護人「大衆的な商業音楽はその時代に生きる若者のために生み出される。小室氏がその分野で活躍し、時代の寵児(ちょうじ)としてもてはやされたことは周知の通りです。寛大な処分を望みます。日本作詩家協会会長 湯川れい子」

 《旧知の関係者らの言葉に、小室被告は前を見据えたままじっと聞き入っている。続いて日本レコード協会会長の書面が朗読される》

 弁護人「今回の事件は重大な犯罪と言わざるをえない。このような罪を犯した小室被告には猛省を促したい。ただ、小室被告が日本の音楽会に大きな足跡を残したことも事実。これからもわが国の音楽文化の発信に寄与してくれるはずだ」  《さらに朗読は続く》

 弁護人「続いてソニー・ミュージック・エンタテインメントの社長。『人をだましたことは許されないが、音楽における小室氏の才能は社会に貢献できるものと考える』。次は作曲家協会所属の作曲家。『多額の金をだまし取ったことは反省し謝罪してほしい。小室氏にはまだまだ大きな将来性がある。一刻も早く以前の小室哲哉に戻ってほしい』」

 《「詐欺事件で世間を騒がせたことは事実だが、再び才能を開花させることができるよう寛大な処分を」「しっかりと罪をつぐなってほしい」…。関係者の声に耳を傾ける小室被告。しかし、木根尚登さんの言葉が読みあげられると、一瞬うなずくようなしぐさを見せた》

 弁護人「小室哲哉は他人を喜ばせることに喜びを感じる人間。その作品に魅力を感じてきた多くのファンも復帰を待ち望んでいるはずです。寛大な判断をお願いします」

 《その後弁護人が、読み上げた嘆願書などを机上に積み上げた。裁判所職員はデジタルカメラで撮影、裁判官に見せる》

 裁判長「それでは、引き続き被告人質問に入ります。被告人は前へ」

 《証言台の前に進んだ小室被告》

 裁判長「座ってください」

 小室被告「立ったままでいいです」

 《座るよう促された小室被告は、立ったまま質問を受けることを希望した》

 裁判長「尋ねられたことだけでいいので答えてください。大きな声で」

 弁護人「起訴状の認否の際、あなたは『おおむね正しいと思うが聞いてから判断したい』と述べた。その後、実際に聞いてみて、おかしい点はあったか」

 小室被告「ありませんでした」

 弁護人「誤りなどもなかった」

 小室被告「はい、結構です」

 弁護人「被害者に対する現在の気持ちは」

 小室被告「大きな過ちを犯し、大変後悔し反省しています。助けてくれようとした気持ちに背いてしまった。事件から2年半たちますが、被害男性は私とは比較にならないほど苦しい、不愉快な思いをされていると思います。また(公判の間)、安易、稚拙な言動で不愉快な思いをされたと思い、おわび申し上げたい」

 弁護人「犯行に及んだ理由として、収入が激減した後も派手な生活が収まらず借金を重ねたと指摘されたが、間違いないか」

 小室被告「間違いありません」

 弁護人「ヒット曲が出なくなり、前妻への借金、事業の失敗があったということだが」

 小室被告「その通りです」

 弁護士「あなたの最盛期は90年代後半だと思うが、どのくらいの曲をつくっていたのか」

 小室被告「1年間で作詞作曲、編曲を合わせれば100曲ぐらいです」

 弁護人「どのくらいのグループを手掛けたのか」

 小室被告「50組以上です」

 弁護人「一番忙しい時期だった」

 小室被告「最も働いた時期です」

 弁護人「充実していた」

 小室被告「はい、スタジオに入っているのが楽しかった」

 弁護人「音楽活動を始めてから、TMネットワークの時代はどうだったか」

 小室被告「中学の時からプロになるのが夢だった。デビューは25年前で、ファンの皆さんに楽しんでもらえるものをつくるのが目標だった。たくさんの人に認められたいと思っていた」

 弁護人「平成11年ごろからヒット曲が出なくなっているが」

 小室被告「93年~94年ごろから急激に作詞作曲の依頼が増えて、そんな状態が約4年続いた。多少頭が疲れてきたというのもあったが、契約というものがあり、それにはお金がつきまとう。純粋に良い音楽をつくろうという心が失われたような気がします」

 弁護人「楽しめなくなった」

 小室被告「はい、仕事になってきてしまったような気がします」

 弁護人「心境の変化に自分で気が付いていた」

 小室被告「はい」

 弁護人「借金返済のため、お金のための音楽、仕事では成果が現れなくなってきたということか」

 小室被告「仕事としてはできたが、頭の中を音楽でいっぱいにすることができなくなってヒット曲が出なくなり、徐々に収入も苦しくなっていった。悪循環です」

 弁護人「いつか潮目が巡ってくれば売れると思っていた」

 小室被告「幸いTMネットワークやプロデューサーとしての成功があったので、また波が来ると安易に思っていた」

 弁護人「証人に(エイベックス・グループ・ホールディングスの)松浦氏、千葉氏が立った際、『(小室被告は)金ができて傲(ごう)慢(まん)になっていった』と言っていたが」

 小室被告「20年来の知人ですが、目の前でそういうことを聞いたのは初めてでした。その通りだと実感しています」

 弁護人「2人とは距離ができていた」

 小室被告「はい、距離ができていました。通告してくれていたということだと思います」

 弁護士「ソニー・ミュージックエンタテインメントの方も嘆願書を書いていたが、距離はできていた」

 小室被告「はい、慢心、過信していると忠告してくれていたと思います」

 弁護人「音楽のことで、あなたの方から相談したりはしなかったのか」

 小室被告「ここ数年、お金を含んだ音楽の相談は何度もしたが、音楽のみの相談は一度もしませんでした」

 弁護人「マネジメントをしてくれている人がたくさんいたわけだが、音楽のことを分かっている人はいたのか」

 小室被告「スタジオの中にいるスタッフには信頼できる人間がいたが、お金関係のスタッフで、音楽のことを良くしてくれる人はいませんでした」

 弁護人「生活面に意見してくれる人は」

 小室被告「そういう布陣にした私の責任ですが、いませんでした。私の選んだスタッフなので、私の責任です」

 《被告人質問が続く。小室被告は自らの心情を思いだしながら、言葉を継いでいく》

 弁護人「自分の生活の中で純粋に音楽をやれる環境をつくるように、努力をしてこなかったのでしょうか」

 小室被告「何度も何度もそう思いました。しかし、契約とか金のこととか自分の能力を超えてもがいていました」

 弁護人「焦っていたのですか」

 《一瞬絶句する小室被告。裁判長の方をまっすぐ見据えたまま、振り絞るように言葉を出した》

 小室被告「気持ちばかり焦っていて、じっくり音楽に誠心誠意、集中できませんでした」

 弁護人「被害者に弁償しているが、許すと言ってもらっていますか」

 小室被告「許すとは言っていただいておりません」

 弁護人「被害男性に書いたという手紙の中身ですが、偽りのない率直な気持ちですか」

 小室被告「よく考えて、被害男性のことを考えて書いたつもりです」

 弁護人「被害男性に手紙を読んでいただけなかったのは、憤りが強いと思いますが」

 小室被告「被害弁済が第一でした。まずはお金を返さないと、と考えて努力しました。被害男性には謝罪が遅れてしまって、憤りを感じているのは分かります」

 弁護人「被害男性は必ずしもあなたのファンではありませんでした。しかし、あなたから曲を贈ってもらったりしてあなたを信じ、結局裏切られた。その点についてどう思いますか」

 小室被告「曲は『ありがとうございます』という気持ちで贈りました。しかし、被害男性を利用してしまったわけですから、悔しい気持ちは分かります」

 弁護人「お金を弁済するだけでなく謝罪をしたいと思いますか」

 小室被告「もちろんです。どうしたらいいのか考えていますが、とにかく(先に)弁済したいと(思っていました)」

 弁護人「全額弁済したのは間違いないですか」

 小室被告「間違いありません」

 《続いて、小室被告は弁済金額の内訳を説明した。被害男性との間では民事訴訟でも争っていた。和解したが、当時は条項に含まれた和解金が支払われることはなかった。小室被告の口調は淡々としたものだ》

 弁護人「事態を放置したのか」

 小室被告「そうではないです。一度被害男性の自宅におじゃまして、話し合いでお金をお返しすると話しまして、被害男性は快く受け入れてくれました」

 弁護人「謝罪はしましたか」

 小室被告「どうもすみませんでした、と言いました」

 弁護人「弁済はなかなか履行できなかったのでしょうか」

 小室被告「それから精いっぱいお金をつくれるように頑張ったが、結果、つくることができませんでした」

 弁護人「松浦氏に用立ててもらったということでしょうか」

 小室被告「いろいろな方にお願いしたわけですが、松浦さんがお金を貸してくださいました」

 弁護人「お金を借りるときにどんな話をしましたか」

 小室被告「何を怒るというわけではなく、ただ音楽をつくってほしいと。生活態度を改めてほしいと。ありがとうございますという気持ちでいっぱいでした」

 弁護人「事件で勾留(こうりゅう)されていましたが、拘置所の生活はどうでしたか」

 小室被告「私にとって大変厳しいものでした」

 弁護人「音楽が一切ない環境でしたが、20日間という音楽のない環境はありましたか」

 小室被告「小さいころからバイオリンを習い始め、これだけ音楽のない環境は初めてです」

 《弁護人の質問が続く。反省の弁を述べているからだろうか、答える小室被告の声は小さい》

 弁護人「被害者に謝罪するのはもちろんだが」

 小室被告「すごく反省しています。家族や、僕のことを聞いて悲しんだファンには、ご迷惑を掛けてしまいました」

 弁護人「エイベックスに(肩代わりしてもらった)負債は処理していくのですか」

 小室被告「はい。誠心誠意行っていきたいです」

 弁護人「著作権は」

 小室被告「弁護士、出版社と協議を進めています」

 弁護人「生活態度を改める決意はありますか」

 小室被告「改めます。一から出直します。デビュー前のころ、語り合って音楽を作った、音楽に集中していた、あのころに戻って頑張っていきたいです」

 弁護人「千葉氏から『きちんとしたスタッフを』という話がありました。信頼できる人と相談し、誤りのないよう行動していきますか」

 小室被告「知人の意見を聞いて更正したいというか、一から出直し、純粋な音楽家に戻りたいです」

 弁護人「心からですか」

 小室被告「はい。心からです」

 《弁護人による質問が終了。続いて男性検察官が質問に立つ》

 検察官「検察庁で検察官に話した内容に間違いはありませんか」

 小室被告「はい」

 検察官「事件の後の対応についてうかがいたい」

 小室被告「はい」

 検察官「平成19年の初夏に謝罪したとおっしゃった」

 小室被告「はい」

 検察官「5億円の債務不存在の裁判を起こしましたね」

 小室被告「はい」

 検察官「(被害男性が)大分の妻(KEIKOさん)のお母さんに連絡した事実を使って、(被害男性に対して)慰謝料も請求しましたか」

小室被告「はい」

 検察官「どうして民事裁判を起こしたのですか」

 小室被告「申し訳なかったとしか言いようがありません」

 検察官「この裁判が与えた苦痛は大きいと思いますか」

 小室被告「被害者の気持ちになると、私が悪いことだけは間違いない。申し訳ないです」

 検察官「対応が不誠実だったと思いますか」

 小室被告「謝罪をしようと思っておりました」

 検察官「少しこだわりますが、被害者はだまされ、裁判を起こされてショックだったそうです。謝罪文に、この裁判に関しての謝罪はありませんでしたね。被害者の気持ちをどこまで理解しようとしているのか疑問ですね」

 小室被告「軽率な言動を取ったのは間違いないと思います」

 検察官「松浦社長の全額援助で完済したのですか」

 小室被告「はい」

 検察官「被害弁償も謝罪も他人にしてもらっている。自分が裁かれ、償わないとという気持ちで裁判を受けていますか」

 小室被告「間違いありません」

 《公判では、小室被告の情状面が大きな焦点となっている。このため検察官の質問も、小室被告の反省の態度についてただす内容が多いようだ》

 検察官「被害弁償の件ですが、確かにあなたが苦しい状況にあることは分かりますが、足りない分を補う形で弁償をしなかったのはなぜなんですか」

 小室被告「努力はしました。周囲の人たち、松浦社長が手を差し伸べてくださったと思っています。全額弁済をずっと考えていました」

 検察官「まず自分が出せる分だけきちんと出して、足りない分を(他の人が)出す、ということをすべきだったのではないんですか」

 小室被告「100万、1000万円とかだったら何とかできたと思いましたが、とても追いつく金額ではなかったんです。ただ、松浦社長に『これだけはあるんですが』と相談しましたが、『私がまとめて全額工面するから』と言ってくださったんです」

 検察官「あなたは生活態度を改めて更生するということですが、以前のあなた自身の金銭感覚についてはどのように思っていますか」

 小室被告「常識かどうかを考えると、非常識としか言えません。一度お金が入ってしまうと、ついついその金額に甘えてしまって、慢心になってしまいました。私が間違っていました」

 「今は1円も持たずに出歩いているときもありますし、100円玉ひとつ、5円玉ひとつでも大切に使おうと思っています。当たり前といえばそうかもしれませんが。そうしたことから一つひとつ出直したいと思っています。1000円でどれだけの生活ができるんだろう。そんなことを考えながら暮らしています」

 検察官「ところで、事件でだまし取った金は、借金の返済にと考えていたようですが、共犯者についてはどのように思っていますか」

 小室被告「私が選んだ2人ですので、私自身に責任があると」

 検察官「2人に申し訳なかったとは思わないんですか」

 小室被告「すべてに対して私が選んだことなので。ちょっと自分でも表現が分からないんですが…。2人を選んだのは私です」

 検察官「判決が下ることになるが、罪を償う気持ちはあるんですか」

 小室被告「当然考えています。今回のことで私の中で最も大きいことは、大阪拘置所にいたときのことです。拘置所の雰囲気や、その中で私が何が苦しくてつらいと思っていたか。そんなことを考えながら、毎晩毎晩、夢を見るぐらいです」

 検察官「それを考えながら今も生活していると」

 小室被告「はい」

 《検察官の質問はこれで終了。裁判長が左右に座る裁判官に質問の有無を尋ねると、左陪席の男性裁判官が「ひとついいですか」と切り出した》

 裁判官「金策に追われるなかで、音楽や曲作りに集中できなかったといったことはなかったんですか」

 小室被告「集中したつもりでしたが、あとで作品を聞いたファンのみなさんの指摘で、『真剣に集中できていないのだなあ』と。その時は、曲を作っているときは、そんなことは思わなかったんですが。作品の反応みたいなものを聞いて、今はすごくそのように感じます」

 裁判官「あなたの著書のなかで『金の管理は得意ではない』と書かれていますが、どうですか」

 小室被告「お金の管理は松浦社長たちに指南をしていただいています」

 裁判官「そのなかで音楽に集中できる環境になれますか」

 小室被告「そういう場を作ってくださると約束してくださったことに、心から感謝しています」

 《これで被告人質問が終わった。裁判長に一礼して席に戻った小室被告。疲れか精神的なプレッシャーなのか。表情はやや疲れたようにもみえる》

 《続いて被害男性の証人尋問だが、出廷の際に姿を隠すための遮蔽(しゃへい)板を設置するため、裁判長は午前11時28分、いったん休廷することを告げた。小室被告は裁判長に一礼をすると、やや早足で退廷。傍聴席に目をやることはなかった》


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