ALIVE !

gayである僕のヘンテコ?な日常。

食べかけのパン

2005年06月03日 | 好きな後輩のこと
 昨日の夜、後輩に「辛いことなんか忘れちゃいなよ!」と言われ、何か目に見えない後輩の気持ちを感じました。なんだか寝付けないまま朝を迎え、いつもより早く出勤しました。

 今日は一番乗りかな?と思いながらIDカードを差して大部屋のドアを開けると一人、後輩は自分の席に座ってパンを食べていました。

 「おはよう」と僕が声をかけると、昨日の出来事が気になっているらしく、なんとなくぎこちなく
 「おはようございます」と言ってきました。

 そして、いつも通り、僕の席にコーヒーを持ってきてくれました。

 「ちょっとここに座りなよ。」僕は自分の側机の来客用の椅子を後輩に勧めました。
 彼はおとなしく座りましたが、どこかぎこちない雰囲気。
 
 次に続く言葉が上手く出てこず、後輩のほっぺたをつまんだりなでたりしていました。
 
 「ドーナツ食べるか?」
 言いたい事は山ほどあったのに、口をついて出てきたのは、こんな言葉でした。
 後輩は
 「うん」と一言。

 今朝、職場で食べようと買ってきたミスタードーナツの箱を後輩に渡しました。
 「好きなの食べていいぞ。」

 後輩は大好きなフレンチクルーラーをつまみました。
 
 確かに、今朝ミスドに寄り、ドーナツを選んでいるときも、あいつはこれ好きだったよな・・・って思いながらフレンチクルーラーを選んだ自分。

 いろいろな場面で選択を繰り返し生きている毎日の生活の中で、いろんな場面で後輩を想い、後輩が選択の条件になっている自分。

 後輩も同じように、僕の事を想い、選択してくれていると感じることがたくさんあります。

 後輩は、ドーナツをほおばりながら、自分の席に戻り、飲みかけのコーヒーとパンを持ってきました。

 「ケンタロウ先輩、パン食べます?」
 「食べかけかよ!でもお前の食べかけならいいか。」
 後輩の食べかけのクリームパンをほおばり後輩を見つめました。
 
 後輩は2個目のドーナツを箱をのぞきながら物色してました。その仕草がたまらなくかわいくて抱きしめたくなりました。

 僕の視線に気づいた後輩はちょっと遠慮がちに
 「ポンデリングたべていい?」
 「いいよ。食べな。」

 もういつもの後輩でした。僕の大好きなニッコリとした顔で、2個目のドーナツをほおばっていました。

 

 手下2号のB子が出勤してきて

 「おはようご・・・あー!ドーナツ!私も食べる!!」あっという間にB子は残り2個のドーナツをたいらげ、結局僕はひとつも食べられませんでした。

 後輩は、「これは僕とケンタロウ先輩の分だったのに!!」
 とB子をちょっと責めるような言い方をしていました。
 
 「****(後輩の名)、いいよいいよ。」
 「朝から2人きりでコソコソ食べて。怪しいんだから。」
 「ケンタロウ先輩、コーヒーおかわりは?」
 「もう1杯もらおうかな。」
 「わたしも~」
 「自分で淹れろよっ!!」
 「ひど~い(T_T)」

 結局、後輩には何も言えなかったけど、なんか後輩がそばにいる安心感を感じました。

 『お前じゃなきゃダメなんだよ。俺。』
 言葉に出来ませんでしたけど、そんなことを思いました。

 レオンさんにてんこさん。いつも励ましてくれてありがとうございます。
 今までは落ちこむとかなり引きずったままの状態が続いていたんですけど、なんかこのblogはじめて、色んな意見や励ましを沢山もらって、早く立ち直れるようになった気がします(笑)
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somebody loves you

2005年06月02日 | 好きな後輩のこと
 藍宇を観てからYさんが恋しくて、ここ数日、落ち込んだ気持ちをひきずったまま過ごしてきました。

 レオンさんやてんこさんに励まされ、いつまでも気の抜けたボンヤリ状態でいる訳にもいかないと思い、自分を奮い立たせてみるんですけど、上手く気持ちが乗ってこない。
 
 そんな僕を後輩は心配してくれ、いつも以上に僕の傍でウロチョロしていました。

 月、火、水、木と4日間、後輩は僕を気遣ってくれ、一人心配し、気を揉んでいました。

 「カレー行きましょう!」後輩は精一杯の笑顔で僕を誘ってくれました。
 仕事を早めに切り上げ、後輩と一緒にカレーを食べに行ってきました。

 いつものココイチかと思ったら、
 「今日は、違う店にしましょう!ネットで探したんです」
 といつもとは違う、インドの人が経営している本場のカレー屋さんに連れて行ってくれました。
 
 路地裏にある雑居ビルに入っている小さなカレー屋さんでした。席に座り、いつも以上にはしゃいでいる後輩。僕を盛り上げようと必死なのがわかります。

 いつもと違う本場カレー。2種類オーダーして後輩と半分こしてナンで食べました。美味しいカレーでした。

 「ケンタロウ先輩、休み明けからおかしいですよ。どうしたんですか?」
 「うん・・・。昔のことをちょっと思い出してね・・・」
 「前に言っていたYさんっていう人のことですか?」
 
 僕はそうだとも違うとも言いませんでした。

 少しの沈黙がありました。最初に沈黙を破ったのは後輩でした。

 「僕じゃだめですか?」
 「えっ?」
 「いつもいつもケンタロウ先輩には世話になってるのに、ケンタロウ先輩が辛いときに僕は何もしてあげられないんですね。」

 レオンさんに指摘されたとおり、後輩は自分を責めていました。
 
 「ゴメンね・・・。」流れそうになる涙を必死にこらえました。

 店を出て、雑居ビルの階段を下りているとき、後輩は僕の手を痛いくらい手をギュッと握り、手を引っ張ってグングン階段を下りていきました。

 外に出て後輩が

 「ケンタロウ先輩、もう、辛いことみんな忘れちゃいなよ!」

 いつもいつも甘えてばかりくる後輩が、こんな口調で言うことってはじめてでした。

 そして、こんなに広い世界の中で、こんなに僕の事を思ってくれる後輩に巡り会えたのはきっと偶然なんかじゃないってそう思えた瞬間でした。

 顔にあたる雨の滴が涙をごまかしてくれました。
コメント (2)
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映画:藍宇 LAN YU(メイキング編)

2005年06月01日 | No music No life
 土日にこの藍宇を見てからというもの、なんだか気の抜けた状態でボンヤリしてしまっています。そんな僕の微妙な変化を見逃さずに、「ケンタロウ先輩の元気がない」と一人、気を揉む後輩。

 『お前も原因のひとつなんだよ!』と言えるはずもなく、一人、落ち込み中。

 日本語版の本も半分近くまで読み、まだ2人の幸せな生活のまっただ中。イヤでも在りし日のYさんとの甘い毎日を思い出さずにはいられず、ため息ばかり。

 見終わった後、ため息ばかりついていた自分、ふと、レオンさんに、「メイキング編も見てね」と教えられたことを思い出し、メイキング編を見ました。

 そして、再び涙。メイキング編を見て涙が流れる映画って初めてでした。

 本編と同じくらい、二人の幸せそうな生活、捍東の藍宇に対する溢れんばかりの愛情と、藍宇の捍東しか見ないひたむきさが伝わってきました。バックに流れる曲がその映像に広がりを持たせます。

 メイキングは僕の好きな、再会した後の藍宇の家で、所在なく突っ立っている捍東のシーンや、再会した藍宇への自分の気持ちが抑えられず藍宇を抱きしめる捍東、何度捨てられても捍東が忘れられずに愛し続けている藍宇の思いがひしひしと伝わる、僕が大好きなシーンが多く収録されていて、嬉しかったです。

image1


 『世界が終わるまで一緒にいたい。』

 このテロップが画面に流れたとき、涙が溢れました。
 病に倒れ、死にゆく運命にあった彼に、僕は何度願ったことか。

 この映画はあまりに昔の自分を思い出させすぎます。なのに見ずにはいられない。辛いこと以上に彼ら2人の幸せそうな生活が、僕とYさんの幸せだった日々に重なって、あれからもう10年近く経つのに僕自身が彼の事を全然忘れていない事に気づかされました。

 あの時、自分が思ったこと、感じたこと、絶望感も喪失感も、2人で過ごした楽しかった事も、幸せだった事も何もかもが同じ。

 捍東と藍宇が2人で車に乗ってドライブをしているシーン。いつもYさんの車の助手席は僕の指定席でした。Yさんは僕が助手席に座るもんだと思っていてくれたし、自分も座るもんだと思ってました。職場のみんなで遊びに行くとき、Yさんの車には誰も乗りたがりませんでした。

 『おまえら2人、車の中でイチャついて相手しくれないからやだ。』って。それくらい僕もYさんも離れられないくらい一緒にいました。

 車に乗るとYさんは自分の財布を僕に預け、高速代とかジュース代を払うのは僕の仕事でした。槇原敬之の歌にもありましたね。そんな歌詞が。

 そんなことを思い出しながら、溢れる涙をゴシゴシこすって見続けました。そして溢れんばかりの愛情を僕もYさんからもらっていたことを改めて思いました。

 どうしてもどうしてもYさんに逢いたい。安酒をあおり、ボンヤリした頭で思い続けました。


 そんな気持ちを引きずり、ため息ばかりついている僕に、しびれを切らせた後輩は残業で遅くなった帰りのロッカールームで、

 「ケンタロウ先輩、明日カレー行きましょう!」
 と必殺カレー攻撃を仕掛けてきました。彼なりの優しさなんです。

 そんな後輩を見ていると切なくなり、ギュッと抱きしめました。いつもよりギュッと抱きしめたため後輩は少し驚いていました。後輩を抱きしめたとき感じた温もりは僕を安心させてくれました。

 この温もりは、彼が僕から離れていくまでは絶対に離したくない。どんなことがあっても手放さないって。彼は今の僕にとって生きる望みなんです。

 色んな事に気づかせてくれたこの映画、僕の中では一生に何本も出会えないだろうって思うくらい大切な一本になりました。教えてくれたレオンさん、Jさんに感謝です。書籍版はどうも違った展開っぽいですし、なんでも日本語版の本はインターネットで発表された原版と違うとか。中国語の原版も読んでみようと思います。 

 読書感想文はまた後日に。
コメント (1)
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