藍宇を観てからYさんが恋しくて、ここ数日、落ち込んだ気持ちをひきずったまま過ごしてきました。
レオンさんやてんこさんに励まされ、いつまでも気の抜けたボンヤリ状態でいる訳にもいかないと思い、自分を奮い立たせてみるんですけど、上手く気持ちが乗ってこない。
そんな僕を後輩は心配してくれ、いつも以上に僕の傍でウロチョロしていました。
月、火、水、木と4日間、後輩は僕を気遣ってくれ、一人心配し、気を揉んでいました。
「カレー行きましょう!」後輩は精一杯の笑顔で僕を誘ってくれました。
仕事を早めに切り上げ、後輩と一緒にカレーを食べに行ってきました。
いつものココイチかと思ったら、
「今日は、違う店にしましょう!ネットで探したんです」
といつもとは違う、インドの人が経営している本場のカレー屋さんに連れて行ってくれました。
路地裏にある雑居ビルに入っている小さなカレー屋さんでした。席に座り、いつも以上にはしゃいでいる後輩。僕を盛り上げようと必死なのがわかります。
いつもと違う本場カレー。2種類オーダーして後輩と半分こしてナンで食べました。美味しいカレーでした。
「ケンタロウ先輩、休み明けからおかしいですよ。どうしたんですか?」
「うん・・・。昔のことをちょっと思い出してね・・・」
「前に言っていたYさんっていう人のことですか?」
僕はそうだとも違うとも言いませんでした。
少しの沈黙がありました。最初に沈黙を破ったのは後輩でした。
「僕じゃだめですか?」
「えっ?」
「いつもいつもケンタロウ先輩には世話になってるのに、ケンタロウ先輩が辛いときに僕は何もしてあげられないんですね。」
レオンさんに指摘されたとおり、後輩は自分を責めていました。
「ゴメンね・・・。」流れそうになる涙を必死にこらえました。
店を出て、雑居ビルの階段を下りているとき、後輩は僕の手を痛いくらい手をギュッと握り、手を引っ張ってグングン階段を下りていきました。
外に出て後輩が
「ケンタロウ先輩、もう、辛いことみんな忘れちゃいなよ!」
いつもいつも甘えてばかりくる後輩が、こんな口調で言うことってはじめてでした。
そして、こんなに広い世界の中で、こんなに僕の事を思ってくれる後輩に巡り会えたのはきっと偶然なんかじゃないってそう思えた瞬間でした。
顔にあたる雨の滴が涙をごまかしてくれました。
レオンさんやてんこさんに励まされ、いつまでも気の抜けたボンヤリ状態でいる訳にもいかないと思い、自分を奮い立たせてみるんですけど、上手く気持ちが乗ってこない。
そんな僕を後輩は心配してくれ、いつも以上に僕の傍でウロチョロしていました。
月、火、水、木と4日間、後輩は僕を気遣ってくれ、一人心配し、気を揉んでいました。
「カレー行きましょう!」後輩は精一杯の笑顔で僕を誘ってくれました。
仕事を早めに切り上げ、後輩と一緒にカレーを食べに行ってきました。
いつものココイチかと思ったら、
「今日は、違う店にしましょう!ネットで探したんです」
といつもとは違う、インドの人が経営している本場のカレー屋さんに連れて行ってくれました。
路地裏にある雑居ビルに入っている小さなカレー屋さんでした。席に座り、いつも以上にはしゃいでいる後輩。僕を盛り上げようと必死なのがわかります。
いつもと違う本場カレー。2種類オーダーして後輩と半分こしてナンで食べました。美味しいカレーでした。
「ケンタロウ先輩、休み明けからおかしいですよ。どうしたんですか?」
「うん・・・。昔のことをちょっと思い出してね・・・」
「前に言っていたYさんっていう人のことですか?」
僕はそうだとも違うとも言いませんでした。
少しの沈黙がありました。最初に沈黙を破ったのは後輩でした。
「僕じゃだめですか?」
「えっ?」
「いつもいつもケンタロウ先輩には世話になってるのに、ケンタロウ先輩が辛いときに僕は何もしてあげられないんですね。」
レオンさんに指摘されたとおり、後輩は自分を責めていました。
「ゴメンね・・・。」流れそうになる涙を必死にこらえました。
店を出て、雑居ビルの階段を下りているとき、後輩は僕の手を痛いくらい手をギュッと握り、手を引っ張ってグングン階段を下りていきました。
外に出て後輩が
「ケンタロウ先輩、もう、辛いことみんな忘れちゃいなよ!」
いつもいつも甘えてばかりくる後輩が、こんな口調で言うことってはじめてでした。
そして、こんなに広い世界の中で、こんなに僕の事を思ってくれる後輩に巡り会えたのはきっと偶然なんかじゃないってそう思えた瞬間でした。
顔にあたる雨の滴が涙をごまかしてくれました。