横綱部屋

よこづなへや

松山~羽田

2010-04-16 23:46:52 | Weblog
4月9日、正午過ぎ。

赤いトランクを積んだ白い愛車で、グレーのハイウェイをひた走る。
降りだした雨は少しずつその勢いを増しているようだ。
やがて目指す空港へ近づいてくると、灰色の雲へ迷うことなく飛び立ってゆく
航空旅客機が見えた。
車内の時計に目をやると、予想どおりだが時刻は差し迫っている。
軽くため息をついてハンドルをきり、アクセルを踏み込む。大丈夫、きっと間に合う。

駐車場へ着く頃にはどしゃ降りになっていた。
小さな折り畳み傘を広げたがこれではカバーしきれない。
トランクに容赦なく大粒の雨が叩きつけられ、皮製のそれはどんどん色濃くなってゆく。

空港に入り、到着ロビーを足早に横切り、搭乗手続きを済ませる。オーケイ、問題は無い。
肩にかかっていた水滴をはたき、出発ゲートへと急ぐ。
搭乗者はまずまず多く、スーツに身をかためやたらと手元の時計を気にする者、
そわそわと浮き足立っている者、ガラス越しに家族と思しき者に笑顔で手を振る者、
皆それぞれだ。
やがて機内への案内が始まり、流れる人並みに乗って座席へと尻を下ろす。


東京、か・・


いつぶりだろう。


2ヶ月ぶりだった。今年3回目やった。


定刻になり、大きな機体がゆっくりと動き始める。
窓の外に見える雨の勢いはすっかり衰えている。
私が外にいた時のお祭り騒ぎのような降りっぷりは何だったのだ。
と、滑走速度は急激に上がり、うらめしげな私の視線は宙をさ迷う。
ふわりと内臓が浮遊するあの独特の感覚を覚えた次の瞬間、



そのはなし、ながい?


いえ、すいません。今日のところはこのへんで。