何か書けば、少しは気持ちの整理がつくだろうか。
10月にももの体調が落ちたとき、「11月はお母さんのお誕生日、一緒にお祝いして、それからクリスマスが来て、お正月も来るね。だから元気にならなきゃね」って言ってた。
ももは頑張ってくれたけどそれは叶わず、私はひとつ歳を取った。
相方が会社帰りに買ってきてくれたケーキ。
元気づけるために名前入り。頼むの恥ずかしかっただろうな。
気持ちは申し訳ないほどありがたいけど、もう私、誕生日来なくていい。
ももがいなくなっても、買い物は急いで帰ってきたり、部屋を出るとき灯りは点けたままにしたり、夜中もテーブルライトをひとつ点けておいたり……ももがいたときと同じことをしてしまう。ももが私の生活の中心だった。
でもこの前お風呂に入ったとき、湯船に浸かって急いで上がろうとして、もうそんなに急がなくていいんだと気づいたら泣けてきた。
美容院に髪を切りに行った帰り、急いで帰っても、もうももは待ってないんだと思ったら、哀しくてたまらなく寂しくて、家に帰れなくなった。
ももが亡くなってすぐは、しっかりしなきゃという気持ちもあったし、まだ私の横でお昼寝してるだけだと思えたから、お数珠を作ったりバッグを編んだり、悲しくても頑張ってできた。
その後お葬式をしてお骨も拾ったのに、ずっと昔、旅行や引越しのとき実家にももを預けたように、ももはどこかに預かってもらっている感じがしてた。頭では、もうももはどこにもいないってわかってるのに、現実と認めたくなくて、寂しいのは今ちょっと会えない間だけの気がしてた。
でももう四七日というももがいない現実に、落ち着くどころか、今のほうが寂しくて悲しくて耐えられない。
昼間は何か用事をしていればその間はなんとかなる。でも、「御用終わるまで待っててね」と言うと待っててくれたももは、もういない。
以前やってたゲーム、やりたいと思わないけど気を紛らわせられるかとやってみたけど、全然楽しくない。
何もやる気がおこらないし、何も楽しくない。
食欲もないけど、家族が心配するから夕食を少しだけ食べると、お腹を壊すし、朝胃が痛くなる。
夜寝る時、ベッドにももを寝かせて撫ぜながら「ゆっくりおやすみ、また明日ね」と毎夜言ってたのに、それができないと、もものふわふわの身体の手触りをいつか忘れてしまいそうで、それが怖くて怖くて眠れない。
もう二度と、ももとの明日は来ないと思うと、涙がとまらない、息ができない。
夜が来て、一日が終わって、またもものいない日が増えるのが本当に辛い。
いつかお別れの日がくると、覚悟していたつもりだった。
でも、現実にそうなってみたら、頭でわかっても、心がついていかない。