25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

桑田佳祐3

2017年08月26日 | 音楽

 この際、ということで、桑田佳祐のソロアルバムを全部レンタルしてきた。ついでに、「がらくた」があったので、これは購入した。思えば、サザンオールスターズのアルバムは全部大事にもっているが、ソロアルバムの第1号があんまりピンと来なかったので、ソロアルバムは敬遠していた。最初の頃は桑田佳祐個人の出しすぎで、フォークギターの音色もイヤだった。

 ところが今回時系列で聞いていると、2012年の「I love  you」あたりから遊び心が全面出てきた。前川清に提供したら喜びそうな「現代東京奇譚集」は「サウダーデ」の外国ブラジル旅風が東京の夜の街風になっていてよく似た兄弟のような曲である。*村上春樹の「東京奇譚集」を意識したのかどうかはわからない。

  さらに見事なのは、「声にだして歌いたい日本の文学」という18分40秒の曲がある。中原中也の「汚れちまった悲しみは」、高村光太郎の「智恵子抄」、太宰治の「人間失格」、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」、与謝野晶子も「乱れ髪」、小林多喜二の「蟹工船」、夏目漱石の「我輩は猫である」、最後に宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」。まあ、よくもこれだけの歌詞を覚えたものだと感心もするが、作者ごとに曲調変え、それぞれが独立して聞いてもいいくらいであり、楽しい。

 桑田佳祐の妙齢さを感じ始めるアルバムが「I love you.」deである。この頃はメッセージ性のある歌詞作りもする。

 この前、尾藤イサオの歌声を聞いた。73歳だそうな。昔のマンマ。顔はむくれてないし、髪は地毛でしっかりあるし、腹回りも少年そのもの。桑田佳祐も73歳ではバリバリに歌っていることだろう。

 彼のルックスと歌は年齢差というものを超越している。脱帽ってやつだ。