lunas rotas

いつまでも、完成しないことばを紡いでいこう

英語ノート

2011-04-07 09:37:36 | Weblog
 今年度から必修化される小学校の英語(外国語活動)の授業の教材である「英語ノート」を見た。その名のとおり、ノートみたいで教科書ではない。イラストや空欄になっている表などが多い。それを見ても何を学ぶのかは小学生が見ても分からないし、大人でも見る人が見ないと分からないだろう。自分の名前、数、色、好きな食べ物やゲーム、時間割etc.を言う活動をする教材になっている。ちょっと不自然かなぁと思える言い方も無きにしも非ず。
 この教材なら媒介語として日本語を使ってしまったら楽しくない授業になりそう。直接法の授業を想定しての教材だろう。さて、日本の英語好き人口を増やせるか。

EPA締結過程の政治的力学の論文

2011-04-06 11:28:54 | Weblog
論文「日本・フィリピン経済連携協定を通じた看護師・介護福祉士受け入れ交渉過程」を読んだ。JPEPAが締結されるプロセスを政治の力学的な観点から整理して書かれたもので、とても興味深く読んだ。どのような力学や力関係があって、締結内容とその運用が妥協の産物となってしまったかが分かる。
  EPA枠での看護師や介護福祉士候補者を受け入れは、現状では実験的試験的意味合いが強い。一人ひとりの人とのつながりやかかわりという意味での貢献は既に大きくあろうけれども、マクロな経済的な側面や政治的な側面から見た場合、その貢献はまだないに等しいのかもしれない。まだまだスタート地点に立ったばかりのスキームにしかすぎないと感じた。これからどう発展させるかは、EPAの枠組みとして考えるよりも、医療や福祉のスキームとして捉え、医療福祉関係の本腰を入れたチームを発足させて問題にあたり、スキーム展開を担うべきだ。チームは日本国内の人材確保という観点でなく、アジア全体の医療福祉人材をどう育成し確保するかを議論する国際的なメンバーでなければならないと考える。
  この論文の筆者の主張には深く頷けるものがあった。




がんばろう、アジア!

2011-04-05 11:32:51 | Weblog
  EPA枠の外国人看護師・介護福祉士候補者たちの日本語研修開講式が先月の22日にインドネシアで、翌週の28日にフィリピンで看護師部門が行われた。そして看護部門の2週間後(来週4月11日)にフィリピンの介護福祉士部門の開講式が行われる。
  東日本大震災後の開講式となっているが、震災後の辞退者はインドネシア3名、フィリピン看護師はゼロだったようで、思いのほか影響は少ない。インドネシアでもフィリピンでも候補生達は「震災に立ち向かう日本の助けになりたい」といった話をしているそうだ。
 がんばろう、アジア!

みんな自分の選択に悩んでいる

2011-04-04 10:26:42 | Weblog
  先日も書いたが、日本にとどまる外国人がいて、一方で帰国を希望する外国人がいて、それは当然だしそれでいいと思う。その中で、この記事この記事は日本にとどまろうとする人達を紹介する記事。彼女たちを知っている私としては、本当に信頼できる人達であることを知っているので、心からの賞賛を送りたいし、私は彼女たちに尊敬の念を抱いている。
  昨日は民主党岡田幹事長がこれらの記事にある介護施設を訪問することになっていたようだが、EPA候補者の彼女たちはどんな話や挨拶ができただろうか。聞いてみたい。彼女たちの悩みながらの選択や決心を続けていけるような勇気や動機を後押ししてくれるような幹事長の訪問であったことを期待したい。
  しかし一方で帰国を希望する人もいるかもしれない。希望しても言いだせない人もいるかもしれない。信念を持って働いている人の周縁に、またはこのような記事にならない人の中に、心のケアを必要としている人がいるかもしれない。あるいは誰もが、悩みながら、なのだ。彼女たち別の選択をしたとしても、私は応援したいと思う。

日本の安全性を伝えるために

2011-04-01 10:17:03 | Weblog
  震災後、日本をあとにする在住外国人もいれば日本にとどまる外国人もいる。多くの人は帰って来いと叫ぶ母国の家族と連絡をとった上で、自分の立場や優先順位など様々なことを考えての判断だろう。
 日本政府の発表をそのまま信じるか、あるいはその他の国際的な機関やメディアの情報も加味してこの震災に対応していくか、それは個人個人に委ねられる。しかし個々がどのような選択をするとしても、今の情勢を大きくとらえれば、もっと移民を受け入れよう労働者を招こうと声高々に言える状況にない。
 安全性・信頼性を取り戻すためには、日本の力だけで解決できることを示そうとするよりも、世界から助けをいただいて世界がひとつになって解決していくことだろう。そうすることが結果として海外メディアも巻き込み実感を伴った安全性の開示になり、安心感につながる。菅総理は海外支援を物資だけでなく頭脳としても受け入れる姿勢になりつつある、やっと。