lunas rotas

いつまでも、完成しないことばを紡いでいこう

ギャップイヤー

2011-07-04 01:04:40 | Weblog
  7/1の日経新聞に、東京大学が秋入学への移行を検討しているとある。国際化への対応と、日本人学生に入学までに「ギャップイヤー」として社会経験をさせることが目的。
  震災後にボランティアを大学の単位とするか否かで論争があったが、ギャップイヤーを大学が奨励する制度を設けることは、面白い試みだと思った。ぜひやってほしい。
  普段、留学生に接する仕事をしているが、ヨーロッパからの留学生はギャップイヤーを過ごしている人が少なくない。というよりギャップイヤーを経ている人のほうが多い。ヨーロッパとアジアの留学生が文化的にも歴史的にも慣習的にも様々な面で異なることはもちろんだが、留学生一人一人を見ていると、ギャップイヤーを過ごしているか過ごしていないかということも、その個人のアイデンティティに影響しているのではないかと感じることもある。
  ギャップイヤーという言葉が既に日本で一般的かというと、そうでもない。しかし、日本人もワーホリや語学留学、ボランティアなどして数カ月とか1年単位で過ごすことはある。日本では大学在学中や一度就職して数年働いてから退職して経験する人が多いだろう。しかしヨーロッパで一般的なのは大学入学前だし、今回の東大の記事も大学入学前にギャップイヤーを過ごそうという試み。高校卒業後すぐというのは、一旦働いてから経験するのとではかなり違うように思う。
  私はただなんとなく大学へ進学してしまったが、ギャップイヤーを過ごすと自分の人生への次への目標や目的がはっきりしてくる人が増えるだろうと予測する。東京大学はこの制度を実施してほしいし、他の教育機関や企業など、周りへの影響も期待したい。