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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[柑橘類] 食生活について語ろう

2019年12月01日 | 美容ダイエット
◎🍊柑橘類Citruses かんきつるい
 これからの季節、お正月は、コタツに入って、ミカンの皮むいて食べる風景が、よく似合います。冬場のビタミンの補給には欠かせません。風邪予防に良いといいます。一般に温州(うんしゅう)蜜柑(みかん)が、多く出回り利用されます。温州蜜柑の他にも最近では、多くの種類が出回り名前を覚えるのにも大変ですが、私たちの味覚を大いに楽しませてくれています。  
  柑橘類の原産地は、アジア東南部とされていますが、産出量はアメリカが多く、オセアニア、イタリア、スペイン、日本と続いています。日本では、関東以西の愛媛県、和歌山県、静岡県に多く栽培され出荷されています。柑橘の「柑」は、みかんという意味で「橘」(たちばな)は、古くから観賞用として栽培されていたミカン科の植物です。
 花のがくの上部が大きくなった果実でみかん科の総称です。
ミカン科Rutaceae みかんか
  インド原産。熱帯から温帯地域に分布する双子葉(子葉が2枚)植物、離弁花類(りべんかるい:花びらが離れる)で草、木ともに存在、約160属、900種からなる。花などに芳香を有するものが多いが精油成分に異臭(キハダ)のするものもある。柑橘類(ミカン属、キンカン属、カラタチ属など)、香辛料に使われる山椒(サンショウ属)、コブミカン(カンキツ属)、オオバゲッキツ、薬用に用いるキハダ、ゴシュユ、ヘンルーダ、ミヤマシキミ(有毒:ミヤマシキミ属)、観賞用のサザンクロス、ボロニア、ゲッキツ(シルクジャスミン)などがある。柑橘果皮にからのエッセンシャルオイル(油の成分)としてダイエットにも用いられ、果皮オイルが油汚れに利用する。

その内の柑橘類といわれるものは、
みかん属、金柑属、カラタチ属(食用としない)にわけられます。
みかん属には、
ミカン類(温州みかん・デコポン[不知火]・ポンカン・アンコール・紀州ミカン[コミカン]・シークワーサー) スイートオレンジ類(バレンシアオレンジ・ネーブルオレンジ)  サワーオレンジ類(橙) タンゴール類(朱美[あけみ]・イヨカン・タンカン・清見・マーコツト) タンゼロ類(セミノール・ミネオラ) ブンタン類(文旦)  グレープフルーツ類(グレープフルーツ・スウィーティ[オロブランコ])  雑柑類(夏ミカン甘夏みかん・日向夏・八朔・三宝柑・鳴門)  レモン・ライム・シトロン類(レモン・ライム・シトロン)  ユズ類(カボス・キズ・スダチ・ハナユ・ユズ)
金柑属
キンカン類(きんかん)
カラタチ属(食用としない)にわけられています。

  植物は、それぞれ遺伝子で決められた色素を持っており柑橘類は、果実で幼果(ようか)、未熟の時は、葉緑素によって通常は緑色をしています。果実が成熟するにつれて、葉緑素は分解消失して、カロテノイドという色素が残るので黄色くなってきます。イチョウの葉が緑から黄色に変化すると同じ様な原理と考えられます。
元々イチョウの葉には、クロロフィルという緑色の色素とカロテノイドという黄色の色素を含みます。秋の初めまでは、カロチノイドがクロロフィルの強い緑色に隠れてしまっているため、葉は緑色なのですが、秋が深まり、気温が低くなってくると、クロロフィルの分解が始まって消失していきます。残っているカロテノイドの方が目立って次第に黄色に変化していくのです。
  皮の薄い普通みかん(温州みかん)は、早くに出荷されていますが皮の厚い八朔、伊予柑、夏ミカンなどは追熟して後から市場に出されています。柑橘類では、一般的な栽培で12月までの年内に収穫、出荷できるものを早生、1月~3月中旬を中生、3月中旬以降を晩生としています。早生の代表は温州みかん、中生はデコポン、晩生は夏ミカンなどがあります。
芳香があり、果肉は多汁、フレッシュな爽快さを有し、果皮より精油しています。
柑橘類には、単胚性と多胚性のものがあり文旦や清見は単胚性で種の皮をむくと胚(芽)が一つしかありません。このような場合では種子の親と花粉の親の交配がおこなわれやすく雑種が育ちやすいといわれています。
温州みかんは、多胚性で種の皮をむくと、いくつもの芽が詰まった一個の種の中に母親と同じ遺伝子を持つ珠心胚(発芽した芽が、受精の結果生じた胚とは別に、親植物の細胞由来からの芽であること)が入る多胚性品種があります。交雑胚しか持たないものは単胚品種と呼ばれ種子が単胚性であると雄しべが退化し雄性不稔性(ゆうせいふねんせい)で種子形成が行われません。他品種の花粉が受粉されなければ種子のない無核果となります。

果実は、環境、種類によって差があり成熟とともに酸味が減少し甘みが増してきます。美味しく感じるのは、糖度(砂糖の甘味を100%としている)9%以上、酸(主にクエン酸)0.8%程度、糖酸比(甘味比、糖分含量/遊離酸含量)11以上といわれます。

果肉は、生食、缶詰、ジュース、薬味に、果皮とともにマーマレード、果皮は、吸い口、薬味、砂糖漬け、陳皮(ちんぴ:皮を乾燥させ七味唐辛子に利用)、香料の原料等に用いられます。

主な給源となる栄養成分は、ビタミンA(カロテン、クリプトキサンチン)、ビタミンC、クエン酸があげられ色素成分のカロテノイド、フラボノイド色素(ヘスペリジン、ナリンギン:毛細血管を保護する)があります。
ビタミンA効力は、100g当たりで伊予柑が26μg、バレンシアオレンジが21μg、タンゴール(清見、不知火(デコポン)など)が91μg、タンゼロ(セミノールなど)が180μg、夏みかんが14μg、ハッサクが18μg、日向夏が2μg、文旦が2μg、ポンカンが100μgなどです。

中晩柑のビタミンCは、100g当たりで伊予柑が35mg、バレンシアオレンジが40mg、タンゴール(清見、不知火(デコポン)など)が53mg、タンゼロ(セミノールなど)が41mg、夏みかんが38mg、ハッサクが40mg、日向夏が26mg、文旦が45mg、ポンカンが40mgなどです。
イギリス海軍医 ジェームス・リンドがレモンやライムの柑橘類を食べることで壊血病がよくなったことを発見したことがよく知られています。


この季節に主に利用される温州みかん、金柑について、その栄養成分について解説していくことと致しましょう。

蜜柑Satsuma mandarin みかん
  ミカン科、広い意味で夏ミカン、オレンジ、グレープフルーツなどミカン属全体を云う場合もある。一般にいわれているみかんは、温州(うんしゅう)みかんのことをさす。名前の由来は、出雲(いずも)の国(島根県)の名から、雲集蜜柑(うんしゅうみかん)と言う説や、中国浙江省(せっこうしょう)温州(うんしゅう)から鹿児島県の長島に渡来したことから、温州蜜柑(うんしゅうみかん)と呼ばれたという説がある。日本の九州原産といわれる。Satsuma mandarin果物の中で生産量が最も多い。いろいろと多くの種類の果実の登場により年々減少しつづけて一時期の出荷量に比較し現在は、その半分以下となっている。

早生みかんは、早いものは9月下旬より出荷しハウスものは、7月には店頭に並ぶ。主な産地は、和歌山、愛媛、静岡といった温暖な地域が多い。五月の始めには鹿児島県で白い花を咲かせ11月に収穫し、貯蔵12月中旬から3月上旬ぐらいまでに出荷されて艶があり新鮮でよい。保存は、皮の厚いへたのほうを下にしておくのがよい。ビタミンC を豊富に含んで主に生食され冬場のビタミンC(33mg/100g中)、さらにビタミンA(170μg/100g中)の給源として重要な役割を果たす。

保存ができ、簡単に皮がむけ食べやすさがある。ジュース、缶詰にしたものがサラダ、デザートに利用される。みかんの皮は、干したものを陳皮(ちんぴ・ヘスペリジン[ビタミンP])として、七味唐辛子、漢方で咳、風邪引き、抗アレルギーに使われる。ヘスペリジンは、ジュース白濁の原因ともなっている。

果肉に含まれているβークリプトキサンチンが1~2mg/1コ(80~100g)含まれ輸入オレンジの10倍とさえいわれる。ベーターカロチンの5倍もの抗がん性が注目されている。 ミカンに含まれるアコニターゼが酸っぱさを分解するという。果皮オイルが洗剤として油汚れ、化粧品に利用している。有効成分に、ヘスペリジン(血行をよくする)、リモネン(育毛、洗剤)、ピネン(食欲増進作用)が知られる。最近に他の果物にはあまりないシネフリン(アルカロイド)という酸味、渋味の物質が喉に関係したカゼ予防、血行促進、脂肪分解作用に有効であることの報告がある。


金柑 きんかん
  ミカン科、中国原産、中国より伝来したといわれ日本では、暖地の和歌山県、静岡県、宮崎県、鹿児島県、福岡県で栽培、生産される。果実は、小さく長円形のナガキンカン、球形のマルキンカン、より小さい球形のマメキンカンなどがあり樹木は、常緑低木2mぐらいまで成長し6、7月頃香りのある小さい白い花を咲かせる。

果実は、12g内外で濃いオレンジ色をしてつやのあるのがよく冬に成熟し来春まで落下せず12月から翌年の2月を旬とする。最近は、ハウス栽培が行われ温度調節され、10月末には、店頭に並んでいる。ミカン科で最も小さい果実に属し豆きんかん(姫きんかん)は、盆栽としての利用がある。

果肉は、酸味が強いが、皮には香り、甘味が程よく皮ごと食べることが多いので栄養価値が高い。ナガミキンカンと4倍体ニンポウキンカンとをかけ合わせて種無しの沖縄の暖地で20gになる金柑(ぷちまる)が2000年ごろより行政法人農業技術研究機構によって開発されている。

ゼリー、ジャム、マーマレード、砂糖煮、甘露煮、金柑酒とする。100g中カルシュウム80mgで果物、柑橘類の中で最も多くビタミンCは、全果49mg、ビタミンA効力22μg含む。うす皮、すじに含まれるヘスペリジン(フラボノイド色素)は、毛細血管を丈夫にする働きを持つ。風邪の民間療法としてのどの炎症を押さえ、また咳止めとして用いられてきた。

 柑橘類の特徴的成分として
枸櫞酸 クエン酸Citric acid  くえんさん
  果物(未熟の柑橘類に6、7%)、野菜に存在し爽やかな酸味がある。漢字で枸櫞はシトロンのことで、柑橘類でもありこれらに広く分布する酸として存在している。無色、無臭、結晶又は、粉末、吸湿性のある有機酸で、人体でも腎臓で生成されることがわかっている。少ない量で細胞呼吸を促進、新陳代謝をよくし脳を刺激、疲労回復、増血作用、喉(のど)の渇きを癒(いや)し、精神安定によい。アセトアルデヒドを分解し二日酔いを防ぐ。殺菌、水垢取りにも利用される。100g中でレモン・すだち・かぼす4~5g グレープフルーツ・オレンジ2g みかん1g程度含む。


ヘスペリジンHesperidin へすぺりじん
  柑橘類の果皮中未熟果(1.5~3%)で、スジ、袋(じょうのう膜)に多く含まれる無味の成分で、みかん缶詰の白濁原因物質。
種にも含むのでつぶしてはちみつ漬けとし2週間ほどで出来上がりジュースとするのもよい。すだち>ゆず>かぼすの順となって多く含む。温州ミカンの果肉部分100g中でおよそ100mg程度含むとされる。ヘスペリジン(ビタミンP)は、壊れやすいビタミンCを安定化させる働きがある。ビタミンPのひとつともいわれ毛細血管を保護、発ガン、骨量減少を抑制、血中と肝臓中の脂質を低下させる、抗炎、抗酸化作用を持ち最近アレルギーに有効ともいわれる。

 
リモニンLimonin りもにん
  柑橘類、みかん科の植物の皮に多く存在しているテルペン系化合物、リモノイドの一種でして苦味のある成分のひとつであり酸味を伴うとより強く苦味を感じる。加熱したり、時間の経過と共に苦味をより感じてくる。柚子の種子、グレープフルーツに特に多く含み抗がん、鎮痛、抗炎作用があるといわれている。


リモネンLimonen りもねん
  テルペン類、スウィーティ、グレープフルーツ、レモンの皮、さのうでライム、かぼすに多く、オレンジの芳香があり香料、アロマセラピー(芳香を用いた健康、美容法)に使われている。中枢神経の興奮を鎮静化、また発ガンを抑制することも知られる。


リモノイド
  柑橘類、みかん科の植物に存在しているテルペン系の化合物として苦味のある成分(オバキュノン、イソリモニン、ノミリン、リモニン)をいう。難溶性でありフレッシュジュースでは苦味を感じないが長時間放置、加熱加工されたりしたものに苦味を感じてくる。リモノイドの多く含む柑橘類を食べると後から遅れて苦味を感じることがある。発ガン抑制作用があることが知られている。


ナリンギンNaringin  なりんぎん ナリンジン(ビタミンP)
  フラバノン配糖体、フラボノイドの一種であり柑橘類の苦味の強い成分で苦味の原因物質の多くを占めている。粘膜を刺激してかゆみ、ヒリヒリ、チクチクした感じを引き起こしている。白色、針状結晶、熱水、アルコールによく溶ける。果皮、じょうのう(小袋)、種子に多く成熟につれ減少する。グレープフルーツ、スウィーティー(果皮、さのうとも)に多く、温州(うんしゅう)みかんには殆ど含まない。加熱、果汁への混入によって苦味を強く感じる。毛細血管を丈夫にし抗炎作用、動脈硬化を予防する作用がある。


クリプトキサンチンCryptoxanthin くりぷときさんちん
  果物、野菜、柑橘類、柿、卵黄などに存在する黄色のカロテノイドの一種で動物の体内でビタミンAに変わる。特に温州(うんしゅう)みかんではβークリプトキサンチンを1個当り1~2mg程度含みオレンジの10倍含むともいわれ表皮、果肉からの黄色の色素として存在する。パパイヤ、柿、びわ、赤ピーマンなどに含む。βークリプトキサンチンがβーカロテンより活性酸素除去、強力に発ガン物質を抑制、肝機能強化、動脈硬化、リウマチ、骨粗鬆症予防するとして知られる。


  柑橘類は、特に温州みかんは、これからの寒い季節に必要な栄養を充分に補う役目を果たしてきたようです。1970年代頃には1人当り年間およそ20kg程度とピークでしたが、最近の調査では年間5kg程度と、4分の1に減少しています。消費が下降気味な傾向を示していますが、手軽に利用できるミカンが、これから先、見直されてくるのではないでしょうか。

 
 
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