忙しい毎日でも、ふと空白の時間ができることってありますよね。
2月12日の午前中がちょうどそうでした。
前々日には、そのことはわかっていたので、当日はお昼前まで居眠りを決め込むかと
考えていたのですが、11日の天気予報を見て12日は良いお天気のようなので、朝日が
昇る前の海を撮りに行こうと、カメラを持ってお出かけることにしました。
4時前に家を出発。
お目当ての波切(なきり)漁港に着いたときはまだ真っ暗でした。
まだ日の出まで少し時間があるので車の中でウトウトしていると、いつの間にか眠っ
てしまいました。
気がつけば、あたりはもう明るくなってます。
「あかん。寝てしもうた。」
あわてて、車から降りて灯台への道を登って行きました。
午前7時過ぎ。
約1時間車の中で眠ってたことになるなあ。
ああ、もう完全に日が昇ってしまってて、
お目当ての写真は撮ることができません。
それでも、せっかくここまで来たのだから、
写真は勿論撮ります。
♪おいら、岬の~燈台守は~♪
三重県・大王崎の灯台(写真)ともう少し北
にある安乗崎灯台が映画「喜びも悲しみも
幾年月」のモデルになったと言われてます。
なかなか絵になる風景ということもあってか
ここには「絵描きの町大王町」という看板がかかっていたりします。
灯台のそばまで行ってみようと
高台にある公園を降りていくと
狭い道に沿って並んでいるお土産さ
んのシャッターも、ぼちぼち上がり始
めました。
土地柄か海産物とパールのお店
が多く並んでいます。
大王崎灯台の下までやってきました。
青い空、白い灯台。
そして黒いぼく(笑)。
う~ん絵になりますなあ。
もう夜が明けてしまったとはいえ
本当に雲ひとつ無い良い天気でした。
けれども、2月だと言うのに
春のようなのどかさです。
ここに来るまで二人の観光客とすれちがいま
したが、こんな早い時間から来るなんて、物
好きな人達もいたもんだと思いつつ、ワシも
そうなので思わず苦笑してしまいました。
ここに来たのにはもう一つ理由があ
って、実は田中料理店の「かつお茶
漬け」を食べるためです。
以前に食べたことがあって、ごはん
の上にかつおと薬味が乗ってるだけ
の素朴な料理ですが
これがバカうまなんですわ。
時間も午前8時半近くになってるので、ちょうど朝ごはんにいいわと思ってたのですが
ごらんの通りシャッターが下りていて、営業時間は11時30分~となっているではあ
りませんか。
3時間も待てないなあと思い、引き
返すと、干物を売っているおねえさ
んに呼び止められました。
別に買う気はなかったのですが「試
食だけでもして行って。」というので
少しいただくことに。
「あじの開き」「さよりの干物」「めざし」と試食させてもらったけど、どれもものすごく
美味しかったので一つお土産として買うことにしました。
「写真撮らせてもらっていいですか?」
「いいですよ。」とあじの開きを差し出すおねえさん。
2,3歩、後ろに下がってカメラを構えたワシを見て、おねえさん曰く
「えッ?写真を撮るって魚じゃなくて、私?」
「そうですよ。」と微笑むワシ。
少しはにかみながらも、抜群の笑顔を見せてくれました。
この後店内にはいってからも焼きたてのめざしをいただきました。
「すぐ帰るんですか?」
「まあ、すぐではないけど日帰りです。」
「じゃあ、ペットボトルのコーヒー入れときますので。」
と冷蔵庫から新聞紙にくるんだペットボトルを魚といっしょに入れてくれました。
ああ、なんて気前のよいおねえさんなんでしょう。
あじの開き6匹+かなりの試食+コーヒー=500円やなんて。
なんかちょっと悪いような気もしたけど素直にいただきました。
…と、ここで最初の写真に戻ります。
喉が少し渇いてきたので、もらったコーヒーをと思い、くるんであった新聞紙を開くと
「なっちゃん」…オレンジジュースやんか。
しかも暖かいとはいえ冬なのに凍らせてある。
まあいいや。少し溶けかけてるので飲んじゃえ。
グビグビッ…!! ってこれ水やんか。
そうです。この時点で気付いたのです。
「おねえさんの写真を撮ってもいいですか」といったつもりが、魚の写真を撮らせてと
勘違いしたおねえさん。
そして「氷を入れておきます。」といったおねえさんの言葉を「コーヒー入れておきます
。」と聞き違えたワシ。
もし、かの「おねえさん」がこの記事を見ることがあったら(まず、あり得ないと思うけ
ど)「アホな奴」とワシのことを笑っていることでしょう。 ハックション!
波切~浜島までの写真をUPしましたので、そちらも是非ごらんください。
☆2006~7冬 波切・大王崎~浜島