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眞壁 陸二

香川直島アートの旅 その4 イサムノグチ庭園美術館

2009年07月18日 | Weblog
旅の2日目は琴電にゆられイサムノグチを見にゆく
左に屋島、右手に五剣山を望む見晴しの良い所に晩年イサムノグチが一年の三分の一程をすごした牟礼のアトリエがある。
古民家を移築したアトリエと屋外で制作した庭が公開されている(要予約)
イサムノグチ(1904-1988)は日系アメリカ人の石を素材に使った世界的な彫刻家。
宇宙や太陽を思わせる 大きくて曲線的な形体でツルツルに磨かれた表面は人間が造ったものとは思えないような感覚になる。
イサムノグチの代表作「エナジー・ヴォイド」を見ていると、S・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」に出て来るモノリスを思い出した
地球外生命体の痕跡として月に完全なる直方体が発見されるそのシーンをなんとなく思い出したのは、目の前の彫刻が人間の造ったものにはどうしても思えなかったからだろう。
牟礼のアトリエではその他未完成の作品も生前のままのの状態で保存されている。
どちらかと言えば自然そのままの磨かれていない荒荒しい削り出しのものが多い
自然を人間の知性と技術でコントロールするのではなく、そのまま(のように)のが美しいと考えるようになったのだろう。それは西洋庭園と日本庭園の違いのようなものだろう。敷地内の丸い丘も枯山水にならって造られた彫刻作品。
きっと最後に思ったのは自然と人間の共生なんだろうガイドの方の説明にイサムノグチの言葉で「私は地球を彫刻したい」と話していたそうですが、晩年はさらに規模が大きくなり、その後札幌のモエレ沼公園などは山一個造ったような作品にまで発展します。

写真は四国新聞社 素顔のイサムノグチ より撮影篠山紀信 エナジー・ヴォイドの前に立つイサムノグチ


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