完成。充実の制作期間だった。満足
「撥雲尋古道 倚樹聴流泉」という李白から拝借した漢文の画題となった。
「雲をおし開いて古い道を尋ねた 樹によりかかって泉の音を聞く」という意味。
僕の描く絵を見て決めてくれました。ぴったりですね
ありがとうございました。
対面の2枚の方はもうあまりにも強烈な書が中央にあるのでそんまんま「江山清趣」を画題、テーマにした
テーマはいつもそうだけど「時間」と「持続の可能性」
ここ山代温泉は1300年以上の歴史があり 持続して来た素晴らしい土地。現在ー過去ー未来 1000年先も栄えてほしい
僕が樹を描く理由のひとつは連続性であり無限を感じるから
大木は人間の寿命を遥かに超えた生命力がある。
ロケハンで取材中に裏山に登ると予想外の大きな樹があった
スタジイ、檜、杉、松…くわしい樹齢は分からないが200年はかるくある大木が沢山あり山の上から見る山代の町並みは夕日に染まっていた
それはなんだか異なる時間に存在する桃源郷のような気がした
振り返るとほとんど手つかずの山並みが白山へと続いていた
印象的な光景が頭に刻み込まれイメージを反復する
なんだか時間が止まっているような錯覚を覚える
温泉につかり瞑想する。あらやの風呂は烏湯と呼ばれ黒い。お湯は無色透明だが部材が黒い石で出来ている。ほの明るい程度の灯りで暖かいお湯とかなりぬるめのお湯を交互に入湯する
いろんな事を考えて最後には何にも考えなくする 無心になる
無は無限とつながっている
自分が生まれる前からあるものが死んでもずっと持続すること
孫の孫の孫の先の世代まで
有栖川宮 熾仁親王の書かれた書「江山清趣」は百年以上まえにここで書かれたものだそうだ
感覚的にはコラボレーションだったので不思議な感覚だった
100年200年のち この絵をどんな人が見るだろう
僕が会えない未来の人たちへ