3.11から10年

またこの日が来ました。
灰色の空から
小さな雪が降ってきたことを思い出しますね。
寒い日でした。

夜は二日間、車で寝たのですが、
三日目からはマンションで寝ることにしました。
ただし地震が起きたら、
すぐに玄関の外に出られるよう、
子ども達と三人で同じ部屋に寝ようと決めました。

中学生の娘とは、
旅行の時などよく一緒に寝ていましたが、
19歳の息子と枕を並べるなんて
しばらく記憶になかったです。
あの子も恐かったのでしょうね、
なんの反論もなく私の提案に従いました。

どちらかというと修学旅行のノリで、
おかしかったです。
電気が復旧しなかったので、
真っ暗な中、
話をしたりちょっかいを出したり。
それはそれで、懐かしい思い出です。

私たちは本当にラッキーな方で、
ケガ一つなく、
三人で協力して乗り切れました。
津波や原発の被害にあった方のことを思えば、
自分も被災したとは、
大きな声で言えません。
でも同じ場所で体験したからこそ、
仙台を離れても繰り返し思い出せます。
あの絶望的な空気感は忘れません。

生きている限り、
記憶から消えることはないでしょう。
10年で区切りのつくものでもないです。
これからも毎年、
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
そして、全ての行方不明の方達が、
大切な人と再会できますように。