以下は、あくまで元祖・今晩屋を観ての、勝手な解釈です。
ネタばれ注意です。
第2幕 第3場は今晩屋。
今回の夜会のタイトル「元祖・今晩屋」が第3場である。
そもそも、今回のタイトルを聞いたときに「今晩屋」って何?
オールナイトニッポンの「こんばんにゃ?」としか思わなかった。
結局のところ、今回の公演を演じた劇団が「今晩屋」のようである。
今晩屋は、今晩を売っているから今晩屋。
夜を売っているのだ。
暦ではなく、本物の夜を売っているのだ。
第1場では、「夜をくだされ」が歌われたが、今晩屋は「夜いらんかいね」で始まる。
「あの夜に戻りたい・・・」と辛かった転生が赦され、素敵な夜を売る商売に変身。
つまり、思うところ、今晩屋の主人演じる中島みゆきが、
赦された安寿が生まれ変わった姿ではないかということ。
母親かもしれないが、なぜか安寿に見えたので・・・。
キャスティングでは、中島みゆきも安寿を演じていることになっているのだが、
それがこの場面かなという想像、、、というか、希望。
今晩屋が演じる最後の曲が、「天鏡」。
これまで歌われたものと異なり、ストレートな歌だ。
欄干の中央で歌っているが、ステージの奥から一筋、二筋の水が・・・。
やがて、舞台一面を流れ、階段で滝を作る。
本物の水を使った大掛かりな仕掛けだ。
すべてが水に流れ、清められる感じ。
迫力のある歌声で幕は下りた。
鳴りやまぬ拍手のもと、暦売りの歌が流れて幕は上がり、
3名のキャストに続いて、中島みゆきがお茶らけて登場。
さらに、舞台下で演奏を行っていたミュージシャンを舞台に上げる。
おっと、この曲は生演奏じゃなくて、録音なのね。
中島みゆきの挨拶。
「年の瀬のお忙しい中、
わざわざ時間を割いてお越しいただき、ありがとうございました。
この公演、今回が今晩屋の初演でございますけれども、
東京ではあと3回となりました。
随分練れてきた頃でございますが、
私はまだ初日のように色々とやらかしております。
「あら~」と思ったところは気のせいだと思って下さいね。
その後、新年になりますと、大阪へと公演を続けて参ります。
年の暮れお忙しい時でございましょう。どうぞ、お体大切に。
帰り道はお気をつけて。
良い夜をお持ち帰り下さい~!!!」
という感じ。
飛び跳ねながら、袖へと消えていきました。
さて、話は戻って今晩屋。最後の挨拶で、今晩屋の初演と言ってました。
これは2通りに解釈できると思います。
1つは、今晩屋という中島みゆき劇団が、今後の夜会もこのパターンで
続けていく。だから、vol.15がその初演だということ。
もう1つは、最後の挨拶も含めて、「夜会」を見せられていたということ。
つまり、安寿が今晩屋となって活躍してます。
今後も、どこかできっと続けていきますよ~、、、という、
おとぎ話だったということ。
つまり、このタイプの夜会は、別に今後続くかどうかは関係ない。
私は、後者ではないかと思うのです。
最後の挨拶。
あれは、中島みゆきの挨拶であって、中島みゆきの挨拶ではないのではないかと。
安寿の生まれ変わりとして、劇を演じきった今晩屋の主人の挨拶ではないかと。
「良い夜をお持ち帰り下さい~」と言えるようになった安寿を見せられているのではないかと。
(※あ、くどいようですが、安寿ではなく、母かもしれません。
音楽も「暦売りの歌」ですし、お茶らけ方も暦売りですし・・・。
ただ、私には安寿に見えたということです)
とにかく、こうして、夜を持ち帰ることができて、
気づかぬうちに、日替わりでメロディーを口ずさんでいる。
この歳にして、中島みゆきワールドに、すっかりハマってしまった今日この頃である。
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