
今日の日経新聞の「春秋」で初めて吉野さんを初めて知りました。
をさな子の服のほころびを汝は縫へり幾日か後に死ぬとふものを
をさな児の兄は弟をはげまして臨終の母の脛さすりつつ
この2句を立て続けに発生した幼児虐待と無理心中事件と連想させて「親子の在り方」と問うてました。迷える親が増えていく中、子供はそれでも親を縋るしかないのです…。
吉野秀雄さんの「寒蝉集(かんせんしゅう)」は、妻が子供たちを残して胃がんで死んでいくのをたんたんと詠んだ歌集です。吉野さんのバイブルは万葉集だそうです。
【プロフィール】
歌人・吉野秀雄は、明治35年(1902)新町(あら町)高崎の商家吉野家に生まれ、高崎商業高から慶応大に進むが結核を病み、闘病の中で歌道をきわめた。会津八一に師事。昭和42年(1967)65歳で没。