弁護士川原俊明のブログ

川原総合法律事務所の弁護士活動日記

勝訴判決を作成した弁護士

2006-03-08 20:31:44 | 日記・コラム
 民事裁判では、弁護士は、当事者である原告または被告の代理人として、法廷に立ち、主張を述べ、立証作業を展開します。
 裁判所は、双方の主張を検討し、法に照らして判決を下す、というのが、昨日までの日本の裁判の形態でした。
 ところが、昨日の新聞によると、弁護士が勝訴判決を書いてしまった、というのです。
 一瞬、日本の法律が大幅に変わったのかと、錯覚しましたが・・・。
 もちろん公文書偽造です。
 刑法第155条のよれば、公文書偽造罪は、懲役1年以上10年以下の懲役として、重い刑です。公文書の信用性を維持するための、私文書偽造罪より重い法定刑となっています。
 事件の背景に、弁護士の多忙さがありました。
 依頼者に対する説明に自ら偽造した「勝訴判決」を利用してしまったのです。
 弁護士業務の根幹は、「依頼者との信頼」にあります。
 それがすべてです。
 弁護士が、自分の怠慢を隠すのに、勝訴判決を書いてはいけません。

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