走りだして1kmぐらいからすでに汗だくで眼にしみてくる.夏の太陽は容赦なく僕を照りつける.
日焼け止めが取れてしまわないかと気にしながらタオルで汗をぬぐいながら北へと走る.
太陽が高くなり,僕の影は短くなっていく.
予定ではもう少し早く走りだすはずだったが,名古屋の疲れが出たのか目覚めが遅く,走りだしたのは8時近くになっていた.
止めようと思えば止めることは簡単だった.こんな真夏の炎天下に走るなんてとか,疲れているから無理しないでとか,夜に走ればいいとか,明日にすればいいとか,いいわけはいくらでもできる.走ったからといってその先に何かが約束されているわけでもない. 6月はあれほど辛い思いをして走ったけれど...どんなことも止めることは簡単で,続けることは困難なのかもしれない.それも贅沢なことかもしれない.3月11日以来,あの地では止めたくなくてもいろいろなことを止めざるをえなかったり,あきらめなくてはならなかった人たちがいる.止める勇気も必要だからリセットするのもいいだろうなんて言うのは幸せな人々の話じゃないか.そんなことを思いながら走った.風も感じた.向かい風でさえ心地よい.いつもならほんの少しの向かい風でさえ苦しく感じてしまうのに...
空は抜けるように青く,何処までも青く,この空の続きのFirenzeの空,Fの向こうの空に思いをはせながら,15km走った.
走った後,思った.止めるより進むほうがいい.
走った先に何があるのか,間違いなくあるのは冷たいビール.それで十分だ.
今月の走行距離 85km