「何故に、この時期?」
冬休みの方が良くない? の10/16 封切り「おまえうまそうだな」。
3週間程前に見に行って来ました。
宮西達也さんの絵本「おまえうまそうだな」「きみはほんとうにステキだね」「あなたをずっとずっとあいしてる」の三作を合わせて、一本の作品にしたこの映画。
(アニメ制作出身の常としての私は、アニメはアニメ、原作は原作として見ますが)
そうですね、最初から予想された事で、これはどうしようもないのですが。多分、絵本を知らないで見に行かれる方の方が、満足感は有ると思います。
ドラマとして膨らます為に加えられたエピソードは無理無く展開して行って、言ってみれば安心して見ていられるというという形、話に落ち着きます。
なので、大体が死別か別れで終わってる絵本とは違って。
ホッとする、映画ならではの「調和」を味わえる終わり方には、実際「良かった~」と思いましたが。
(話、先に有りき的な)破綻の無い構成を追う?余り、キャラクターの魅力が乏しくなった様な。
イメージのギャップというか。
設定や性格は多少違っていても構わないのですが。『その時の気分(?気持ち)で(食べるか食べないか)決める』といった、一歩踏み込んだセリフの必要性も、納得いくのですが。
その『(食べる)基準』になるものの提示が(匂いも)無いので、「仕方無い」等の共感というか、ハート(主人公)への感情移入がしづらくなっていて、拠り所の無い気持ちに(観客を)させるのでは無いかと思いました。
(衝動的、感情的な、だけに見えてしまう)
具体的には。
お母さんやライトと離れた後、ティラノサウルスの本能のまま狩りをするシーンで、輪になって子供達を囲う(守る)草食恐竜を、襲う?ところが有るのですが。
実際、その先を描いていなくとも、子供を食うんだなと想像出来る訳で。確かに、その時々によって『決める』であっても、現実的には食べなくては、でも。このシーンでは別の装い方が有ったのではないか?
(後の、ウマソウとの対比や、変わっていく様との兼ね合いが有ったとしても)
例えば。『腹ごなしの、いい運動になったぜ』とか『お前達運が良かったな、俺はさっき◯◯を食って腹が一杯なんだ』とか言わせて、そこを切り上げる事も出来た筈で。
元々が、捕食者と被捕食者を超えた絆のお話(メルヘン)なのだから。
最低限の、嘘では無い本当(前述の『決める』のセリフや、食べている画)をも見せている以上。本来の肉食獣は……そこ(リアリティ)に殊更、変な義務感を持つ必要は無いので、見ている者の気持ちを掬う配慮が(もう少し)有ってしかるべきかなと。
「(そのシーンを)見せない」という逃げでは無くて。「(ちゃんと)ごまかす」という、積極的な、選択、意思を持って欲しかったと思います。
ここは(親に)下駄を預けるところでは無いと思うので。
この作品の主題は、「捕食者と被捕食者を超えて」と「親子・兄弟」の「愛」なのですが。
親子関係では。
『ティラノサウルスを育ててどうする気だったんだ』と(ハートの父親が)問いただすシーンで。
『私は食べられてもいいと……』というお母さんに、『馬鹿な! あいつを一生苦しめる気か!』とバクーが言い放つのが、(古典的では有りますが)母親の愛と父親の愛の在り方の違いを描いていて、気持ちが伝わるシーンになっていたと思います。
ウマソウの『知ってるよ。もう子供じゃないんだ!』も、良かったです。
(それぞれの成長も、きちんと描かれていました)
絵的には、やややりすぎなところも有ったり。(理性を失った時の表情とか)
トレーニングのシーン(歌も相まって)には、過剰な(?)漫画っぽさも、私は感じました。
俗っぽいというか、熟(こな)れてない観が。ですね。
(映像の作りとしては、絵本を上手く動かしていたTV版の「宮西達也劇場」の方が好みでした)
そんなこんなで。全体的に、少し足したり少し引いたりしたら、もっと良くなったのでは。と、私は感じてしまった訳ですが。
でも、色、背景(世界)等、映像は大変綺麗で。
何といっても、ウマソウは文句無く可愛かったし。
最後は「二人一緒に」の大団円で、泣かずに済んだなと。(笑)
後は……
尻尾をハートに食われちゃった同族のゴンザ(敵役)が、損な役回りでちょっと可哀想かな、と。(思っちゃったのは私だけかな??)
以上。一回しか見ていないので、ちょっと不安?なのですが。
(最初の感想は厳しくて、二度目はその分?甘くなる傾向が有る;)
まだ上映中なので、お時間の有る方は、確かめに
いいえ、和みに。見に行って下さいませ。
※『』のセリフは皆、記憶で、概ねです。
映画「おまえうまそうだな」公式サイト。
http://www.umasoudana.com/
「宮西達也劇場・おまえうまそうだな」放送スケジュール。
http://www.kids-station.com/program/program.98210.html
※2014.5.28 追記。
ご覧になった方から先日ご意見(映画にご不満とのメール)を頂きました。
メルヘンはメルヘンのまま、絵本で、楽しむ事に致しましょう。
新作をまだ買っていないので、本屋に行ってこようと思います。
冬休みの方が良くない? の10/16 封切り「おまえうまそうだな」。
3週間程前に見に行って来ました。
宮西達也さんの絵本「おまえうまそうだな」「きみはほんとうにステキだね」「あなたをずっとずっとあいしてる」の三作を合わせて、一本の作品にしたこの映画。
(アニメ制作出身の常としての私は、アニメはアニメ、原作は原作として見ますが)
そうですね、最初から予想された事で、これはどうしようもないのですが。多分、絵本を知らないで見に行かれる方の方が、満足感は有ると思います。
ドラマとして膨らます為に加えられたエピソードは無理無く展開して行って、言ってみれば安心して見ていられるというという形、話に落ち着きます。
なので、大体が死別か別れで終わってる絵本とは違って。
ホッとする、映画ならではの「調和」を味わえる終わり方には、実際「良かった~」と思いましたが。
(話、先に有りき的な)破綻の無い構成を追う?余り、キャラクターの魅力が乏しくなった様な。
イメージのギャップというか。
設定や性格は多少違っていても構わないのですが。『その時の気分(?気持ち)で(食べるか食べないか)決める』といった、一歩踏み込んだセリフの必要性も、納得いくのですが。
その『(食べる)基準』になるものの提示が(匂いも)無いので、「仕方無い」等の共感というか、ハート(主人公)への感情移入がしづらくなっていて、拠り所の無い気持ちに(観客を)させるのでは無いかと思いました。
(衝動的、感情的な、だけに見えてしまう)
具体的には。
お母さんやライトと離れた後、ティラノサウルスの本能のまま狩りをするシーンで、輪になって子供達を囲う(守る)草食恐竜を、襲う?ところが有るのですが。
実際、その先を描いていなくとも、子供を食うんだなと想像出来る訳で。確かに、その時々によって『決める』であっても、現実的には食べなくては、でも。このシーンでは別の装い方が有ったのではないか?
(後の、ウマソウとの対比や、変わっていく様との兼ね合いが有ったとしても)
例えば。『腹ごなしの、いい運動になったぜ』とか『お前達運が良かったな、俺はさっき◯◯を食って腹が一杯なんだ』とか言わせて、そこを切り上げる事も出来た筈で。
元々が、捕食者と被捕食者を超えた絆のお話(メルヘン)なのだから。
最低限の、嘘では無い本当(前述の『決める』のセリフや、食べている画)をも見せている以上。本来の肉食獣は……そこ(リアリティ)に殊更、変な義務感を持つ必要は無いので、見ている者の気持ちを掬う配慮が(もう少し)有ってしかるべきかなと。
「(そのシーンを)見せない」という逃げでは無くて。「(ちゃんと)ごまかす」という、積極的な、選択、意思を持って欲しかったと思います。
ここは(親に)下駄を預けるところでは無いと思うので。
この作品の主題は、「捕食者と被捕食者を超えて」と「親子・兄弟」の「愛」なのですが。
親子関係では。
『ティラノサウルスを育ててどうする気だったんだ』と(ハートの父親が)問いただすシーンで。
『私は食べられてもいいと……』というお母さんに、『馬鹿な! あいつを一生苦しめる気か!』とバクーが言い放つのが、(古典的では有りますが)母親の愛と父親の愛の在り方の違いを描いていて、気持ちが伝わるシーンになっていたと思います。
ウマソウの『知ってるよ。もう子供じゃないんだ!』も、良かったです。
(それぞれの成長も、きちんと描かれていました)
絵的には、やややりすぎなところも有ったり。(理性を失った時の表情とか)
トレーニングのシーン(歌も相まって)には、過剰な(?)漫画っぽさも、私は感じました。
俗っぽいというか、熟(こな)れてない観が。ですね。
(映像の作りとしては、絵本を上手く動かしていたTV版の「宮西達也劇場」の方が好みでした)
そんなこんなで。全体的に、少し足したり少し引いたりしたら、もっと良くなったのでは。と、私は感じてしまった訳ですが。
でも、色、背景(世界)等、映像は大変綺麗で。
何といっても、ウマソウは文句無く可愛かったし。
最後は「二人一緒に」の大団円で、泣かずに済んだなと。(笑)
後は……
尻尾をハートに食われちゃった同族のゴンザ(敵役)が、損な役回りでちょっと可哀想かな、と。(思っちゃったのは私だけかな??)
以上。一回しか見ていないので、ちょっと不安?なのですが。
(最初の感想は厳しくて、二度目はその分?甘くなる傾向が有る;)
まだ上映中なので、お時間の有る方は、確かめに
いいえ、和みに。見に行って下さいませ。
※『』のセリフは皆、記憶で、概ねです。
映画「おまえうまそうだな」公式サイト。
http://www.umasoudana.com/
「宮西達也劇場・おまえうまそうだな」放送スケジュール。
http://www.kids-station.com/program/program.98210.html
※2014.5.28 追記。
ご覧になった方から先日ご意見(映画にご不満とのメール)を頂きました。
メルヘンはメルヘンのまま、絵本で、楽しむ事に致しましょう。
新作をまだ買っていないので、本屋に行ってこようと思います。