虎(黄にゃんこ)と馬と猫

競馬とタイガースと時たまねこのお話

彼女はたぶん魔法を使う

2007-10-25 21:19:41 | 読書日記(映画)
改めて見返して中身の事件とは全く関わりないタイトルに笑ってしまった

それでいてストーリーの本質は外していないような
そんな感じを受ける不思議さ


「彼女はたぶん魔法を使う」樋口有介


無性に本が読みたいと文庫の棚を徘徊
結局は贔屓の創元推理文庫の前に立つ

しかし、いつものお気に入りの連作短編集ではなく長編を選んでしまった
だって呼ばれたものは仕方ないじゃん
長編ミステリなんて久しぶりだし重いストーリーだとイヤだなあと心配だったが、ある意味短編集よりすらすら読んだ


主人公柚木草平のこの物語は、やたらと美女が出てきて、みんな濃淡あれど好意を持つ…と
それが嫌らしくない感じ

そういえば「シティハンター」なんかが近いイメージか

美女だらけなんて映像向きだとは思うが…日本の男優で嫌味なく演じれそうなのがいないか
せいぜい田村正和で訳の分からないキャラクターに転生されちゃうぐらい?


まあいいや


今回は別居中の妻
キャリア警官の恋人→は実は人妻で相不倫だった
依頼者も美女
交通事故→実は殺人の被害者=依頼者の妹もタイプの違う美女
被害者の友人の女子大生も美女
被害者の高校時代の友人で歌手の卵も美女
一応聞き込み先のOLも美女に含めようか

おばさんおばあちゃん男の刑事も出るが、まあ概ね美女だらけ


で、タイトルの元は聞き込み相手の1人に過ぎない女子大生
犯人でも依頼者でも、もちろん被害者ではない、そして多分ゲストな登場人物がタイトルになってしまう
確かに一番主人公が気に掛けているということで描写は多いのだが…途中(もしかしたら真犯人に3人目の標的として狙われるかも?)という緊迫感を出し……かけながら肩透かしに終わっている。
ふつうなら危険な場面を主人公が救う盛り上がりシーンがあるはず…がないのが、再三いうとぼけた味。

このとぼけ方が、結構作品全体のイメージも表しているなぁ…と思ったわけだ


90年代スタートで公衆電話に固定電話が活躍するこのシリーズ
ちょっとハマる危険性
短期間でいっちゃいますか? すでに明日どこの書店に行くかシミュレーションしていたり…する