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オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

ハート・ロッカー

2010-03-20 19:09:37 | Weblog

アカデミー賞授賞で話題の映画「ハート・ロッカー」見てきました。

凄く面白い映画でしたが、
ハッキリ言ってドンパチやって「すげぇ!カッコイー!」っていう映画を見たい人には向かないと思います。
実際のところPMCが出てきたり50口径が出てくる狙撃合戦もあるわけで、
そういう見方もできないのではないですが、そんな感想しか持てないのは正直残念かな、と。

正直、ハリウッドの映画俳優に関しての知識が薄い私には
この映画の俳優さんたちが他でどんな映画に出ているのか分かりませんが、
かえってその部分がこの映画をドキュメンタリー的なものとして見ることができる要素だったかな、と。
この映画にはヒーローなどいない。


さて、感想を書こうと思うのですが、少なからずネタバレ要素が入ると思いますので
「これから見に行くからネタバレは止めて」って言う人はここで引き返してください。
マニア的な装備の話は下の方にまとめておきます。需要があるかどうか分かりませんが念のため。




さて、感想行きます。
ネタバレ含まれるかもしれませんよ?
いいですか?







では個人的な感想なぞ。
舞台はイラクのバグダッド郊外。
主役となるのはアメリカ軍のとあるB中隊・爆発物処理班の3名。
・ジェームズ二等軍曹
・サンボーン三等軍曹
・エルドリッジ特技兵
の3名。
主役はジェームズ二等軍曹と言えるかもしれませんが、個人的にはこの3名全体だと感じました。
これは人によって違うかもしれません。

全編において感じられたのはイラクという「戦場」における不安とストレス。
いつ敵から攻撃されるのか、いつ死ぬのか分からないという
極度のプレッシャーを受ける状況下に人が置かれるのが
いかに大変かというのが厭というほど感じられる映画だったと思います。
しかも描かれるのは爆発物処理班。
イラクでは仕掛け爆弾(IED)による被害が多発しており、
いつ爆発するか分からない爆弾を解体しなければならない任務における恐怖を安全な劇場にいながらにして体験しました。
私なら爆弾に近づくことすらできないだろうし、近づいたとしても恐怖のあまり精神的に病んでしまうだろう。
前半は特にこの緊張がすごい。

ましてや周囲には単なる見物なのか、
あるいは爆弾を遠隔操作で爆破させようとしているのかよく分からない地元住人が遠巻きながら様子を見ている。
イラクやアフガニスタンでは米兵が民間人を撃ったというニュースが出てきましたが、
実際ああいう状況なら仕方がないと思います。
「私ならこの場合、あの民間人を撃ってるよな。緊急事態だし仕方ない。」
と思えるシーンが少なからずありました。
もっとも私が爆弾処理を依頼されたら解体しようとせず、
「危ないからここから撃って爆破しちゃいましょう。」って言うでしょうけど。

中隊3人での酒を飲んでの莫迦騒ぎはそんな彼らのストレス解消なんだろうとは思いました。
しかしながら途中で一線を越えて一歩間違うと誰かがケガしたり死んだりする事態に発展しそうな状況になる所は
やはり彼らの受けているストレスが並大抵のものではないことを示しています。
実際のところ、爆発物処理に当たる人間は酒を飲んだり煙草を吸ったりするのはダメなんですが、
イラクやアフガンで実際のところどうなのかは不明。
こうでもしないとやってられないんでしょうけど。

色々と考えさせられたのは後半の人間爆弾と爆弾を巻きつけられた男のシーン。
ややもすると一匹狼的なジェームズ二等軍曹の人間らしさが現れていたのではないかと思うと同時に
実際にこういう攻撃を行っているテロリストたちの非人道的な方法を通して、
いかにイラクという「戦場」が危険なものであるのか、常識が通用しない場所であるのかを感じました。
また、爆弾を巻きつけられた男のシーンでは
通訳をしている新制イラク軍の兵士自身が爆弾をつけられているかのごとく助けてやってくれ、
というあたりなど、描写も細かい。

結局のところジェームズ二等軍曹は帰国して妻や子供との生活を再会するものの、
再び戦場に戻ってしまう。
冒頭に出る「戦争とは中毒である」というのはこういうことだろう。
カンボジアなどに派遣された自衛官の中にも現地で危険を感じながらも、
帰国してからの平和すぎる生活に不満を感じ、向こうに戻りたいと漏らしたものが居るという。
逆に劇中では描かれないが「子供をつくりにはまだ早い」とこぼしていたサンボーン軍曹は帰国後、
子供を儲けて幸せな暮らしをしているのではないだろうか?
戦場というのは人を変えてしまう。
決して何の特にもならないし。

この映画で感じるのはイラクやアフガニスタンへの派遣が長引く中で感じ始めたアメリカ国民の心の中に
疑問とかわだかまりみたいなモヤモヤしたものが鬱積しているのではないかと感じました。




さてさてここからはマニア的な装備の話。

装備とは異なるしネタバレにもなっちゃいますが、
戦場におけるストレスの描写と共に現地の兵士たちの不安感も上手く表現されているな、とも感じました。
PMCの人間を敵対勢力と誤認して近づいたり(明らかに見方と見えない状況では仕方ないだろう)、
逆に見方兵士が基地に近づいても敵対勢力の人間と同様の手荒い対応をしたり
(むしろあの状況では現地の人間に捕まったり、米兵に撃たれるんじゃないかとハラハラしました)。

ではいよいよ装備の話。
ジェームズ二等軍曹のみACH(ヘルメット)とインターセプターボディーアーマーのカバーがウッドランドであるのは
本人の言う以前はアフガニスタンにいた、という戦場経験豊富であるのを示しているのかと思います。
一部の人しかDAPS(腕アーマー)を着けてないのはまだ支給当初で揃ってないという事なのかと思います。
(違うかも。)

銃器としては基本的にRAS付きのM4。
人によってACOGがついていたりM68CCOがついていたり・・・。
バラバラなのはバランスをとったのかな?
後はPMCの人が東ドイツ(ポーランド)仕様の折りたたみストックとレール付きのAKカスタムや
バレットM82。
何でもいいけどバレットの予備マガジン持つ人って初めて聞いたよ。
デカいのでバラ弾を持つくらいとか聞いたことがあるけど。
まあ、車に積んでいたのを使うんで持っていたと脳内補完。
しかしバレットで難儀する距離で楽々狙撃をこなすドラグノフ使いってどうよ?
向こうは狙撃のプロだったってことかな?
ハンドガンはベレッタM9くらい。

余談ですが開けた地形あり、市街地ありだと照準器にも悩みますね。
私ならM68CCOとACOGの両方を持って行きたいところですね。
あと、屋内でのCQBを考えると銃にライトをつけておくべきだな、とか思いました。

ライトはシュアの6Pとか色々。たぶんキセノン。
でも咥えて使うのは厳しいんじゃね?
サンボーン軍曹の大きいのがシュアかどうかは分かりませんでした。
協賛のところにシュアがあったかどうかは分かりませんでした。
パンフレット買ってきたのに載ってないし・・・。
ちなみに同社のヘルメットライトは登場せず。

ヘルメットにマウントついてるけどNVGも登場無し。

EODってことでマルチプライヤー使ってますけど黒とシルバーのがあった以外は詳細不明。
軍用のガーバーなのか?
他に最初のシーンでも大き目のナイフを使っているシーンがありましたが詳細不明。
BUCKストライダーっぽいハンドルかな、とか思ったけど・・・。
ちなみにナイフとしてはベンチメイドの名前がスタッフロールにありました。
5.11タクティカルもあったけど、他の数社は見落としました。

装備品といえばOTVのPALSに挿し込んだタバスコの小瓶(レーションの付属品)とか
ALTAのニーパッドとかファーストエイド用の赤ひも付きポーチとか
夜間の同士討ち防止のストロボライトとかかなり細かいです。

ただし、ついぞ使うこと無かったジェームズ二等軍曹の右肩につけられたESS・ロープロファイルNVGゴーグルとか
サンボーン軍曹のどう見ても市販品のサングラスとかはちょっと残念かも。

長々と書きましたが、こんなところでしょうか。

上のほうであれこれ書いたものの、何だかんだいって爆発物処理班の爆弾マークのパッチが欲しくなったり。
安っぽい人間でゴメンな。

世の中は3連休って事で、時間のある方、興味のある方は劇場に足を運んでみるのも悪くないかと思います。


何でもいいけど最後に映画館に行ったのは2007年12月16日の「アイアムレジェンド」が最後だったのな。
本当に久し振りに映画を見に行きましたわ。

久し振りに映画を見に行って気付いたんですが、
最初の注意事項にお約束の煙草禁止、撮影禁止ってのの他に「前の椅子を蹴るな」ってのが増えてました。
残念ながら日本人の民度が下がりつつあるんですね。
ちょっと寂しいですわ。

散々最初に言われてたのに映画の途中で携帯電話が鳴って慌てて出て行く人もいたしね。
映画館に入ったら携帯電話の電源切るのが常識だと思うんですがね。


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4 コメント

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Unknown (名無しの愉しみ)
2010-03-24 21:15:23
おー、ハートロッカー、友人が「見に行こう」とかわしを誘っておきながら放置されてしまった映画じゃ。
その代わりアバターみちゃったんよ。

しかし・・・装備品からの推理がすごひ。
友人と見に行く時には、ウンチクぶっこかしてもらいます。
確かに装備品から、色々と示される状況設定というものもありますよね。どれだけの人が見切れるのかは知らないけど。
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Unknown (doorgunner)
2010-03-25 16:45:20
私の少ない知識で気付いたのはこの程度ですが、こういった見えない部分でも手の込んだ映画だったと思います。
国防総省の技術協力があったからこそ、なのかもしれませんが。

映画を見ていてストーリーや演出以外のこういった小道具的な部分が楽しめるのもマニアの利点なのかもしれません。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-04-19 11:45:51
バレットが出てきたのには興醒め。
えーっ、なんであんなところでバレット?
テロリストを捕まえるために潜入していたPMCがなんでバレットなんかわざわざ持って行くんだよ、とアホらしくなった。
その後の銃撃戦もダメ。
味方が2人も撃たれた同じ位置で銃撃戦を続行なんて自殺行為も等しい。
普通は隠れて応援を要請するか、位置を変えるかでしょ。
バレットが当たった時に敵兵に血しぶきしか上がらなかったのもダメ。
バレットが当たったら普通人体粉微塵でしょ。
爆弾処理もそんなに緊張感が感じられず、この映画は全くの期待ハズレでした。
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Unknown (doorgunner)
2010-04-19 17:27:47
映画に限らず、万人の評価を得ることは難しいですね。
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