名前を忘れた罪

―忘れてもいいこと、
 そして忘れてはいけないこと―

悲しみだけにさようなら

2019-05-28 18:41:56 | 
僕たちはいつでも
苦悩していたね。

どうしてこんなことに
なったのかそれは今でも
分からないけど、

広い空を飛ぶ鳥のように
この大空をはばたけたら
どんなに素晴らしいだろうか。

ある人が言った、
辛いときのことはもう
思い出さなくていいよ、と。

楽しかった素敵な思い出だけ
残せばいいよ、と。

そして震える僕の身体を
優しく抱きしめてくれた。
僕は泣いた、
とめどなくあふれる涙が
止まらなかった。

今は無理でもいつか、
僕たちの心が本当の意味で
自由になるその日まで、

素敵な思い出を1つ1つ作ろう
悲しみだけにさようなら、
素敵な思い出たくさん作ろう。


鏡の中のファントム

2019-05-25 22:20:24 | 
銀色のナイフ、落ちたその瞬間

私の中の何かが壊れた。

次の瞬間、私は見た事も無い場所に居た。

ここはどこだろう、まさか死の国?

思い出せない 銀色のナイフは

私の胸を貫通したのだ、その瞬間に

割れた鏡の中、閉じ込められた。

鏡の中に映るそれは私であり、

また私では無い別の生物だったり。

私の胸には血が流れた跡があり、

しかし痛み、痛覚も感覚も無い。

思い出した、私はあの時

悪魔と契約したのだ。

生きる意味を覚えずただ無為に過ごす

苦痛から解放して欲しいと。

すると私は既に死んだ事になる。

ここは天国か地獄か、果たしてそれとも…。

割れた鏡の隙間から声を出してみても

鏡の外に届かない。

私は全てを悟りそして全てを放棄した。

ただ1つの心残りは臨月の妻のことだけだった。

思い出した、どうして私が今この場所に

いるのかを。どうか元気でいてほしい、

妻よ、これから生まれてくる息子よ。

私は鏡の中のファントム、鏡の迷宮に

閉じ込められた魂の欠片。

白い紫陽花

2019-05-23 18:14:20 | 
昔、住んでいたとある街の

あるお宅に白い紫陽花が沢山咲いていた。

建物の風貌からしておそらく

元農家の方の宅邸だろうか。

とても大きくそして、汚れない

真っ白な紫陽花はたくさんの人を

和ませてくれただろうな。

今も、あの紫陽花は其処に

咲いているのだろうか。

僕はもうすぐ旅立ちます、

さようならは言いません。

いつかまたどこかで巡り会う

その日まで、そっと瞳・・・閉じて。

ある夏の出逢い。

2019-05-13 22:01:06 | 
貴方を初めて知ったのは、

私が17歳の時でした。

そのときは知らなかったけど、

貴方は5歳年上の美青年でした。

私の心はたちまち貴方の虜になりました。

今、私は43歳になりました。

26年とゆう月日は長いようで、

あっとゆう間の気がしました。

私はもうすぐ44歳になります。

その半月後に今のあなたは

49歳の紳士になります。

ずっと遠くからそっと、

見守り続けたいと思って閉じた貝のように

好きな気持ちをずっと自分の胸の内に

隠し続けてきたけれど…もう

この想いを抑える事が出来なくなりました。

一生、あなたが好きです。

ずっとこれからも遠くから

あなたの1番の幸せを願い続けて

かまいませんか? 尊愛、ただ

それ以上の形容詞が見当たらない。

世界一、愛しい人よ。


五月の雨の下で

2019-05-02 21:13:00 | 
傘を持たずに出掛けた昼過ぎ、

午後になるとぽつりぽつりと

雨が降ってきた。

誰も居ない雨の公園、ベンチ。

大きな木と薄青い空のコントラスト、

カメラで一瞬の風景を切り取った。

ミニチュアサイズの景色、

誰も居ない午後の公園で

煙草に火を着ける。

雨はどんどん激しさを増す。

車の窓ガラスの景色はぼやけていた。

夜半になっても一晩中、

雨は降り続けた。ある五月の雨の夜。