名前を忘れた罪

―忘れてもいいこと、
 そして忘れてはいけないこと―

ふれあうゆびさき

2018-09-27 03:57:29 | 
静かな夜、
微かに聞こえる
時折鈴の音が。

僕の窓辺からは
星が見えませんが、
今日もそこで煌めいていますか。

見えなくても、
感じ取れるものもあります。
言葉だけじゃないから、
気持ちを伝える手段は。

指先、温もり、
早い鼓動、触れ合う肌。

長いマフラー巻いて坂道を
駆け上がった少女時代。

失恋してヤケ酒煽ってるときに
友が黙って肩に置いてくれた手。

銀色のリングをはめるときに
少し震えた指先。

小さな小さな指が生まれて初めて
この指を握ってくれたとき。

言葉が無くても伝わる、
あなただけの気持ちがいつかきっと。
あなただけに贈る言葉は、

何も要らない。
ただ、そこに君が居てくれたら。

ポーラスター

2018-09-26 18:34:34 | 
何かに悩んでいるときに

そっと教えてくれた、

どこに向かえばいいのかを。

僕たちはいつも

悩んで迷ってその繰り返し。

どこに行けばいいのかも

分からないときにそっと教えてくれた

小さな鈴の音、探るように。

大きな足跡、辿るように。

いつも目印、教えてくれた。

ポーラスター

それはとても大きくて

手が届きそうにないけど、

いつかどこかで

あなたの灯(ともしび)になりたい、

いつかどこか教えてあげたい、

道は1つじゃないんだよと。

ピアス

2018-09-25 22:51:23 | 
以前通っていたある病院で出会った子、
1回り歳下の可愛い娘だった。

彼女は入院中の患者だった
よく屋外喫煙所に来ているから
顔見知りになった。

入院中なのにいつも明るい
可愛いらしい恰好をしていた。

俺が、今日の服新しいやつ?とか
今日のピアス可愛いねとか、
声をかけると

ありがとうございます、嬉しい
って明るい笑顔で返してくれた。
退院して外来通院になってもまた
こうして喫煙所で会えたらいいなって
そう思っていた。

彼女の姿を暫く見かけなくなって
気になっていたときに
実は彼女が退院したその日に
自殺して亡くなっていた事を知らされた。

花のように明るいあの笑顔も
耳元で揺れるピアスも、
もう見る事は無いんだ。

何の病気の患者であるか知っていた、
同じ病気の患者に会った事もある。
でも、俺がしてあげれることは
何ひとつ無かった、
人間ってなんて無力なんだろう。

たった1つたった1人救えない、
そんな人生になんの
存在価値があるのだろうか?

人は何の為に生まれてきて、
そして何の為に生きるのだろう。
俺には分からない。

NO MORE おかねもち

2018-09-18 03:16:18 | 
僕は街を歩いているときに
時々見かける。
ベンツやBMWやポルシェが
気軽にどこにでも駐車しているのを。

高級外国車に乗っていれば、
みんなが避けてくれると
思っているんだろうか。

安くて素敵なアイテムが人気の
そんなお店の前を高級ブランドで身を包んだ
どこかのお嬢様が鼻で笑って通り過ぎてゆく。
その店は僕が好きなお店の1つだ。

もし、そんなものが『金持ち』であるとゆうなら
僕はそんな金持ちになりたくない。
僕が書いた詩、
本などに載せない限りは1円の得にもならない。
でも、詩が好きだから書いている。
これはお金で買えないもの。
僕の本はお金を出して書店で買えても、
その中にある僕の心はお金で買えない。

お金で買えるものと買えないもの、
数だけで言えばお金で買えるものは
たくさんあるでしょう。
でも、お金で買えないものは
とても大切なものだから
そんなにたくさん無いのです。

幸せは、両方の手の平に
乗せられる分で足りてるのです。

恵まれぬお金持ちのあなたに幸あれ。

ぼくたち、の

2018-09-13 03:35:31 | 
夕暮れ、帰り道を
少し急ぎ足で駆ける。

空にはちいさな1番星、
ぽうっと光る。

小さな胸の鼓動、
あのときのときめき、切ない気持ち。

大人になっても忘れたくない、
小さな1歩1歩を少しづつ
痛みや喜びと共に歩んできた。

その全てが
今のぼくたちの思いを
全て包んで、
ぼくらを前に突き動かしているんだ。

夕闇、帰り道を
ひとり家路に着く。

見上げた夜空には星たち
静かに眠っている。

あの頃と変わらない、
ぽうっと光る
ぼくたちの心の中で。